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「これから求められるエンジニアは『0から1を作れるエンジニア』」株式会社mikan 宇佐美氏インタビュー

インタビュー

英語合宿を開催し、合計100人以上の参加者を集めた後、もっとスケールする方法を探してアプリを開発したのが、mikanの宇佐美氏だ。CEO兼エンジニアとして、mikanを開発、そして今も改善改良を続けている宇佐美氏に、サービス開発の秘訣を伺った。

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エンジニアはサービスを0から1まで全部、ひとりで作ろう。

「サービスを開発したいエンジニアは、何から始めたらいいと思いますか?」 宇佐美氏:サービス作りは、1人でやったほうがいいと思ってるんです。というのは、開発をするときの何を作るかっていうところから、実際にユーザーに使ってもらって、ユーザーの反応を見て、だめだなって思うところまで、まずは1人で通してやってみないと、分からないと思うんです。 大人数でやっていると仕事が細分化されてしまって、サービスの全体が掴めない。なので、いいサービスを作れる人にはなれないと思います。僕はいい意味で周りにエンジニアの人とかがいなかったから、0から1まで全部作っていかなくちゃいけなくて、まあ後から考えるとそれはいい経験だったなと思っています。 「開発経験はなかったんですね。最初はどのように作り始めたんですか?」 宇佐美氏:“iPhoneアプリ作り方”ってググッて調べました(笑)そうしたらNaverまとめとか、動画とかが出てくるからそれを見て、まずはMac BookAirが必要なんだなって思って、買うところから始めました(笑)ドットインストールに超お世話になりましたよ(笑)それを見て計算とかアプリの動作とかの勉強を色々やっていって、なんとか、アプリができた!って感じでした。 「最初の学習時間はどれくらいかかりましたか?」 宇佐美氏:2週間くらいですね。超簡単なものだったんで。そのときにボタンの置き方とか、ボタンを押したらどうなるとかそういう仕組みは分かりました。その時作りたかったのは、元々英語合宿の事業みたいなのをやっていたんですが、その時はGoogleのスプレッドシートで英単語の勉強をしていたんです。 例えば英単語の“Apple”を覚えていたら横に1つける。覚えていなかったら0をつける。今度はまた、0がついてるのだけフィルタリングして、覚えていないものの中から学習をする。ということをやってたんです。 でもその1,0を振っていく作業が凄く面倒だった。その時に思いついたのが、「Tinder」みたいな動作で「知ってる、知らない」っていう動作をめくった瞬間に記録できたら楽だなっていうアイデアでした。まずCSVかなんかに記録するっていうことと、めくるっていうのができればいいなと思って。じゃあ、まずはめくる方からやっていこう、とかっていう感じで開発を進めていました。 なので、基礎がわかったあとは、英単語の読み込みと書き込み、めくるっていう動作が最低限できたらいいなと。それもググッて、“Tinderコード”とかで調べてました。絶対作ってる人いるだろうと思って。最初はググるワードが難しくて、1日くらいググってたんですよね。出てきても本当にそれになるのかよく分からなかったし、どこに何を書いたらTinderになるんだろうって。出てきたの入れてみてもわかんなかったりしてやめたりとかしてました(笑)

サービスの着想は、英語合宿で生まれた

「最初は英語合宿をやられていて、その後アプリを開発したそうですね。」 宇佐美氏:はい。一番最初にはじめたのは、シリコンバレーに行こうと思ったときに英語を勉強しようと思ったのがきっかけです。英語が得意な友達に1日8時間dictation(読み上げられた外国語の文章や単語を書き取ること)しろって言われて、1日8時間を2週間続けたらネイティブになれるらしいんだって聞いて、じゃあネイティブになろう!って、友達と2週間家借りて朝6時から夜24時まで英語を勉強し続ける、みたいなことをやっていて。 どうせアメリカ行くならスタンフォードにも行きたいからTOEFLもとっておこうって言って、じゃあdictation8時間と、残りの起きてる時間8時間はTOEFLの勉強しようって言ってリーディングとリスニングもやってたら、「なんだあの合宿は?」って合宿が話題になって参加したいって人が出てきたんですよ。それで、家借りるのにもお金かかってるし、参加者募って回収しようって言って、ブログとか書いて広報とかしてました(笑)最終的には60人くらい来てましたね。その頃はアプリ開発しようとかは考えてはいなかったんです。

