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更新日:2024年10月03日
アフォーダンスという言葉はご存じでしょうか?本稿では、アフォーダンス理論の概要を説明した後、アフォーダンスをより理解して頂くための例をご紹介します。その後、アフォーダンス理論の応用が著しい分野である建築、保育、人工知能、作業療法について具体例をご紹介します。
『アフォーダンス』と聞いて、皆さんはどのようなものを想像するでしょうか。『アフォーダンス』というのは、「与える、提供する」という意味の英語、アフォード(afford)からきており、知覚心理学者であるアメリカのジェームス・J・ギブソンによって作られた造語です。
アフォーダンスは、動物(有機体)に対する「刺激」という従来の知覚心理学の概念とは異なり、環境に実在する動物(有機体)がその生活する環境を探索することによって獲得することができる意味/価値であると定義される。
上記のことを要約すると、アフォーダンスとはつまり『環境が様々な要素により、人や動物、生き物に働きかけることで、そのフィードバックによって感情だけでなく動作も生まれる』ということを指しているのです。 例えば、引き手のついたタンスを想像してみましょう、"私"はタンスの取っ手を引いて開けることができるということを知っています。ここに存在する「私はタンスの開け方を知っている」と、実際に開けるであろうタンスと"私"の間にできる関係のことを、「私とこのタンスには"引いて開ける"というアフォーダンスが存在している」と言い表します。
しかし近年、特にデザインの世界において、アフォーダンスというのは「人をある行動へと結びつけるために必要なヒントを示す事」という意味でも使われています。もう少し分かりやすく言い換えてみましょう。 アフォーダンス理論とは、私たちが『過去の経験から物事に対する行動や考え方を結び付けることのできる効果』のことを言います。このように、結び付けられたイメージ・想像や個々の考え方などを『アフォーダンス』といい、分かりやすく言えば固定概念(先入観など)と同じような意味で使われることもあります。
アフォーダンスとは何か、ということを上記で説明しましたが、理解は深まったでしょうか。ここでは、『アフォーダンス』の例をご紹介いたします。例を見ることでより『アフォーダンス』への理解を深めていきましょう。
例えば、私の目の前にドアの取っ手があったとしましょう。すると、私の体と意識は自然「ドアノブを回す」と言う行動を反射敵に行うはずです。 しかし、そのドアが例えドアの取っ手を回したとしても開かないドアだったとしても、過去の経験から『ドアの取っ手を回せば開く』という行動が働いてしまい、結果的にドアを開けることができないのです。
"私"の周りに平面の物体があれば、過去の経験から『椅子があれば座る』というイメージが頭には定着しています。そのことから、反射的に「ここに座ろう」という意識が働くのです。
私たちの周りには様々な形状のスイッチがあり、スイッチを押すと何かが起きるということを過去の経験から判断することが可能です。過去の経験からどう対応すればよい常に脳が判断しています。 仮にそのスイッチが何の意味を持っていなかった押しても憶測や先入観、過去の経験から『スイッチは何かを起こす役割を持っている』と判断するのです。
重要なポイントは分かりやすいように赤で印がつけられているものです。私たちはその経験から、赤文字を文章中に見かけると『重要なワード』である、と反射的に認識します。
記載されている内容は2017年08月30日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
また、記事に記載されている情報は自己責任でご活用いただき、本記事の内容に関する事項については、専門家等に相談するようにしてください。
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