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マクロとミクロの違い・視点の持ち方・分析方法|経済/単位

経済

マクロとミクロ、似た言葉で意味は真逆ですが、一つの物事を両方の視点でみることはとても大切なことです。この記事では、マクロとミクロの意味を解説した後、マクロ視点とミクロ視点の効率的かつ有効的な活用方法を伝授します。勉強や仕事に役立ててください。

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マクロとミクロの意味の違いとは?

マクロとミクロの意味の違いとは?

「マクロ」や「ミクロ」という言葉を聞いたことはありませんか。「マクロ」と「ミクロ」は対立する考え方です。一見違うものを示しているように思われがちですが、実は同じ事象を異なった方法でみているにすぎません。 この記事の前半では「マクロ」と「ミクロ」の意味の違いについて説明いたします。また「マクロの視点」と「ミクロの視点」という言葉もよく使われることがあります。両方の視点を兼ね備えることでより良いアイデアや対応が可能になるとも言われています。 こちらの2つの視点についても後半で解説いたします。

単位で使われる「マイクロ」で、「マクロ」と「ミクロ」の違いを理解しよう

プランクトンなどの微生物の大きさ(体長)を示すときには「○○マイクロメートル」といった表現が使われます。この「マイクロ」は「ミクロ」を意味しています。 1マイクロメートルは1ミリメートルよりも遥かに小さい長さです。「数ミリの差」を修正する野球選手や職人などが真のプロといわれたりしますが、そんな彼らでも感覚で調整することが不可能に近い大きさの世界です。この例から「ミクロ」がいかに我々の日常生活に対して異次元な世界であるかが容易に想像できるでしょう。

小さいものが「ミクロ」

長さの単位にm(メートル)があります。1mの千分の一の長さを1mm(ミリメートル)といいます。1mmは多くの定規やものさしに書かれている最小目盛りです。 さらにその1mmの千分の一の長さを1μm(マイクロメートル)といいます。定規やものさしに書かれている最小目盛りのすき間を千個に分けたうちの一つ分ですので、肉眼でとらえることは不可能な小ささです。 「マイクロ」は「micro」と書き、「mi」をローマ字読みで「ミ」と発音すると「ミクロ」になります。ミクロメートルという表現でも伝わりますが、より正しい発音はマイクロメートルになります。つまり、「ミクロ」には「微小なもの」という意味があります。

「ミクロの世界」ってどんな世界?

映像や科学で「ミクロな世界」という言葉が使われることがあります。これは我々の目に見えないほど小さな微生物や細胞レベルの世界の話になります。電子顕微鏡などを駆使することで物体を高倍率に拡大し、それによって見える世界という意味になります。 人間一人の細胞の数は約60兆個といわれていましたが、近年の研究では約37兆2000億個ともいわれています。約23兆個の差がありますが、いずれにせよ1個あたりの細胞の大きさがどれだけ小さいかがわかる数値です。 ちなみに、1μmの千分の一は1nm(ナノメートル)、1nmの千分の一は1pm(ピコメートル)といい、さらに小さい単位も存在します。

大きいものが「マクロ」

ミクロ(マイクロ)が「微小なもの」という意味であるのに対して、マクロは「巨大なもの」という意味があります。 小さいものに「1ミクロメートル」があるのであれば、大きいものに「1マクロメートル」があるのではないかと考える方もいらっしゃるでしょう。しかし、残念ながら「マクロメートル」という具体的な単位は存在しません。「マクロ」は抽象的な表現でのみ使用される言葉です。