合宿の限界を感じ、アプリへ。

「3回やって、そのあとにアプリ開発へ進んだと。」 宇佐美氏:そうですね。何で辞めたかっていうと、凄い属人的になってしまって。僕は色々教えられるんですけど、それを他の人に任せることって凄い難しかったんです。勉強を教える以外にも、場を盛り上げるとか、いろんな要素もあったので。それにけっこう営業もやって、人力で参加者を募ってたんですけど、都内でまた同じ規模でやろうとしたら営業大変だし難しいなと。毎回、ある程度の参加費用を払ってTOEFLの勉強したいっていう人もそのうち枯渇しそうだし、スケールしないなと思っていたんです。 その時に、対面で教えてる限りはスケールしないなと思ったんですね。でも、Webとかアプリを出したら10万人とか100万人とか1億人の人が一気に使う可能性もあるし、そういう利益の方が、一人ひとりは薄くてもビジネスとしてはスケールするんじゃないかなと思ったんです。で、スケールすることやりたいなって思った時に、一番簡単に作れるプログラミング、みたいな言葉で検索したらiPhoneアプリが簡単って出てきたので、iPhoneアプリを最初に作ろうってなったんですね。 「プロダクトのアイデアは、合宿のときの経験が大きいんですね」 宇佐美氏:そうそう。スピーキングとかライティングでも良かったんだけど、スピーキングはアプリではやらないだろうし、ライティングもスマホでは打たないだろうと思って。そしたら単語やるしかないなって感じで、単語のアプリ出しました。それで今に至るって感じですね。

サービスを作れるエンジニアは人材としての価値も高い

「少し話しを戻して、エンジニアが0から全て作ることについて、詳しく聞いてもいいですか?」 宇佐美:そうですね。僕がエンジニアに言いたいのは、0から1まで自分で作る、全部作るっていう経験が足りなさすぎると思います。 普通は、どこでインターンしても、どこの企業で働いても、サービスを0から全部作る経験ってなかなかできないですよね。それは、一人でそれをやるしか、学べる方法はほぼなくて、本気で0から作る会社に本気でフルコミットしても分業しちゃうからやっぱり難しいとは思うけど。そういう経験が圧倒的に不足してると思うんですよね。 それができると超給料の高いエンジニアになれると思います。サービスのことが分かっていない人が多すぎるし、プログラミングのことをわかっていないプロデューサーが多すぎるから。 「0から1を作って、サービスを作る過程を見ておくと」 宇佐美氏:はい。やっぱりサービス全体の設計を考えれるようになります。フロント画面だけ見てるとフロントしかみれないけど、バックエンドとの関係も考えて設計するようになるから。サービスっていうのは登録画面だけじゃないし、一部じゃないし、全体で成り立ってるから。まあ、ある程度は1人で作った方が楽だし。『課題発見からリリースまで』を1人でこなすといいですね。 「受託とかでも小規模だと1人で作ることあると思うんですけど、やはり少し違いますか?」 宇佐美氏:受託は全然違うと思います。受託は分業と一緒なので。もうすでに作るものが決まっていて、それを作りましょうっていうのは、ただの作業になっちゃうと思うんですよね。プログラミングの技術は上がるからいいんですが、サービスを作れるエンジニアになるっていうのは、『何が課題かを見つけて、どう解決するか仮説を立てて、それを実際に作る。その作ったものを人に試してもらって、フィードバックをもらう。それでいいフィードバックがもらえなかった時に、どこがだめで、どうしたらいいのか考えてまた改善していく』これが1サイクル。 このサイクルを回して、一連の流れを全部見たことがある人があまりにも少ない。実際に自分で作って、そのフィードバックを受けるのって、人のサービスにフィードバックをするのとは全然違うと思うんですよね。 サービスの本質的価値は何か。ここの使いにくさは何かとかではなくて、この登録画面使いにくいから直そうとかは別に聞いたらわかるからいいとは思うんですけど。そもそもこのサービスは使う価値があるのかっていうところとか、このサービスに何を加えたら価値を持つのかって言うところから考えて、その価値自体を検証するっていうことを考えるのが重要なんです。これは全員やったほうがいいと思いますね。 ただ作れるだけではないと。ただ作れるっていう人はこれからコモディティ化していくだろうし、インドとか中国とかにたくさんいるから、全然意味がなくなってくると思うんです。 「なるほど。これはサービスを開発したいエンジニアにかかわらず、全エンジニアに必要な思考ですね」 宇佐美氏:絶対そう。こないだ大手サービス会社の代表の人も言っていたけど、サービスのことをちゃんとわかって作ってる人って、ほんっとにいない。実際起業して、自分で1から作りました、っていう人以外、ほぼほぼそういう経験ができる機会がないから、いないんですよね。実際普通の大手企業で、一番最初から、サービスを一人で作りました、っていう感覚でプロデュースできる人が欲しいんだってなっても、市場にいないんですよ。そんな人が、そもそも。だから、人材として確実に価値が高くなる。 ただ作れるだけっていうのはコモディティ化していくし、給料も下がっていくと思うんです。それこそ、エンジニア的ではないというか。 エンジニアリングって、いかに今まで無駄だったことを機械的にして、自動化していくかじゃないですか。コーディングとかってコモディティ化していくから、オートメーション化して人間がやらなくなる。コーディング自体は人間がやるべき作業ではなくなっていく。その時、サービス設計だったりは人間がやるべき作業だと思うんですよね。

