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北朝鮮と国交のある国/ない国・北朝鮮と国交を結ぶメリット

更新日:2024年10月22日

社会人常識

北朝鮮と国交のある国はどのくらいあって、どんな国でしょうか。また、国交がない国あるいは断交している国はどうでしょうか。北朝鮮の建国の経緯から、大使館や領事館の役割、国連機関の北朝鮮への援助など、関連事項を含めて紹介します。

ドイツは第二次世界大戦以降、朝鮮半島と同様に東西に分断された国家で、東ドイツは当然ですが北朝鮮と国交を結んでいました。1990年のドイツ統一以降は大使館を「利益代表部」に格下げして国交を解消した状態が続いていました。 2001年3月にドイツと北朝鮮は正式に国交を樹立します。これは2000年に韓国の金大中大統領と北朝鮮の金正日労働党総書記の間で 歴史的な首脳会談が行なわれて、共同宣言が正式署名されたのを受けて、EU加盟国が続々と北朝鮮と外交関係を樹立したことの一環の動きです。

イギリス

2000年の韓国と北朝鮮の南北関係の改善により、2000年12月に北朝鮮とイギリスは国交を樹立して、ロンドンと平壌に大使館を設けています。 イギリスは北朝鮮の最近の核や弾道ミサイルについて強い抗議を表明しています。一方、北朝鮮への教育や人権に対しての訓練などに積極的で、教育目的で居住証を受給している北朝鮮の人や留学生の数はヨーロッパでは突出した高い数字になっています。

オランダ

オランダもドイツやイギリスと同じように、2001年1月に北朝鮮と国交を結んでいます。 韓国とは外交や経済、文化、観光などさまざまなところで親密な関係を結んでいますが、北朝鮮とは高官の外交訪問や経済的協力関係、開発協力もまったく無く、外交関係を維持しているだけの状態になっていると、韓国に駐在している兼任大使が話しています。 ただ、北朝鮮への石油の密輸や、殺害された金正男の子息を保護したニュースなどにオランダの関与が見え隠れしています。

イラン

イランと北朝鮮の間には強固な関係があります。1980年のイラン・イラク戦争をきっかけに、北朝鮮はイラクとの国交を断絶してイランと接近します。北朝鮮とイランはミサイル協力協定を締結し、イランは1987年から北朝鮮の改良型スカッドミサイルを100基以上導入して、対イラク戦争に使用したと言われています。 また、イランは北朝鮮製の兵器輸入の対価として、ウラン濃縮技術に必要な設計図やノウハウを北朝鮮に伝えて、北朝鮮の核開発に大きな影響を与えたとも言われています。

タイ

タイは北朝鮮と1975年に国交を結んでいます。タイは、朝鮮戦争で北朝鮮と戦う連合国側として参戦したアジアの国で唯一、北朝鮮と国交を結んでいる国で、比較的友好的な関係にあったと言える国です。 国連の北朝鮮に対する経済制裁で、貿易や外貨稼ぎの拠点を中国からタイやカンボジアなどの東南アジアに移し始めているという情報や、定期路線の停止など、北朝鮮とタイとの関係も転換点に差し掛かっている状況と言えるでしょう。 また、タイでは日本と同じように1978年に北朝鮮によって拉致されたタイ人拉致被害者が存在します。タイの人たちの北朝鮮に対する感情も揺れ動いていて、必ずしも友好国とは言えない状況になっています。

カナダ

カナダは多くのEC諸国と同じ時期、2001年に北朝鮮と国交を樹立しています。カナダからは化学製品、金属、食料品などの品目を北朝鮮に輸出していて、2009年の輸出額は約2600万ドル(約21億円)で品目別では化学製品と金属がそれぞれ約3分の1を占めていました。 しかし、2010年3月の北朝鮮の攻撃による韓国哨戒艦の沈没事件に対する経済制裁として、カナダは北朝鮮との輸出入や新規投資を全面的に禁止、金融サービスの提供や技術、データの移転も禁じました。また、北朝鮮籍の船舶や航空機のカナダ領内への渡航も禁じて、ほぼ外交関係を中断する措置をとって現在に至っています。

核開発後に北朝鮮と国交を結んだ国

北朝鮮は2003年に核兵器不拡散条約から脱退するのをかわきりに、2005年に核兵器の保有を宣言して、2006年には初の地下核実験を実施し成功させました。ロシアやイランの科学者たちなどからの情報なども活用、参考にして、着々と核開発を進め多くの国や国連から非難・制裁を受けています。 そんななかでも、2003年以降に北朝鮮と国交を結んだ国々があります。どのような国でしょうか、みてみましょう。

核開発後に国交を結んだのは8ヶ国

2003年以降に北朝鮮と国交を樹立した国は次の8ヶ国です。 アイルランド(2003年) サンマリノ(2004年) モンテネグロ(2007年) アラブ首長国連邦(2007年) スワジランド(2007年) ドミニカ共和国(2007年) グアテマラ(2007年) 南スーダン(2011年) アイルランドやイタリアの中にある小国サンマリノは、2000年、2001年のEC各国の北朝鮮との国交樹立からやや遅れた国でしょう。モンテネグロはセルビア・モンテネグロから2006年に分離して独立国になったのを契機にしているものでしょう。 南スーダンも2011年に独立国になったのが契機なのでしょうが、グアテマラやドミニカなど、危険地域の国が多いのが気になります。

大使館や領事館の役割

大使館や領事館は、国交のある外国に自国の特命全権大使などを駐在させて公務を執行する場所で、外交使節団の公館、在外公館と呼ばれています。 通常、大使館は派遣先の国の首都に置かれ、派遣元の国を代表して派遣先の国での外交活動の拠点となります。公務の内容として、ビザの発給やパスポートの発行・更新、滞在先での自国民の保護、広報・文化交流活動、情報収集活動などがあります。 領事館も同じような業務を行ないますが、首都とは別の主要都市に設置されます。大使館のような、派遣元の国を政治的に代表して派遣先の国の政府と交渉する権限はありません。現在、アメリカには日本の領事館が14の都市に設置されています。 大使館や領事館は、国際法で外交特権を与えられていて、その敷地は派遣元の国の人以外は立ち入ることができません。派遣先の国の官憲なども特命全権大使の同意なしに立ち入ることはできない聖域になっています。

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初回公開日:2018年02月02日

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