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試用期間での退職の伝え方|試用期間中に退職したいときの対処法

退職

試用期間中にどうにも肌に合わず退職したいと思われたことのある方も多いでしょう。この記事では、試用期間中にもしも退職したくなった場合にどういった手段を講じればいいか等悩んでしまいがちな試用期間中の退職について詳しく見ていきましょう。

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試用期間中に退職を考えたら。押さえておきたい退職のルール

試用期間中は本採用ではない、お試し期間というイメージから簡単に退職できるという考えを持つ人も多いようです。 しかし、法律的には試用期間中であっても、企業と個人の間で労使契約が締結された状態のため、「試用期間中なので今日からもう、出社しません。退職します」という言い分は通らないのが基本です。 そのため、「今日で試用期間が終了することに伴って退職します」という希望も通用しません。例えば企業の就業規定に「3週間前までに退職を希望する旨申し出ること」とあれば、それに従わなければならないのです。 一方、労働基準法では従業員が自己都合による退職を申し出て、2週間経過すれば雇用契約は自動的に解除されると定められています。試用期間中でもこの法律は適用されます。労使契約が締結されているからです。しかしこちらにも従業員として満たすべき要件があります。

試用期間中の退職満たすべき要件とは?

1点目はしつこいようですが、退職希望日の申告を確実に行っていることです。口頭での申告だけでは証拠が残りませんから申告時に退職届を持参することが望ましいでしょう。 2点目は就業規則に則って勤務することです。退職を申告した後無断欠勤を続けて連絡も取れないという場合には、適用されません。試用期間は無条件で退職できるという訳ではないのです。 なお、現実には例外的に即日退職を認められるケースも存在します。企業側が2週間後には退職する従業員を雇用し続けることにメリットを感じない、後任の確保と育成を急ぎたいといった理由が考えられます。 しかし原則的には企業の就業規定や労働基準法に従う必要があることを覚えておきましょう。マナーという観点から考えた場合にも、即日退職や希望日直前の申告は望ましくないものです。試用期間とはいえ、急に退職の意志を伝えて職を辞すのでは雇って頂いた企業に最低限の礼儀を示すことになりません。 企業側にすれば試用期間中の従業員はよほどのことがない限り、その後も長く活躍してくれる人材として育成している人材です。試用期間が終了した瞬間に退職と言われれば、企業側は1から新しい人材を確保して育成し直す時間と労力を強いられることになります。試用期間中でも強い退職の意思が固まったら、退職希望日に余裕を持ってすみやかに退職の意志を申告することが、円満退職に繋がります。

試用期間中の退職手順その1:退職理由を固める

試用期間中の退職理由のまとめ方

まだ人間関係も十分に形成できていない試用期間中に、思っていた業務内容と違う、職場の環境が合わないなど自己都合による退職理由を上司に伝えることに困難を感じる人も少なくはないでしょう。 しかも本採用になっていない試用期間の間に退職を申し出るなど、だらしない、わがままと思われないか、どのように話をしたら良いかと悩む人もいるでしょう。最も注意すべき点は、企業の批判や悪口を言ったと受け取られないようにすることです。退職理由を伝える際は主語を必ず「私」にし、企業側を責める文言は盛り込まない表現に言い換えましょう。 上司や先輩に試用期間の途中までしか勤務していない人間に職場を批判された、という悪印象を与えずに済みます。試用期間しか勤務していないから、人間関係も適当で構わないと、退職理由を言いたい放題言ってしまうようでは円満退職には繋がりません。試用期間に退職を決意したからこそ、気持ちよく退職できるように配慮しましょう。

退職理由の伝え方・本音の言い換え

本音1

スピードと効率重視の環境に馴染めない。ついていけない。 試用期間の終了を待たなくても、ついていけないのが目に見えているので早急に退職したい。

言い換え1

これまであまり自覚していなかったのですが、試用期間を通して私はゆっくりと事に当たる性格なのだ と実感しました。私では周りと足並みを揃えることができないと痛感しましたので退職させて頂きたい と思います。ご期待に添えず申し訳ありません。

本音2

無駄口が多い環境で仕事にとても集中できない。 過去に同じ理由で苦痛が大きくて退社した会社があるので、我慢したくない。

言い換え後2

私にはもう少し小さな部署で、黙々と行う仕事が向いていると感じています。決断は早い方が皆様におかけする迷惑も最小限で済むと思いましたので、試用期間中ではありますが退職を希望します。申し訳ありません。

本音3

パソコンでの事務処理作業が中心だと思っていたら、立ち仕事が多くて心身ともに辛い。 早急に退職しないと持病の腰痛が再発しそう。

言い換え後3

私がこちらでの業務をきちんと理解せずに入社してしまい、申し訳ありません。持病の腰痛が再発してからご迷惑をおかけするより、早い段階で退職を決意したほうが良いかと思いましたので、試用期間中ではありますがお伝えさせていただきました

