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更新日:2024年09月17日
「無知の知」という言葉を知っていますか。この言葉は哲学者ソクラテスが言った名言として有名ですが、詳しい意味や使い方を知らないという方は多いでしょう。ここでは、「無知の知」の意味や使い方、例文、類語、対義語などについてみていきますので、ご参照ください。
目次
ソクラテスより前にいた哲学者は、「すべてのものは何からできているのか」と、思索対象を宇宙であったり自然としていました。また、化学発想もこの頃から生まれており、雷は神が怒った結果であると考えられたものが、哲学者によって「雨雲が切れて、その隙間より光が見える現象である」と説明するようになりました。 そのような時代において、ソクラテスも自然哲学を学びました。しかし、発想が他の哲学者と違っていました。他の哲学者が「自然とは」「世界とは」「宇宙とは」と考えていたときに、ソクラテスは「人間とは何か」「人間はどうあるべきなのか」を考えていたということです。 思索対象を宇宙や自然から人にシフトしたことが、ソクラテスが偉大な哲学者となった所以といえます。
ソクラテスは「人はどうあるべきか」を追求した哲学者です。そして、今では一般的である「人は善なる行動をすべき」という倫理観を打ち出した最初の人であるといえます。
ソクラテスが登場するまでにギリシャにおいて浸透していたのは相対主義です。相対主義とは、「人の認識や評価は全て相対的であり、真理の絶対的立場はみとめないという哲学上の主義」です。要するに、「絶対的真理は実際ない。真理や真実は、人それぞれ自分の都合や感性によって決められる相対的なものだから」ということです。 そういった主義の中で、ギリシャは愚衆政治と呼ばれるひどい政治がはびこります。それは多数決で決めたとしても、誰もが認める価値観がない状態だったためです。
相対主義により世の中が崩壊していたときに出てきた哲学者がソクラテスです。ソクラテスは相対主義を真っ向から否定します。ものごとの真理や本質に迫ることを追求し続けたソクラテスは、「無知の知」といった思想を確立します。そして、ソクラテスは、絶対的価値観、倫理観という「人間がどうあるべきか」を説きました。
「徳は知である」という言葉もソクラテスの名言です。人間としての善を徳という言葉で表し、この善を重ねることによって魂を良くするという考えです。また、ソクラテスは、徳を実践する人の人生は幸福だとも説いています。 ソクラテスはさらに、魂を良くするための徳を実践するには、何が善で何が悪かを判断する「知」が必要であると考えました。そして、「徳は知である」という結論に達して、「知徳合一」という考えが生まれました。 この「知徳合一」という考えは、ソクラテスが人は「知」(英知)を求め続けなければならないと説いた「無知の知」に相通じる考えであり、人は自分がまだまだ英知を得ていないことを悟り、さらに知を求めなければならない、「無知の知」を広めるという根本的考えのもとになっていると考えられます。
「無知の知」などの名言を残し、人はどうあるべきかを追求しつづけたソクラテスは、どのような生涯を送ったのでしょうか。ここでは、ソクラテスの一生を追ってみます。
ソクラテスは、紀元前470年ごろにギリシャのアテネに生まれます。父は石工で、母は助産師であったといわれています。その一生を真理の追究と、市民の道徳意識の改革、倫理観の提示などにささげたといって良いでしょう。
ソクラテスの転機となったのは、前述でご説明した「無知の知」の思想を確立したときです。ソクラテスの特徴は、民衆から教えを乞われても報酬を貰わなかったことです。 自身の使命として、市民への道徳観念の改革に力を注ぎ、「無知の知」などに代表される思想によって、政治家や権力者の無力さを暴きます。そして、そのことによって、彼は裁判にかけられて死刑を宣告されます。
記載されている内容は2018年03月09日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
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