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「無知の知」の意味と使い方・具体例・読み方・おすすめの本

更新日:2024年09月17日

言葉の違い

「無知の知」という言葉を知っていますか。この言葉は哲学者ソクラテスが言った名言として有名ですが、詳しい意味や使い方を知らないという方は多いでしょう。ここでは、「無知の知」の意味や使い方、例文、類語、対義語などについてみていきますので、ご参照ください。

もし、死が前者の虚無であったとすれば、死は驚くべき良いものであり、死は利得といえます。人が夢一つみない熟睡した夜とそれ以外の夜や昼を比較すると、熟睡した虚無的な夜の方が快く過ごしており、死がそのようなものであるなら、死はとても良いものであると考えるということです。

なぜソクラテスの名言がいまも愛されるのか

「無知の知」をはじめとして数々の名言を残した哲学者ソクラテスの思想はなぜ二千年以上も経ったいまでも愛されているのでしょうか。それは、彼の思想や名言が、時代を経ても変わらない真理を残していたからです。ソクラテスの「無知の知」のような名言は、現代においても様々なシーンにおいて教訓になります。

問答法

前述で「ソクラテスの反論例」にあったように、「無知の知」という名言が生まれるまでにはソクラテスは賢者と呼ばれる人たちに質問を繰り返しました。また、他の哲学者は、多くの大衆の前に立って自分の思想を説いていたのに対して、ソクラテスは通行人をつかまえては問答を繰り返していました。このときに活用した方法が、「問答法」になります。

問答法とは何か

ソクラテスが用いた「問答法」とは、具体的には相手を説くのではなく相手に質問を繰り返すことによって、相手の答えの矛盾を指摘して、相手の間違いを自覚させるという方法です。そのことによって、相手は自分が間違っていることを気付き、「無知の知」を理解します。 この方法は、弁証法の一種であり、当時としては、対立する者に対して自説の矛盾に気付かせるために活用していました。また、ソクラテスは周囲へ教えを説くためだけでなく、自分自身が真理を探究するためにも活用していたといわれています。

問答法は不完全

ソクラテスが用いた「問答法」は、現在では単に反証を行うためという手段としては不完全であるといわれます。「問答法」は、現在では対話者がもつ信念を明らかにすることやさらに理解を深めるという意味で使われます。

ソクラテス問答法は認知療法で使われる

ソクラテスが「無知の知」を導くにあたり使われたとされる問答法は、認知療法に応用されています。患者へ質問を繰り返すことによって、患者自身が自分の心の中にある感情や意識を明確にして、自分で気づくことができ、自信をもつことができます。

ソクラテス問答法はビジネスでも活用

ビジネスにおいても、「無知の知」を説くにあたりソクラテスが使ったとされる「ソクラテス問答法」は活用できます。例えば、やる気を失っている部下に対してやる気を出し成果をあげてほしいという場合に使います。ただ「がんばれよ、成績伸ばせよ」では相手もやる気は出ません。

ソクラテス問答法の活用例

やる気のない部下をやる気にさせるために、雑談の中で部下に以下のような質問をします。 ・「我が社の商品をより良いものにするには何が必要だとおもう」 ・「残業せずに会社の売り上げを上げたいのだけれど、どうすれば良いかな」 人は、ただ説教をされると聞き流したりしがちですが、質問をされると考えます。そして答えを言うでしょう。そうしたときに、その答えに対してあなたはさらに質問を繰り返します。人はよく考えた結果については、実行したくなるもので、その質問の繰り返しによって部下の行動が変わってくる可能性があります。

人間について思索した哲学者ソクラテス

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初回公開日:2018年03月09日

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