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日本の労働環境の現状と問題|異常・改善の必要性・海外の反応

更新日:2024年09月07日

社会人常識

日本の労働環境は諸外国に比べて悪いのか?日本で働いていると、これが当たり前と思ってしまうため良いのか悪いのかわかりません。しかし労働環境の悪さを感じるニュースをよく目にするのも事実です。日本の未来のために労働環境の改善は必須です。

日本の労働環境の現状と問題点

ここ数年失業率は改善傾向になるといわれています。また有効求人倍率も高い数値になっており、景気は回復傾向にあると報じられています。 しかし被雇用者の給料は上がらず、非正規雇用は増え続けています。ネットカフェ難民に代表される、明日への希望を持てない低所得層が増えています。 また過労死やパワハラ、残業代の未払いなど日本の労働環境は実は悪化しているのではないかという声さえあります。いま日本の労働の現場はどうなっているのか、これからの働き方を考える上で知っておくことはとても大切です。

異常・悪化・過労死

過労死が「karoshi」として国際語になるなど、日本の労働環境の厳しさは今や海外にも知られるようになりました。 実際新卒で入社した社員が、激務に耐えきれずに自殺する事件が大きくメディアで取り上げられたりもしました。報道はされなくとも同様に若手社員が入社後すぐに心身両面にダメージを負って退職する例は枚挙にいとまがありません。 これらは異常な状況ともいえます。また改善されるどころか年々悪化しているのではないかともいわれます。

長時間労働が当たり前

まず日本の労働環境の大きな問題点として、長時間労働が当たり前になっていることがあげられます。法律上の上限を超えて、ひどい時には1日14〜15時間働き、休みも月に1日あるかないか。このような劣悪な労働環境での就労を強いられている人がいます。 一般に過労死の危険性が高まるものとして月の残業時間80時間が目安になっています。ひどい場合は月に150時間超も残業をさせられていることもあります。

低賃金

労働時間の長さも問題ですが、給料が低いということも問題です。特に長時間労働をしたとしてもそれに見合った収入、たとえば1千万円以上が保証されているというのであればまだわかります。しかし多くの場合は年収が300〜400万円代でこれだけの時間を働いています。 一つは残業代が適正に支払われていない場合です。これはもちろん法律違反で罰則の対象です。もう一つは残業代は支払われているが、そもそもの単価が低い場合です。日本の特に都心部は生活コストが高いです。これが低所得者層を生み出す原因になっています。

日本の労働環境が改善しない理由

これだけ問題が頻発していながら、なぜ日本の労働環境は抜本的に改善されないのでしょうか。日本国憲法では国民は誰でも健康で幸福な人生を送る権利があるとされています。また日本の労働環境に関する労働基準法では労働条件は人たるに値する生活を送れるものでなければならないと定められています。

日本の労働環境の歴史

日本の労働環境は江戸時代から昭和初期ごろまで、法律での規制ではなく経営者任せであったり、慣習に基づいたものであったりしました。非常に劣悪な労働環境が多くありました。 労働基準法が施行された後も日本の労働環境が劇的に改善されたとまではいえません。もちろん一定の規制がかけられたのは間違いがないことですが、やはり長年培われてきた商習慣というのも根強くありました。

日本的労働とは

日本人の国民性として、真面目で空気を読んで個人よりも全体の利益を優先させるというものがあります。こうした気質が日本の近年の労働環境を作ってきました。たとえば終身雇用や年功序列制がこれに該当します。 会社は終身雇用で社員の身分を保証します。その一方で社員は生活の全てを会社での仕事に捧げなければなりませんでした。業績が向上している状態で、労使が強調していればこうしたことも可能だったのでしょう。しかし今ではこのような労働環境が改革の足かせにもなっています。

もはや高度経済成長期とは違う

会社の業績も右肩上がりの時代であれば、多少悪い労働環境でも社員は会社を信じてついて行くことができました。しかしバブル崩壊やリーマンショックを経て労使を取り巻く環境も大きく変わりました。 特に多くの企業が不況時に採用した成果主義は、日本式労働環境を大きく崩しました。終身雇用は保証されず、成果を出すためのプレッシャーが強まり日本の労働時間の長時間化・低賃金化が進行しました。

日本の労働環境に対する海外の反応と違い

そんな日本の労働環境は海外から見るとかなり異質に感じられるようであります。いろいろな国も労働環境との比較をして見ましょう。

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初回公開日:2018年03月08日

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