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「役職定年」の年齢や退職金の目安・メリットとデメリット

退職

役職定年・役職定年制。こんな言葉を聞いたことはありますか?お若い方には危機馴染みのない言葉かもしれませんが、定年まで働くことを考えると、避けては通れない可能性が出てきます。いざという時に備えて、今から役職定年についての知識を補っておきましょう。

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役職定年・役職定年制とは

役職定年・役職定年制とは、どのようなものなのでしょう。「定年」という言葉が使われているので、仕事を辞めるということを連想してしまいがちです。しかし、この定年は会社を辞める「定年」とは少し話が違います。頭についている「役職」という言葉がキーとなるのです。

役職定年・役職定年制とは、役職を持つ立場にいるものが、一定の年齢に達した時点で、そのポストからはずれて、専門職などに移動する制度です。同じ人が長い期間、同じポストにいることは、組織の新陳代謝を衰えさせかねません。そこで役職定年という制度を設け、組織の活性化を測ったり、新しい人材をそのポストに据えることで、若手の育成やモチベーションの向上アップを図ります。

また人件費コストの観点からも、役職定年を行うことで、年供序列制度ではなかなか成しえない、コスト削減効果を狙います。

役職定年の年齢目安

役職に就くクラスの社員となるわけですから、役職定年を迎え年令は一般的に55歳と定めている企業が多いようです。早い所では50歳からが対象となる企業もあるようです。通常の定年が60歳と言われていますので、部長クラスの役職の場合は57歳ぐらいまでが範囲となります。これは課長クラスの役職定年でもほぼ同様に扱われています。

就業規則における役職定年

就業規則は、働く上で必要不可欠な約束事です。労働条件を一定に定めておくためには設けられた、いわば職場のルールとなりますので、就業規則に変更があれば、当然、働き手側に大きな影響を及ぼすこととなるでしょう。

就業規則の変更は企業の独断では出来ない

就業規則の変更には「労働契約法9条」において、大切なルールが設けられています。いくら雇い主であるといっても、企業側が一方的に就業規則の変更を行ってはいけないというものです。役職定年を導入することで、労働条件を勝手に、労働者が不利益になるような切り下げを行ってはいけない決まりとなっています。

役職定年制を導入することで、当事者の就業規則が変更を余儀なくされる場合があります。しかしそれは不当なことではないかという考え方もあります。給与などのお金に関わる部分に影響を及ぼし兼ねないと、大きな問題となっているようです。これに関しては次項で詳しく触れたいと思います。

就業規則の変更を企業側が独断でおこなえる場合もある

「労働契約法10条」においては、9条では行ってはならないとあった「一方的な就業規則の変更」についての「例外」が挙げられています。就業規則の変更を行った後、きちんと労働者に周知させていることと、その就業規則の変更が合理的な範囲の物であることが条件とされています。

労働者が役職定年後に生活が困窮するほど、不利益性のレベルが大きくなってしまようでは、就業規則の変更を行うことは合理性なしと判断されます。それでも一方的な就業規則の変更を行うのであれば、それを認めさせるためには厳しく評価が行われることを覚悟する必要があります。就業規則の変更を認めさせるには、経営上の必要性や、代償措置が正しく行われているかが決め手となります。

役職定年の給与・退職金

さて、ここからは役職定年で給与や退職金などが、どのように変わるかを見ていきましょう。役職定年を導入している企業の多くは給与は下落すると言われています。下落すると答えている企業の割合はおよそ8~9割に上るともいわれっています。なので、役職定年が導入されている企業では、対象となった場合原則給与は確実に今より下がるものと頭に置いておいてください。

せっかくここまで苦労して働いて、地位を得たにもかかわらず、会社側が導入している役職定年となってしまい、給与が下がるというのは労働者の立場に立ってみると、なかなか厳しい状況です。役職定年の待遇の変化のせいで、労働者の働くことに対するモチベーションが大きく下がってしまう事も、懸念されています。

少なくとも、2割程度の引き下げは覚悟しておく必要がある

役職定年の給与引き下げに関しての相場というものは、残念ながら存在していません。しかし一般的な流れから見るに、現行の給与からおよそ2割程度は確実に引き下げられることは覚悟しておきましょう。役職という肩書が無くなるので、それらに対する手当が無くなるのですから、給与引き下げもいたしかたないといったところでしょう。

