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一本締めと三本締めの歴史と違い|場にあわせた手締めの使い分けは?

初回公開日:2017年03月30日

更新日:2020年06月11日

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また、記事に記載されている情報は自己責任でご活用いただき、本記事の内容に関する事項については、専門家等に相談するようにしてください。

マネジメント

飲み会などの終わりに解散の締めとして使われるのが手締め。これには一本締めと三本締めの二つがありますが、実はこれらには江戸時代からの歴史があり、締めの際に使われる掛け声にも、深い意味があるのです。ここでは一本締めと三本締めについて、詳しくご紹介していきます。

集まりの場で使われる「手締め」

宴会や冠婚葬祭などの式典、商談や株主総会などの終わりに行われる風習、手締め。いわゆる手拍子のことです。おそらくここまで書いた時点で、大半の人があの、 「ぱぱぱん ぱぱぱん ぱぱぱん ぱん(あるいはしゃしゃしゃん)」という独特なテンポが、無意識に脳内に流れたのではないでしょうか? 手締めの基本と言える、「一本締め」「三本締め」。この正式なやり方、加えてどんな場面でどんなふうに使い分ければいいのか、それを疑問に思ったことはありませんか?「あんなのはノリだよ。正式とかそういう硬いもんじゃないでしょ」と思った方、いやいや、終わりよければ全てよし、のその言葉通り、この風習であり儀式であり見せ場はとても大切なものなのです。ましてや音頭をとる張本人(その会の責任者)ともなれば、なおさらです。ビシっと、「一本締め」「三本締め」を是非綺麗に、そして正しく行い、見事に会を締めてもらいたい、とそう考えます。

「一本締め」「三本締め」は地方によって違いがある?

まずお伝えしたいのは、冒頭でお書きした、「ぱぱぱん ぱぱぱん ぱぱぱん ぱん(あるいはしゃしゃしゃん)」という手締めは、「江戸締め」と呼ばれるものです。関西地区(西日本)では「締め」ではなく「打ち」と表現しています。(「手締め」ではなく「手打ち」) 言い方同様、「一本締め」「三本締め」のやり方にも違いがあります。つまり、関西、あるいは博多、もしくは宮城や名古屋など、「会を締める」という目的は同じなのですが、テンポや手順やかけ声が異なっているということです。ですが、ここでは『江戸締め』を基本としてお話させていただきます。標準語と同じ、あらゆる場面で使えること、また、「江戸締め」を知らない人はいない、という見解からです。ようするに、その席に関東出身の人が少なかったとしても、使ってもおかしくないし、白い目で見られることはないということからです。(言葉を変えれば、江戸締めの「一本締め」「三本締め」さえ知っていれば、問題はないということです) ではその江戸締めの「一本締め」「三本締め」は、一体どのようなものなのでしょう。

「一本締め」「三本締め」の歴史①

「一本締め」「三本締め」のその歴史は古事記にまで遡れます。(712年、日本最古の歴史書です)その古事記の中の『国譲り神話』において、 「天照大神から出雲の国を譲るように言われた大国主命(おおくにぬしのみこと)が、長男の事大主神(ことしろのみこと)に返答を求めたところ、柏手を打って承知した」 という一文があります。すなわち、 拍手を打つ=手を打つ という解釈、ひいては「承知・和解・取引の成立や物事の成就」といった意味で使用されていたことが分かります。

「一本締め」「三本締め」の歴史②

また手締めは、江戸時代までは手打ちと言われていました。つまり関西地区の言い方が標準であり、一般的だったのです。しかし、手打ちが「手討ち」に通ずるということで、手締めが一般的になったとされています。(手討ち→武士が家来や町人を自ら斬ること。野蛮、物騒という解釈がされ、変更されたということです)一般的になった手締めには、座をまとめるという意味(語源)があります。これは座の「けじめ」でもあり、これがないと「締まりがない」ということから「手締め」となりました。 ちなみに使い方、用途、披露する場面に関しては昔から変化はありません。江戸時代では、主に襲名時(先人と同じ名前を意図的に継ぐこと)に披露され、つまり、今で言うお祝いの席であり門出での場面において行なわれていました。そして1878年(明治11年)の東京取引証券所の開所に披露して以来、大発会や大納会においても手締めが行われるようになり、手締めの習慣(「一本締め」「三本締め」の風習)は日本全国に一気に拡がりを見せたとされています。

「一本締め」「三本締め」の違い

そもそも祭りなどの集団行事において行なわれていた手締めは、「一本締め」が主流でした。古事記の頃そのままに、祭りの決まり事についての「協議」がまとまると、「異議ありません!」と手を入れていたのです。つまり拍手による賛同です。まさに、締めの行動、約束の成立、成功を願い、といったものです。 補足するならば、政(まつりごと)、神事ということで、神様に証人になってもらうべく、神社で行なっていました。感謝や祈り、加えて神仏および祖先をまつる儀式であることから、神前で行なうというしきたりです。神様の前で「一本締め」をし、「約束に偽りなし」及び「無事に成功という願いを叶えてもらう」ということです。 では、なぜ、「三本締め」も「一本締め」同様にメジャー、言い方を換えるのなら、大多数の人に認知されるようになったのでしょう。

