IT人材のためのキャリアライフスタイルマガジン

看護師試験の難易度と合格率・合格するためのポイント

資格・検定

看護師になる試験は国家試験です。病院だけでなく、訪問看護ステーションや保育所、特別養護老人ホームなど多くの場で看護師が活躍しています。看護師国家試験を受ける資格や試験の難易度、合格率、合格ライン、受験のポイントなど、関連する事項を紹介します。

更新日時:

看護師試験を受ける資格は?

看護師は病院や診療所だけでなく、老人ホームや障害者援護施設などで主に看護を行なう医療従事者で、医療や福祉を支える重要な職種です。看護師になるには、大学や専門学校などの看護師養成校で基礎看護教育を受け、看護師国家試験に合格しなければなりません。看護師国家試験を受験するには資格制限があって、誰もが受けられるものではありません。

看護師国家試験の受験資格は?

資格要件としては、次のいずれかを満たすものになります。 ■文部科学省指定の大学で、看護師になるために必要な学科を修めて卒業した者(卒業見込みを含む)。 ■文部科学省指定の学校で、3年以上看護師になるのに必要な学科を修めた者(修業見込みを含む)。 ■都道府県知事指定の看護師養成所を卒業した者(卒業見込みを含む)。 ■准看護師免許を得た後3年以上業務に従事している者、又は高等学校もしくは中等教育学校を卒業している准看護師で、指定大学、指定学校又は指定養成所において2年以上修業した者(修業又は卒業見込みを含む)。 ■海外の看護師養成学校を卒業した者か、海外にて看護師免許を取得した者で、厚生労働大臣が資格を認めた者。 ■インドネシア、フィリピン、ベトナムからの看護師候補者で、日本語の語学研修及び看護導入研修を受け、かつ、研修の終了後、病院において看護師の監督の下で国家資格取得を目的として就労している外国人看護師候補者のうち、厚生労働大臣が資格を認めた者(見込みを含む)。 ■旧法に定める看護婦養成所、甲種看護婦養成所を卒業した者。

看護学校などのカリキュラムは?

看護師を養成する看護学校は全国に700校以上ありますが、そこのカリキュラムはどのようなものでしょうか。3年課程の場合、97単位、3000時間以上が看護師免許の資格取得要件となっています。このうち実習が23単位で1035時間、約3分の1を実践にあてているのが看護師教育の特徴です。

■基礎分野(13単位):数学、物理、化学などの自然科学、社会学、国際関係などの社会科学、哲学、心理学などの人文科学など、科学的な考え方を基礎から学びます。 ■専門基礎分野(21単位):解剖生理学や生化学、薬理学、病理学、微生物学など、専門職として必要な知識の他、社会福祉学、公衆衛生学、医療社会学、保健医療制度や社会保障制度など人間と社会との関係についても学びます。 ■専門分野Ⅰ(13単位):看護の本質を追求する科目や、対人関係能力、倫理的判断を養成する科目など、看護の基礎的な理論と技術を学びます。 ■専門分野Ⅱ:母性看護学、小児看護学、成人看護学、老年看護学、精神看護学など、妊婦から老人までと精神保健に関する各種看護学を学びます。 ■統合分野:看護専門職として実践できる能力を取得する分野として、在宅看護論と看護の統合と実践の内容を学びます。

看護師国家試験の難易度と合格率

看護師試験にはこの数年間は毎年6万人を超える人が受験し、5万5千人前後の人が合格しています。従って合格率は90%前後の高い数字で推移していますが、合格率が高いからといって難易度が低いということにはなりません。看護学校などでの厳しい教育カリキュラムを経てきた人たちだからこそ、合格できるものなのです。

看護師国家試験の合格率は?

看護師試験の受験者数、合格者数、合格率を2010年からみてみましょう。 年   受験者数  合格者数 合格率% 2010  52883  47340  89.5 2011  54138  49688  91.8 2012  53702  48400  90.1 2013  56530  50224  88.8 2014  59725  53495  89.6 2015  60947  54871  90.0 2016  62154  55585  89.4 2017  62534  55367  88.5

合格率は90%前後で推移していますが、受験者数の多い新卒(現役)の人の合格が数字を押し上げています。2017年の試験では新卒の人の受験者数は56381人で、合格者は53117人、合格率94.3%になっています。既卒や外国人枠では合格率は低く、かなり高い難関になっています。

新卒ではない人たちの合格率は?

既卒の人たちの合格率はここ数年40%前後で推移しています。 2017年のデータを見てみましょう。 大学や養成所など3年課程の既卒者  47.9% 短大や養成所など2年課程の既卒者  26.9% その他、高校・高校専攻科などの既卒者をあわせて合格率を平均すると35.6%です。

既卒の人たちの多くは看護助手として働きながらの受験勉強ですので、仕事優先になって勉強の時間が十分にとれないことが合格率が低いことの主因なのかもしれません。また、EPAと呼ばれる外国人看護師は言葉、特に漢字の壁が高く、新卒相当で2.7%、複数回のチャレンジになると思われる既卒相当でも18.5%という低い合格率です。

看護師国家試験の合格ボーダーラインは?