アイデアはそこらへんにある。

(エンジニアの人材像について語る高岡氏) 「なるほど。作れるエンジニアは価値が上がると。作りたいけどアイデアが無い、いいアイデアの探し方がわからないという人はどうしたらいいと思いますか?」 宇佐美氏:課題が見つからない間は何もしなくていいんじゃないですかね?作れないですしね(笑)その間は手を動かす練習をしていればいいと思いますよ。 課題って別にそんなに難しいことじゃなくて。たとえば、食事の中に変な小石が入ってたとして、でも店員さんに言いにくいですよね。じゃあこれを言いやすくしよう、とか、何でもいいと思うんですよ。匿名で店に意見言えるサイトとか(笑)作ってみたら誰も見ない、とかなってもまあいいと思うんですよね。 そんな難しいことではなくて、課題はいくらでもある。課題がないって言ってる間は作れないし、そこから自分でやらないと意味ないし、無いって言ってる間は、じゃあ作れないですねってなっちゃいますね。 「大きなものとか、すごいものを作らないといけないって思ってる人も多いですよね。簡単なものでもいいんですかね」 宇佐美氏:そうですね。大きなものを作ろうと思っても検証できないですからね。課題見つけて、仮説立てて、作って、フィードバックもらうっていうところまでどんだけかかるのってなるじゃないですか。だから、小さくても課題を解決できそうなものを作れればいいんじゃないですかね。 「具体的な話しになりますが、mikanを開発した時はどうやってフィードバックをもらっていたんですか?」 宇佐美氏:mikanはひたすら人を集めてやりました。当時は合宿とかもやっていたんで、そこで『mikanっていうすばらしいアプリができました。一日に千単語覚えることができます』とか話してみんなテストしてもらって、一人何単語覚えられたかチェックして、アプリの感想も聞くと。 参加してくれた人に8時間くらいひたすらアプリをやってもらうんです。しかも全国合わせて30回くらい実施しました。鹿児島から北海道まで。「全国行脚」っていう名前で。全国で美味しいもの食べながら全部回ろうって言ってたのに、移動が忙しすぎて、ほっとんど美味しいものは食べられなかったです(笑) 「フィードバックの効果は実際どうでした?」 宇佐美氏:その合宿は、よかった点と良くなかった点がありましたね。良くなかった点は、移動が忙しすぎて、9時から17時で合宿やって夜ご飯食べたら21時には夜行乗って、5時に着いたら次は9時からまた合宿。っていう過酷なスケジュールだったことですね(笑)大変すぎてあんまり直す時間がないっていうのは良くなかったです。 全国でやったのは、クラウドワークスの吉田さんに『1000人に触ってもらってからリリースしろ』ってアドバイスもらって、東京で60人集めるのも大変だったのに1000人集めるの無理だと。どうしたらいいかと考えた時に、全国47都道府県なら、1県につき20人集めたら1000人か。いける!と思って、やったんです。全然いかなかったですけどね(笑)長崎とかわざわざ行くのに、行ってみたら二人しかいない!みたいな(笑) 「参加者はどうやって集めたんですか?」 宇佐美氏:ブログでまずは参加者を募って、全国で参加者を募ります!っていう告知を出すんですよ。そこから問い合わせが来て、『私長崎なんですけど、参加したいです』って来るんですね。そしたら、『わかりました。それではあなたがリーダーです。場所と参加者を集めてください!そうしたら開催します!リーダーは参加費が無料になります!』って言ってやってました(笑)リーダーの人脈と行動力にかかってるんですね。そんな合宿でした。