「三本締め」の秘められた理由

毎年5月に行われる東京都台東区浅草の浅草神社の例大祭である、三社祭(さんじゃまつり)は、手を3回打ちます。つまり一本締めではなく、三本締めを行います。それはなぜか?これは先に述べた、「神社」の前において締めを行なう、つまり神様の前で誓う・願うということに関わりを持っています。浅草神社は、土師中知、檜前浜成、檜前竹成の3つの神様を祭ったものです。つまり、3人の神の前で誓う・願うということから、3回手を打ちました。これが転じて、今に残る「三本締め」になったと言われています。また、他の有力な説として、 ・「自分」「約束を交わす相手」「そして神様」というかたちで手を叩くということから三本締めが拡がったという説 ・「行事の始まりで一本」「ひととおり行事が終了したところで一本」「打ち上げの最後に一本」ということで拡がったという説 ・そして舞台公演などにおいて、左側の観客・右側の観客・中央の観客にとそれぞれ一礼をする「三方礼」に習って3回になった(認知された)という説 また同じく舞台公演において、主催者・来客・そこに参加できなかった人、に感謝するという意味を込めて、合計3回、三本締めが全国に普及したという説があります。ちなみに、歌舞伎の世界においては、「お客様に一本」「舞台関係者に一本」「劇場経営者に一本」という意味で、「一本締め」ではなく、「三本締め」を行なっているそうです。 ――と長々と「一本締め」「三本締め」について述べましたが、分かって頂きたいのは、これらは大変歴史のある風習であり、しっかりと意味のあるもの、ということです。ですからこれからご説明する、「一本締め」「三本締め」のやり方を是非正しく行なってほしい、とそう改めて思います。

「三本締め」のやり方

3回・3回・3回・1回手を打つ「一本締め」を3回行なうこと、これが「三本締め」です。 ①「お手を拝借」 ②「いよぉーっ」 ぱぱぱん ぱぱぱん ぱぱぱん ぱん ③「いよっ!」ぱぱぱん ぱぱぱん ぱぱぱん ぱん ④「もう一丁(もう一本)!」ぱぱぱん ぱぱぱん ぱぱぱん ぱん ⑤「ありがとうございました」(拍手) とするのが江戸締めの「三本締め」です。 気持ち良く式を終わらせるためには、音頭をとる人はもちろん、周りにいる立場だとしても、是非とも恥ずかしがらずに手を打ってください。繰り返しますが、「一本締め」「三本締め」は、歴史も意味もあるしきたりです。

「一本締め」「三本締め」に関するしがちな勘違い① 「一丁締め」

「いよぉーっ」ぱんと終わらせるのは、「一丁締め」と言います。あるいは「関東一本締め」です。かなりの人が勘違いしているかと思いますが、「それでは一本締めでお願いします」と言ってから、ぱん、と1回だけ手を打つのは間違えです。正しくは「それでは一丁締めでお願いします」となります。 かけ声をかける人が間違えていた場合、場がしらけてしまうので訂正する必要はないですが、もし自分が声をかける立場ならば間違えないようにしましょう。また、こういったうんちくは、忘年会が終わり、家路へと向かう途中、部下などに、「さっき一本締めではなく、一丁締めって言ったろ。あれはな」と知識を披露するのは、部下からできる上司と思われますし、そして部下の未来を考えて教授するいい上司とも言えるので、是非覚えておいてください。ちなみに、この勘違いが広まった背景には、「○○球団は一本締めでキャンプを締めくくりました」と、キャンプ終了を伝えるアナウンサーが多数間違っていたから、という説があります。

「一本締め」「三本締め」に関するしがちな勘違い② 声をかける人

手締めの音頭は、その行事の実行の中心となった責任者が必ず取ります。つまり、「無事におさまりました」と、協力者(来客者)へ感謝とお礼の気持ちをこめて行うのが、本来の姿です。ですから、 「最後の締めを、○○様にお願い致します」 というのは、手締めの意味からはずれてしまうわけです。もっと言えば、来客者にかけ声をさせるのは失礼に値するのです。(敬意を持っていたとしてもNGということです)是非、間違えないようにしてください。ちなみにこれは、乾杯の音頭とごっちゃになり広まってしまったという説があります。 「○○様に乾杯の音頭をお願い致します」 というあれです。確かに似ていますよね。

「一本締め」「三本締め」の使い分け

では「一本締め」及び「三本締め」及び「一丁締め」、並びに「万歳三唱」などはどんな場面において使えばいいのでしょうか。 公式・正式な行事・主催者のみならず「内外の関係者」が多数集うパーティー → 三本締め 会社の忘年会や歓送迎会など、単一組織(身内)の宴会 → 一本締め 居酒屋などの騒ぐことにより部外者に迷惑をかけることが予見できる場所 → 一丁締め また、「万歳三唱」は宴会の中でも祝い事や式典など、おめでたい席や繁栄や発展を祈る式典などで行われるとされています。

余韻の良い「締め」にしよう

「一本締め」「三本締め」は、多くの人が知っているからこそ、きちんとやらなければいけない風習であり、最大の見せ場です。だらん、とした締まりのない閉式や閉会は、気持ち良くありませんし、達成感や充足感がありません。多くの人が知っている「一本締め」「三本締め」は、多くの人を達成感や充足感に導き、ひいては幸せな気持ちにさせるものなので、見事な手締めを披露してください。

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