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更新日:2024年10月23日
歴史小説や映画、SF、マンガなどで時々目にする「征く」。どのように読むのか、何故この漢字を使うのか、気になる方もいらっしゃるのではないでしょうか。この記事では征くの4つの読み方や意味、熟語、同訓意義語と使い方を漢字の成り立ちをまじえながらご紹介します。
「征く(ゆく・いく)」は目的地に向かってまっすぐ進んで行く様子を表すことから「遠方に行く」、「旅に出る」という意味があります。 殷は何回も都の場所をかえました。黄河が氾濫するたびに移転したらしく、黄河デルタにある殷の遺跡の出土品からは、殷人は牧畜や狩猟、焼畑農業で生活していたことがわかります。一族は次の目的地をめざして旅したのでしょう。 戦いに負けた部族が、遠い地へ追放されて征くこともありました。
「征く」には「不正を武力でただす」という意味や、「上の者が下の者を討つ」という意味があります。 「正」は集落を攻撃し、征服することを表しましたが、「まっすぐ」というイメージから「間違いや偽りがない」「ゆがみやひずみ、乱れをただす」ということを意味するようになりました。わかりやすくするために「正」と分けて「征」の字が作られました。 周の武王は「天に代わりて不義を討つ」と宣言して殷を滅ぼしました。
「征く」は征服した地域にある邑(むら)を支配して税を取る意味です。 周が殷をたおしたとき、それまで集落の祭祀や自分たちの用に使うために、共同耕作していた田の収穫物は、新しく作られた国の王に租税として取られるようになりました。 また国の築城などの土木工事や雑役の強制労働(労役)をさせられました。特に春秋時代には諸国の築城工事が多く、労役負担がきびしくなるにつれてその土地から逃げる者も多くなったようです。
ー「地を相て、征(税)を衰すれば、則ち民移らず」とあるように、土地の地味の如何によって税に差等をつけて加減するという慎重な配慮を行わないと、民はなお逃散の危険があったのである。ー(下記※より引用) ※一橋大学機関リポジトリHitotsubashi University Repository 春秋時代の貴族と農民 : 「初めて畝に税す」の解釈をめぐって 増淵龍夫著
「征く」には利益をうばいとる意味があります。 「征く」の字が作られた何千年も昔、その頃の社会では、略奪や服従させる戦いに征くのが、普通だったのでしょう。 前よりすぐれた道具で生産性が上がると、人口が増えて集落も増えたでしょう。私有の考えが生まれ、母系制社会が父系制社会に変わりました。 集落同士の争いがおこるのは自然のなりゆきで、勝ったほうは食料や貴重品、奴隷にするための人間をうばいとりました。
「征く」の音読みは「セイ」です。熟語の場合は「セイ」と読みます。 戦いに征くことをあらわすために作られた字なので熟語も、戦いにかかわる言葉が多いようです。 では、「征くの熟語4つ」ご紹介しましょう。
「征衣」はセイイと読みます。旅するときの服や、戦いのときに着る服のことをいいます。今なら旅装や軍服でしょう。 古代の人たちはどのような服装で旅をしたのでしょうか。5千年前の気候は少し暖かかったようです。 例文の野中至氏(1867年9月19日(慶応3年8月22日) - 1955年(昭和30年)2月28日)は日本の気象学者です。妻の千代子さんと共に富士山頂で最初の越冬観測を試みたことで知られています。
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