役職定年における「退職金」の扱いについて

55歳で役職定年、定年退職が60歳の企業と仮定して考えてみましょう。もし役職定年となる55歳で会社を辞めたとすると、定められている勤続年数が減りますので、当然給与も賞与もゼロになります。そして退職金も当然減額されることとなります。

しかし、役職定年になっても、きちんと会社の決めた定年退職となる60歳まで勤め上げたのであれば、退職金が減額されることは、ほぼないと言ってよいでしょう。というのも、役職定年はあくまでも、自分が今いるポストを解かれるだけだからです。「定年」と言葉がついているだけで、そのままその会社に在籍し続けることは、問題なくできるのです。

役職定年と退職金にはあまり関連性がない

給与の引き下げ率や、退職金に関する問題は、各企業ごとに異なりますし、個人の采配にもゆだねられる部分が多いのが現状です。しかし一般的な役職定年となる年代の55歳~57歳ごろでは、すでに退職金については確定している場合が多いので、役職定年になったからといって、退職金が大幅に変動することはありません。

役職定年後は

繰り返しお話ししていますが、「定年」という言葉がついていますが、「役職定年」は、会社を辞めなくてはならないという事ではありません。役職定年とは管理職の立場から離れ、1王レイヤーに戻り、会社のために働くということなのです。なので、役職定年後は9割近い方が、そのままその会社に在籍し、働き続ける形を取っています。稀に籍だけを会社に残したまま、子会社や系列会社への出向を命じられる場合もあるようです。この辺りの対応は、各企業によって異なります。

役職定年後の選択肢「早期定年制度」

先ほど、給与や退職金のところで、役職定年しても退職金には大きく影響しないというお話をしました。しかし、企業によっては「早期退職制度」を活用できる場合もあります。早期退職制度という選択肢を選ぶことで、退職金を上乗せしてもらって退職するということも可能となります。しかし、これにもリスクが伴うので、早期退職制度を選択するかどうかは、十分な知識が必要となってくるでしょう。

役職定年のメリット・デメリット

役職定年におけるメリット・デメリットはどのようなものがあるのでしょう。

役職定年のメリット

某腕もお話しした通り、役職定年というものは、企業側にメリットが多い制度です。ポストを開けることで若い人材を育成することが出来る、その若い社員が会社の新陳代謝や活性化を促す。このような人材育成面で大きなメリットをもたらします。さらに大きなメリットとなるのが人件費の削減です。年令とともに上がっていく給与に、さらに役職手当が発生します。この役職手当が無くなるだけでも、企業としては大きな人件費カットに役立つのです。

個々のメリットと言えばやはり「次世代の育成」が大半を占めるでしょう。自分がこれまで会社のために培ってきたノウハウを、次世代へ伝えることが出来るのは、とても価値のある事です。次の世代を育てるということは、自分が生きてきた証を残すようなものでもあります。もう一つのメリットは、次世代へとバトンを渡すということへの自覚です。役職から離れることで、定年後の生活や、今後の人生について考える猶予期間を得たことにもなります。

役職定年のデメリット

これもすでにお話ししましたが、やはり労働に対するモチベーションのダウンが最大のデメリットと言えるでしょう。ここまで頑張ってきたのに、会社が決めた制度のせいで、役職は無くなり、給与は引き下げられるのですから。そうなることで付きまとう不安も大きくなり、逆に生産性の低下が懸念されます。

また、役職定年後の配置に関しても頭の痛いところです。大抵の企業が、役職定年後も給与は引き下げられるのに、仕事内容は変わらないというのが現状です。やはりここまで築き上げたものがあるので、迂闊に業務内容を変えるのは、当事者にとっても周りにとってもストレスの大きなものとなるからです。場合によっては、役職定年が近づいている上司の指示に従わない社員が出て来るなど、デメリットはかなり深刻なものが多いでしょう。

悪いことだけではない

役職定年のぜひについても、大きな問題となりつつある昨今。それでも役職定年を導入し始める企業が増えているのは、やはり企業側へのメリットがそれだけ大きいという事なのでしょう。しかし、視点を変えて次世代の若者の育成という価値ある仕事を与えられたと考えるのも、決して悪いことではないと思います。誰かがそれを行わなければ、会社の発展はありえません。それをやれるのは、これまで会社を支えてきた皆さんなのです。

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