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更新日:2024年09月17日
「無知の知」という言葉を知っていますか。この言葉は哲学者ソクラテスが言った名言として有名ですが、詳しい意味や使い方を知らないという方は多いでしょう。ここでは、「無知の知」の意味や使い方、例文、類語、対義語などについてみていきますので、ご参照ください。
目次
「無知の知」の対義語はどのようなものでしょうか。はっきりとした対義語はありませんが、敢えて言うのであれば、「無知の知」という言葉は、現在では「謙虚に学ぶ姿勢」という意味合いで使われますので、「無知の知」に対する対義語には「厚顔無恥」が当てはまります。 この「厚顔無恥」とは「こうがんむち」と読み、「図々しい様子、恥知らずな様子」という意味です。「厚顔無恥」の「無恥」は「無知の知」の「無知」と同じ読みですが、漢字は異なります。 よく「厚顔無恥」を「厚顔無知」と間違って表記することがあるので気を付けましょう。「厚顔無恥」の「無恥」は恥ずかしさを知らないという意味で、「無知」の知らないことという意味ではありません。
「無知の知」の対義語にあたる「厚顔無恥」を使った例文が以下になります。 (例文) 1.「自分がすべき義務を果たさず、権利ばかりを主張するのは厚顔無恥な人です。」 2.「自分から逃げておいて後で助けを呼ぶなんて厚顔無恥にもほどがある。」 3.「彼は、偉そうなことを言っていたわりに、いざわからないことがあると人を頼ってばかりで厚顔無恥だと非難された。」
ここまで「無知の知」についての意味、使い方、具体例などみてきましたが、この「無知の知」という思想には矛盾があるのではないかと感じる方もいらっしゃるでしょう。つまり、「無知の知」と言っておきながらがも、無知という「なにも知らない」という事実を知っているのではないかという矛盾です。だから「無知」ではないと。 しかし、この「無知の知」でいう「知」とは自覚に近い意味であり、知っているというよりは、自分の未熟さ、無知であることを自覚しているという意味の「知」であるということですので、矛盾にはあたらないと考えます。 ただし、「無知の知」のように自分がまだまだ知らないということを知っている(自覚している)ということを格言として述べるには、ソクラテスのようにある分野で上を目指す人にとってこそ響く言葉であるといえます。
哲学者ソクラテスの「無知の知」は英語で表現すると、以下のようになります。 ・「I know that I know nothing.」(わたしは、わたしが何も知らないということを知っている。) ・「The only true wisdom is in knowing you know nothing.」(唯一の真の知恵は、あなたが何も知らないことを知ることです。) ・「Wisdom to realize one’s own ignorance」(自分の無知を実現する知恵)
「無知の知」をはじめとして、たくさんの名言を残した偉大なる哲学者ソクラテスですが、ソクラテスとはいったいどんな人だったのでしょうか。ここでは、「無知の知」という境地に至るまでのプロセスに添ってみていきます。
ソクラテスは、「無知の知」という名言を残すに至るまでに、賢者と呼ばれる人たちと対談をします。その対談によって相手が真の知恵者であるか否かを探っていきます。しかし、賢者と呼ばれていた人たちは、次々にソクラテスによって論破されていきます。 ソクラテス以外の賢者と呼ばれた人たちにとっては、たまったものではありません。勝手に呼んでいろいろ聞いておいて、「いや、こういうことでしょ。(大したことないな)」のように言われるのですから、賢者と呼ばれる人たちも面白くありません。そう考えると、ソクラテスは現代で言えば、鼻もちならない、「あいつ空気読めないよな」的人だったのではないでしょうか。
それでは、ソクラテスは本当に傲慢な人だったのでしょうか。答えはノーです。というのは、ソクラテスは賢者と呼ばれる人たちと対談をしたことで、ある一つのことに気付きます。それが、「無知の知」を知っている自分の方が賢いという事実です。 そして、ソクラテスは本当の知恵者は神のみであり、人間はどんなに努力を積み重ね学ぼうとも、神のような知恵者にはなれない。それゆえに、常にある一定の知を得たとしても現状に満足することなく更なる上の知を追い求めていかなければならないと考えます。 そういったソクラテスの「無知の知」の結論に達してから考えてみれば、傲慢なのは、本当は知恵者でもないのに自分が知恵者であるがごとく振舞う賢者と呼ばれる人たちだと気づきます。
記載されている内容は2018年03月09日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
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