宇宙から考える「マクロ」と「ミクロ」

「宇宙」という言葉からは広大な世界をイメージする方も多いでしょう。しかし宇宙も見方によっては「マクロ」にもなり「ミクロ」にもなります。 太陽の直径は地球の直径の約109倍、さらにその太陽のような恒星が宇宙に無数にあることから、天文学的な数字が宇宙には並んでいます。このように、太陽系や銀河という大きさで宇宙を考えると「マクロ」な視点になります。 しかし、これらの星は我々の目に見えないほど小さな原子や分子、素粒子からできています。主に水素とヘリウムでできている太陽から吹き出す粒子は太陽風と呼ばれ、地球に到達することでオーロラが極地方で観測できることがあります。このような視点は「ミクロ」な視点ということができます。

マクロ(macro)とミクロ(micro)は両極端

以上の例から、マクロとミクロの意味はご理解いただけましたでしょうか。マクロという言葉がもつ意味は、大きさという点では「巨大なもの」、ものの見方という点では「巨視的」となります。ミクロという言葉がもつ意味は、大きさという点では「微小なもの」、ものの見方という点では「微視的」となります。

マクロ経済学とミクロ経済学

ノーベル賞は、物理学賞、化学賞、生理学・医学賞、文学賞、平和賞、経済学賞と部門が分かれています。日本人の受賞者は21世紀ではかなり多くの数ですが、唯一誰も受賞できていないのがノーベル経済学賞です。大学の学部に経済学部がある学校も多いですが、「経済学」といわれると日本にはあまり馴染みが深くありません。 そんな経済学の基本分野は2つあります。それが、「マクロ経済学」と「ミクロ経済学」です。両者の違いを理解することで、「マクロ」と「ミクロ」についてより一層知識を深めることができます。

視点が違う

マクロ経済学では国全体の経済をまとめてみます。国は家計や企業がたくさん集まってできたもので、これらの集合体である国の分析から、物価や経済成長率、GDPなどをみていきます。 一方ミクロ経済学では家計や企業そのものを個々にみます。家計では消費や貯蓄など、企業では雇用や生産などについて分析します。全体をみるマクロと、個々をみるミクロ。非常にわかりやすい区別ができます。

「時間」の概念が違う

マクロ経済学の場合は「時間の経過」も考慮に入れます。時代や年、時間が変化することでどのように国の経済が変わるかを考えます。ミクロ経済学の場合は「瞬間的な時間」しか考慮に入れません。その場、その時に応じて個々の経済について考えます。

マクロとミクロの視点の持ち方

計画をより高水準で完成させたり、物事を考えたりするときに「マクロ視点」と「ミクロ視点」という2つの視点を両方用いることは極めて有効になります。 社会人の仕事や学生の勉強においても役立つことの多い、この2つの視点について説明していきます。

マクロ視点は「全体・抽象的」

「マクロ視点」という言葉を日本で使われている言葉に例えると「鳥の目」になります。鳥類は空中飛行が可能であり、空高いところからあらゆる場所を見渡すことができます。つまり「マクロ視点」とは、全体像を見渡す視点ということです。 全体像を見渡すことでゴール地点(目標)と今の実力(現状)の差が明確に把握でき、その目標達成のためにどのような過程が必要になるかがわかります。

マクロ視点のデメリット

鳥は高いところを飛んでいる間、地上の細かい様子を具体的に把握することはできません。つまり、一つ一つがおおまかにしか捉えられなくなります。 マクロ視点で物事を見るときや考えるときも、個々の作業や内容について詳細には触れません。読書でいうと「目次」を見ている状態、プロジェクトでいうと「計画書」を見ている状態に相当します。このマクロ視点のデメリットを補うのが、ミクロ視点になります。

ミクロ視点は「個々・具体的」

「ミクロ視点」は「虫の目」と言い換えることができます。鳥とは反対に低いところにいる小さな昆虫の視点だと、広い世界こそ見ることはできませんが、自身の周辺状況を詳しく知ることができます。 狭く深く一つの物事を追求することで、個々の質を高め、それを連続させることで全体の完成度も上がっていきます。