サービスは作らないで検証しよう

「mikanはサービス開発がうまいというか、ミニマムに検証するのがうまいイメージがあります」 宇佐美氏:ミニマム思考というか、でかい規模の開発をしたことがないとかっていうのもあるかもしれませんね。技術的にできるものを考えて、できなそうだったらやめると。それでいけそうなやつを開発していくと、サービスが成長したときに難しかったりもするんですけどね(笑)スケールするときにシステム的な壁にぶち当たったりするんです。 でも、それって最初はわからなくてもいいとは思っていて、スケールした時に壁にぶち当たっても、その次に開発するときにはわかりますよね。でもスケールしたときにどうするか、そこだけわかってても最初にはあんまり意味がないんです。そのスケールするときのボトルネックになるところと、ミニマムで確かめるために早く作らなくてはいけないときと、そのへんのトレードオフ感とかを、身にしみてわかっていたらいいですよね。 「次のサービスを作るとしたら、どういう着想から入るんですか?」 さっきも軽く触れたけど、本当に身近な問題からです。これちょっとやだな、改善できる手段ないかなっていうのを考えて、解決策があったら作る。ないのは作りません。 例えば大学に行きたくないなーって思っても解決するのは難しいですよね。代返してもらうしかないけど、代返する人のUberとか?そういうの見つかったら作ればいいですね(笑)例えば、自転車を乗り捨てられるように、シェアする仕組みを作ろうと思っても、そもそも色んなところに駐輪場なくちゃいけないし、仕組みもわからないから無理だなーとか。だから、解決することができそうだったら作ればいいですよね。 「なるほど。『課題と解決方法』の視点ですね。解決方法に関して宇佐美さんはどういう風にして考えているんですか?」 宇佐美氏:事例とかも考えてはいるけど、いい解決方法が浮かんだのしか覚えてないですね。課題は無数にありますよね、例えば、お腹すいたなーご飯作るのめんどくさいなーっていうのも課題ですよね。解決策ってデリバリーくらいだし、お金なかったとしたらもう普通に自分でご飯作るしかないですよね。そういうのは特に覚えてない。 まあ例えば、お店でご飯食べるとき。メニュー見て、店員さん呼ぶのめんどくさいなと思ったとしたら、紙のメニューを指で押したら注文できるシステムとか作ってみるとか。ただそれを店に導入するコストとか、開発するコストとか考えたらやめようってなる。そういうのは普段から考えてるかもしれませんね。普段から不便なこととか、かゆいところがあったらそれを解決する方法とかを考えてみると。 例えば満員電車いやだなとか、並ぶのヤダ、辛いのヤダ、一人で歩くのヤダ、彼女いないのヤダ、合コンで最初に話題ないのヤダ、とか、そういう嫌だなって思うことに対して、どうしたら解決できるかなっていうのは常に考えていて、思いついたり。 あとは、やっぱり記事読んでて思いつくことはありますよね。こういう解決策があったのかとか、こういう課題があったのか、とか、面白いなーって思うことは多いです。 Tinderとかも、お互いLikeしたらメッセージできて会えます、とかって恋人同士じゃなくてもよくて、「企業と人の出会い」とかね。そういう一つのパターン、問題のパターンと解決策のパターンがあると、これを店に応用したら、とか転職に応用したら、とか応用しやすくなりますよね。 「それで開発をしていくという流れですか?」 いや、まずはプロダクト作らない方が良くて、さっきも少し話したみたいな、メニューを指で押したら注文できるシステムとかを作ろうと思ったら、「ここ押してください。押したら注文できます」ってメニューの横とかに書いておく。書いておいて、自分が近くにいて、押したのを目で確認したら注文するってことをやるとか、そういうアナログで実践できることをやってみるといいと思います。 「作らないで検証してみるという感じですね」 そうですね。できる限りミニマムなことをして検証してみるっていう感じですね。そのミニマムがアプリのこともあるし、でもメニューを押したら注文できる、とかっていうシステムを作るのは大変だからアナログでやってみて、それでも押してくれなかったらアナログでボタンとか用意してみて、それでもやらなかったら無理かな、って諦めた方がいいです。 「mikanもそうですよね。まずは単語カードとかからやってみるとか」 宇佐美氏:そうそう。単語カード作りましたよ。知ってたら右、知らなかったら左、とかやっていって、左に溜まったのだけもう一周やっていく、で、カードがなくなるまでやってみる、っていう感じですね。最初はミニマムで検証したほうがいいと思います。そこから、サービス開発にいけるものを選定していくということが重要ですね。 BrandingEngineerと同じビルに入っているということもあり、気軽にインタビューに答えてくれたmikan。サービスを作りたいエンジニアに必要なのは、課題発見から開発、検証までということを強く話してくれた。 サービス開発に必要なのはプログラミングスキル以上に、その洞察力、思考力、作りきれる行動力などが必要だろう。プロダクトを開発したいと考えているエンジニアはまず身の回りの不満を探し、仮説を検証し、実際に開発をしてみてはいかがだろうか。

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