本音4

営業志望で入社したにもかかわらず、営業補佐。外回りを得意としていると面接や書類でもPRして入社にこぎつけたのに、社内業務ばかりで不満を覚えている。

言い換え4

私には外回りの多い業務が合っていると、試用期間中にこちらでの業務を経験させて頂いて強く感じました。 職務能力を見込んで採用頂きましたのに、申し訳ありませんが退職させて頂きたいと思います

試用期間中の退職理由は本音を伝えたほうが良い

企業と従業員の双方が納得しやすい退職理由は「業務内容が思っていたものと違う」いわゆるミスマッチングであったことが判明した場合だと言われています。それであれば無理に引き留めても致し方ない、と判断されやすいようです。 ただし、それは試用期間に入るまでもなく採用前に分かっていたことではないかとリサーチ能力に疑問を呈されることもあり得ます。試用期間を経験したからこそ判明したミスマッチングを簡潔に伝えると良いでしょう。この場合も、企業の批判は盛り込まないことが重要です。 なお、本人の健康理由以外にも家族の病気によってIターンやつきっきりの介護を余儀なくされた場合は、やむを得ない事情ですのでストレートに伝えて構いません。試用期間中にと負い目を感じる必要はどこにもないのです。ただし、上手な退職理由を思いつかないという動機で、家族が病気だと虚偽の報告をするのは避けましょう。嘘をついたところで見透かされる可能性が高く、トラブルにも発展しかねないからです。

退職の手順その2:アポイントを取る

退職理由が固まったら、まずは直属の上司にアポイントを取ります。この段階では電話やメールを利用してもかまいません。退職という重要事項を話すことになりますから、話し合いが長引くことを想定して上司に余裕を持った時間を確保して頂けるよう打診するのが重要です。話す場所も、落ち着いて話せるように会議室などオープンスペースでない場所を希望すると良いでしょう。 周りの目を気にして話し合いたいことを十分に打ち明けられないというリスクを軽減できます。また試用期間中とはいえ、退職理由を伝えるだけでなく給与や厚生年金などのデリケートな内容も話し合うことになるため、限られた人数で話せる環境が望ましいでしょう。 試用期間中の人間が、そこまで上司の手間を取らせて良いのかと悩む必要はありません。双方がきちんと話し合い、納得したうえで退職の合意を取り付けることが円満退職に繋がるからです。 翌日やその日の午後など早いタイミングで話し合いの時間が確保できるならば、アポイントを取る時点で退職の意向を伝えてもかまいません。 ただし上司が多忙などの理由で話し合いまでに間が空く場合には、お話したいことがありますと伝える程度に留めます。詳細を話すことで時間の経過とともに上司の記憶が薄れ、曖昧になることが原因でかえって話が難しくなるケースもあるからです。 ただし、試用期間は長くても1年、一般的には1か月から6か月程度とされています。試用期間中に退職の意志を固めたは良いけれど、上司と話し合いができないうちに試用期間を過ぎてしまったということにならないよう注意しましょう。意志が固まったらすみやかに退職理由をまとめ、上司とのアポイントを取ることが重要です。試用期間中にスムーズな退職手続きが進められるよう、配慮しましょう。

アポイントは電話でも良いのか

マナーの観点から見た時も退職の意向を電話で伝えることは好ましいことではありません。企業にとっても従業員にとっても、退職は職務の遂行にかかわる重要事項だからです。それゆえ退職の際には面談や書面の提出を求める企業も少なくありません。たとえ試用期間中の身だったとしても退職する意思やその詳細は直接会って伝えることが原則です。ここでも試用期間だけの付き合いだからと雑に考えるのではなく、お世話になった方々への礼儀と思いやりを忘れないようにしましょう。