作業に詰まったときは視点を変えよう

人間がその時にできることは限られていて、最も効率の良い方法は「目の前のことがらに集中してサクサク終わらせていく」とも言われています。一所懸命に作業や思考をしているのに進捗が滞ってしまっている方は、ミクロ視点(虫の目)だけで進めようとしていることが多く、狭い視野ゆえなかなか解決策が浮かびません。 そんなときはマクロ視点(鳥の目)に変えて、今一度全体像を見渡してみましょう。他の過程にヒントがある可能性がありますし、目標と現状を同時にみることで不足している点が発見できる可能性もあります。 マクロで詰まればミクロへ、ミクロで詰まればマクロへという風に、互いを行き来することで柔軟な対応が可能になります。

マクロとミクロの分析方法は?

マーケティング戦略として、マクロ分析とミクロ分析というものがあります。より深く理解や把握をしていくためにはマクロ視点とミクロ視点の両方の分析が必要です。それぞれのどのようなものを分析するのでしょうか。

マクロ分析

鳥の目で行うマクロ分析のキーワードは、「社会全体の流れをみて環境を分析する」ということです。GDPなどの経済面や、新制度や新政策などの政治面、宗教や文化などの社会・文化面など、さまざまな面に注目することで変化を見つけ出していきます。 政治のPolitics、経済のEconomic、社会のSocial、技術のTechnologicalの頭文字をとり、PEST分析ともいいます。

ミクロ分析

虫の目で行うミクロ分析のキーワードは、「個々の経済行動を分析する」ということです。ミクロ分析では主に生産者や消費者の視点で分析を行います。新規の参入業者や競合社の数、代替品や交渉力などが分析対象に入ります。

マクロ視点ミクロ視点はどちらから考えるべき?

マクロ視点ミクロ視点はどちらから考えるべき?

マクロ視点とミクロ視点、どちらから順に考えていくべきかという疑問に対して、良いヒントがあります。 それは、絶滅の危険性がある野生動物を守るためにつくられる「レッドリスト」と「レッドデータブック」です。日本の環境省はレッドリストを作成した後、レッドデータブックを作成します。

まずはマクロなレッドリスト

現在、さまざまな環境問題によって絶滅の危機にさらされている生物がたくさんいます。そこで世界や日本では第一にレッドリストをつくります。 レッドリストとは絶滅のおそれのある野生動物をリスト化したものです。生物名をリストアップしていくだけなので早く発表できるという利点がありますが、個々の生物がどのように危険なのかという詳細については記されていません。 これは「マクロ」に相当します。まずは全体としてどの生物が危険なのかという「目次」を作成するということです。

次にミクロなレッドデータブック

レッドリストに掲載された生物リストに基づいて、各生物の具体的な内容を記したレッドデータブックが作成されます。これは「ミクロ」に相当します。 レッドデータブックは情報量が多いので作成に時間がかかりますが、レッドリストより有益なものです。このようにマクロ、ミクロの順で作成することで互いのデメリットを補いあっています。

結論はマクロ、ミクロの順がベター

視点においても同じことが言えます。まずマクロ視点で全体像を理解し、目標と過程を設定します。そしてミクロ視点で個々の段階の質を高めていき、必要に応じてマクロ視点に戻って再構築・改良するというルーティンを繰り返すという方法がよいでしょう。

「大は小を兼ねる」ならぬ「大も小も兼ねる」

「大は小を兼ねる」ならぬ「大も小も兼ねる」

いかがだったでしょうか。マクロとミクロの意味や、視点についてご理解いただけましたでしょうか。日本には「大は小を兼ねる」ということわざがあります。このことわざの意味は「大きいものは小さいものの代わりとして扱うことができる」というものです。 しかし、大きいものばかりを見ているよりも、逆に小さいものばかりを見ているよりも、両方を適切に使い分ける方が良質で効率的です。 「大も小も兼ねる」視点、すなわちマクロ視点もミクロ視点もできるスキルを身につけると、さまざまなことがスムーズにはかどるようになります。

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