看護師試験の問題には、必修問題と一般問題、状況設定問題の3種類があります。必修問題と一般問題は1問1点、状況設定問題を1問2点として、次のような合格ボーダーラインが設定されています。

■必修問題:40点以上/50点。つまり80%以上が例年の絶対条件とされています。 ■一般問題、状況設定問題:合格発表時に合格ラインの点数が公表されますが、おおよそ60~65%がボーダーラインです。 2017年の試験では、一般問題、状況設定問題のボーダーラインは142点以上/248点で、57.2%以上と例年よりは緩い結果となりました。必修問題80%以上とあわせてクリアしないと合格にはなりません。

看護師国家試験の科目と日程

看護師国家試験は毎年、2月中旬に全国の会場で行なわれます。毎年8月になると看護師国家試験の概要が厚生労働省のホームページで発表されます。2017年は、北海道、青森県、宮城県、東京都、愛知県、石川県、大阪府、広島県、香川県、福岡県及び沖縄県の11ヵ所で行なわれました。

看護師国家試験の試験科目

看護師国家試験の試験科目は以下の科目からなり、必修問題や一般問題、状況設定問題に分けられます。  人体の構造と機能  疾病の成り立ちと回復の促進  健康支援と社会保障制度  基礎看護学  成人看護学  老年看護学  小児看護学  母性看護学  精神看護学  在宅看護論及び看護の統合と実践

看護師国家試験の日程

 2016年8月       看護師国家試験概要を厚生労働省ホームページで発表。  2016年10月中旬以降   受験願書配布  2016年11月18日~12月9日 受験に関する書類の受付期間  2017年1月中旬     受験票の交付(郵送)  2017年2月19日     看護師国家試験実施  2017年3月6日      卒業証明書などの提出期限(受験時見込みの場合)  2017年3月27日午後2時 合格者発表

2017年の国家試験の日程です。合格者発表は厚生労働省のホームページからでも確認ができます。

看護師国家試験、合格のための受験ポイント

看護師国家試験は出題範囲が広いため、合格するためには受験勉強もポイントを押さえて進める必要があります。

基礎的な科目の理解が合格への近道

どの学問でも同じですが、基礎的なことが理解できていないと他の分野や応用分野の理解は進みません。看護学では「人体の構造と機能」が基礎科目にあたるでしょう。体の構造や機能の理解無しに治療や予防、看護などの知識を理解することはできません。必修問題においても「人体の構造と機能」の出題ボリュームは大きくなっていますので、必修問題をクリアするうえでも基礎固めが大切です。基礎がきちんとできていれば、他の科目の理解も順調に進み、結果的には合格への近道です。

過去問題集は正答率70%以上の問題に集中

過去問題集は間違えた問題を解き直していくのが基本ですが、正答率70%以上の問題に集中することをお薦めします。正答率70%以上の問題というのは難易度が低く基礎的な問題と言えるでしょう。このレベルの問題で確実に得点を増やすことが、試験に合格するためには非常に重要なことです。

逆に、正答率が低く難易度が高い問題は後回しにしたほうが良いでしょう。正答率が高くて誰もが解けている問題を確実に解くことを優先して、難易度が高い問題や応用問題は簡単な問題ができるようになってから手を付けるようにしましょう。

模擬試験では時間配分や試験テクニックの実践を

看護師国家試験は午前中2時間40分、午後も2時間40分で夕方までの長丁場です。その間に全240問、時間配分が重要です。模擬試験は時間配分を練習する絶好の機会です。難しくて後回しにする問題や、あとで見直したい問題、自信のある問題などを問題用紙にチェックを入れておくテクニックなども試してみましょう。

模擬試験で間違えた問題を見直して解き直しをするのが基本ですが、過去問題集と同様に正答率が70%以上の問題に集中して取組むと良いでしょう。まずは基礎固めをするという考え方で、模擬試験を有効に活用するようにしましょう。

看護師国家試験に合格した後も更なる活躍を

いかがでしたでしょうか。看護師国家試験で毎年5万人以上の新しい看護師が誕生しています。看護師の仕事は健康を損ねた人などの身体的、精神的な痛みや苦しみをやわらげ、はげまし、回復へのサポートをすることや、乳幼児やお年寄りのように自分で自分のことができない人たちの活動を助け、生活の質を高める援助をすることなど、多岐にわたっています。病院ばかりでなく、診療所や訪問看護ステーション、老人保健施設、保育所、特別養護老人ホームなど、多くの場での活躍が期待されています。

いつも笑顔で患者さんに接したり、情緒豊かで思いやりのある性格が求められますので、看護師にはどんな時も自分をコントロールできる技量が必要になります。 また、人口の高齢化や医療の高度化、専門化にともなって、看護師に対する要望も高度で広範囲になってきています。看護師国家試験に合格したらそれで勉強はおしまいではなく、新しく看護師になった人たちは、時代の変化に応じて更に高度な看護学を学ぶ意欲のある看護師を目指して活躍していきましょう。

関連タグ

アクセスランキング