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整理解雇4要件・整理解雇時の退職金の手順

更新日:2020年10月02日

退職ノウハウ

整理解雇は、経営の合理化の手段として行われる人員削減のことです。整理解雇を行うには過去の裁判で確立された要件を満たす必要があります。ここでは整理解雇に必要とされる4要件、整理解雇の手順、退職金の扱いなどを判例とともに解説します。

会社と社員の関係

会社と社員は、雇用契約を交わすことで雇用関係が始まります。会社が社員を採用するときは、会社は社員に労働条件を書面で伝えることが必要です。

書面の交付による労働条件の明示事項

法律上は、会社のことを使用者と言い、社員のことを労働者と言います。 1.労働契約の期間、就業の場所及び従事すべき業務に関する事項 2.始業及び終業の時刻、所定労働時間を超える労働の有無、休憩時間、休日、休暇並びに労働者を二組以上に分けて就業させる場合における就業時転換に関する事項 3.賃金の決定、計算及び支払の方法、賃金の締切り及び支払の時期並びに昇給に関する事項 4.退職に関する事項(解雇の事由を含む。) この労働条件に基づいて、会社は社員に労働をさせ、社員は労働の対価として賃金を得ることができます。 4.の「退職に関する事項(解雇の事由を含む。)」は、会社と社員の雇用関係の終了に関する取り決めです。退職に関する事項は、就業規則の絶対的必要記載事項ですから、会社は必ず規定する必要があります。

雇用関係の終了

会社と社員の雇用関係が終了するのは次のような場合です。 1. 社員が自主的に雇用関係を終了させる 2. 定年、契約期間の満了、社員の死亡などで雇用関係が終了する 3. 会社が会社の都合で雇用関係を終了させる

社員の自主退職

社員が他の会社に転職したいときなど、社員の意思で自主的に退職したい場合は、会社に申し出ることで雇用関係を終了させることができます。会社によっては退職の申し出になかなか同意が得られないという場合もあるようですが、民法の規定では、期間の定めのない雇用関係は、いずれかの当事者が解約の意思表示をして2週間経過すれば、雇用関係は終了することになっています。会社が同意しなくても、社員が退職を申し出て2週間経過すれば、雇用関係は終了することになります。 退職の申し入れ期間を就業規則で定めている場合は、就業規則の規定が優先される場合もあります。 退職の自由を不当に拘束していないかどうかで有効性が判断されます。

解雇の種類

会社の意思で社員との雇用関係を終了させることを解雇と言っています。解雇には普通解雇、懲戒解雇、整理解雇があります。

普通解雇と懲戒解雇

普通解雇は、社員の就業態度や仕事の能力に問題があることを理由に行う解雇です。懲戒解雇は、社員に重大な規律違反があったことを理由に行う解雇です。いずれも社員の側に問題があって会社の側から雇用関係を終了させるものです。

整理解雇

日本の会社は、終身雇用制度という独自の仕組みにより発展してきましたが、経済環境が変化する中で経営上の理由によりやむを得ず人員整理を実施することも必要になってきます。整理解雇は、不況などでの経営不振や部門の廃止による人員削減のために行う解雇のことです。整理解雇は、社員の側には非がなく、会社の都合で雇用関係を終了させるものです。

整理解雇に関する制限

先に述べたように、民法の規定では、期間の定めのない雇用関係は、いずれかの当事者が解約の意思表示をして2週間経過すれば、雇用関係は終了することになっていますが、労働契約法や労働基準法などの特別法は、民法の規定に優先して適用されます。日本の法律は、労働者を保護する立場に立っているため、会社が社員を解雇する場合の制限は多くの法律の中に見られます。

労働契約法

第16条(解雇) 解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、権利濫用として無効となる。

労働基準法

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初回公開日:2017年04月05日

記載されている内容は2017年04月05日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
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