退職の手順その3:話し合い

退職日を決める

できれば、この段階で退職願を作成して持参しましょう。口約束によって退職希望日の申告が曖昧になっ ていると、希望日に退職できないリスクを背負うことになりかねません。その間に試用期間を過ぎてしま うと、辞めるに辞められないという事態になることもあり得ます。退職願に記入する希望退職日は、この 話し合いの日を起点として就業規則に定められた期間後の日付か、労働基準法に則った2週間後の日付に します。このタイミングに退職願の作成が間に合わなかった場合は後日、作成することになりますが額面 は「退職願」ではなく「退職届」に変わります。 なお、試用期間中に退職が了承された場合は、この日から出勤しなくても良いと告げられるケースも少な くありません。しかし退職日までの期間は在宅勤務ないし有休消化で処理されることが一般的です。試用 期間中でも企業側と合意した退職日までは労使関係にあることを忘れないようにしましょう。特に次の転 職活動を始めたい場合や、次の職場と勤務開始日を検討している場合は要注意です。 話し合いの席ではまず、退職の意志とその理由を伝えます。1つ前のプロセスでまとめた退職理由を手短 に伝えましょう。根掘り葉掘り聞かれて、つい企業批判や悪口と受け取られかねない本音を告げてしまう リスクを軽減できます。 この時、上司から退職を留まるよう説得を受けることも考えられます。まだ試用期間中でもあることだし、 もう少し頑張ってみようと思えるのであれば、ここで退職を思いとどまるのも一案です。また退職理由を 聞いた上司から業務内容や環境の調整を提案され、納得がいくものであればもう少し頑張ってみるのも良 いでしょう。 ただし、退職の意志が固い場合は別です。企業側にしてみれば時間と労力をかけて指導している試用期間中の従業員に簡単に辞められてはたまりませんから、あの手この手で説得されることもあり得ますが、無理に意志を曲げる必要はありません。特に試用期間終了を迎えるまでもなく、自分はここに合わないと判断できる場合には相手の心情を配慮しつつも、きっぱりと退職の意志を伝えましょう。 もし、もう少し考え直すよう求められた場合も必ず期限を区切りましょう。例えば2日後にはお返事しますと伝え、その日に再び面談の機会を設けてもらえるよう、アポイントを取ります。退職手続きに手間取っているうちに試用期間を終了してしまわないよう、手を講じておきましょう。 退職の意志が了承されれば具体的な退職の日付を決定する段階に移行します。職場の状況や自分自身の状 況、家庭の状況などを鑑みて相談するほか、必要があれば引き継ぎに必要な期間も相談して退職日を決め ましょう。納得できる退職日を決めるためにも、試用期間中だから申し訳ないなどと考えずに、自分の希 望はきちんと伝えることが重要です。そのためにも根拠となる状況は話せる範囲で詳しく伝えましょう。

退職を認めないと言われてしまった場合

起きて欲しくはない状況ですが、企業側から退職の意志を了承されないこともあり得ます。この場合は先 にご説明した労働基準法を思い出してください。きちんと就業規則に準じて業務に当たっていれば、試用 期間中でも退職の意志を申し出た2週間後には契約期間が終了するのです。この段階になれば企業側が強 制的に業務を行わせることはできませんし、就業の義務もなくなります。できれば企業側と合意を形成し て円満に退職したいところですが、どうしても了承を得られない場合は労働基準法を活用しましょう。試 用期間中でも適用されるはずだと穏やかに、かつきっぱりと伝えることが重要です。

各種手続きの確認

退職時には雇用保険や健康保険、厚生年金の加入状況の確認と手続きが必要になります。試用期間の途中 で退職する場合も変わりません。基本的には企業側の指示に従って手続きを進めれば問題ありませんが、 退職の意志を表明した席で詳細を聞いたうえで作業すれば、より確実に手続きを遂行できます。 まず確認しておきたいのが、雇用保険や健康保険、厚生年金にかかわる手続きが必要か否かです。原則的 にはどのような雇用形態であっても、試用期間中でも雇用保険や健康保険、厚生年金に加入することが義 務付けられています。ただし正式採用となるまで保険や年金関連の事務手続きを見送る企業も存在するの が実情であるため、これらの手続きが一切必要ない場合もあり得るのです。 まずは手続きが必要なものがあるか否かを確認しましょう。試用期間だから特に何もないだろうと確認を怠ってはいけません。やり残した手続きのために再びその企業とかかわらざるを得なくなることもあり得ます。面倒がらずに必ず確認しましょう。質問するのが心苦しい場合は、前もって採用が決まった際に交わした労使契約書を確認しておくもよい方法です。試用期間中の待遇や条件が記載されているはずです。 主に退職者自身が手続きを行うものは2つ考えられます。

健康保険証の手続き

1つは健康保険証にかかわる手続きです。健康保険証を返却し、引き換えに喪失票を受け取ります。これは、国民健康保険の加入時に必要なものですから、確実に受け取れるようにしましょう。次の職場が決まっている場合でも入社日が翌々日以降であれば社会保険・厚生年金ともに切り替えが必要です。なお切り替えは退職から14日以内に住民登録している市町村役場で手続きを行います。

給与と源泉徴収

2つめは給与の支払いについての確認と源泉徴収票の請求です。試用期間中の退職でも、それまで働いた 分の給与は支払われます。退職の意志を伝える席で、支払い方法や金額などを確認しておきましょう。 なお、労働基準方法では、従業員から賃金の支払いを求められた場合7日以内に支払うよう定められてい ます。万一、試用期間中だから払わないと言われても、請求は可能だと覚えておきましょう。試用期間中 に辞めるのだから贅沢は言えないなどと考えて、請求しないのはもったいないことです。 源泉徴収は年単位で行うため、1年の間に複数の勤務先から収入を得た場合、次回の確定申告時に必要となります。忘れずに請求しましょう。比較的大きな企業の場合は、財務や保険関連の手続きを行う部署がそれぞれ異なっていることもあり得ます。試用期間中に全ての部署と業務を把握することは困難でしょう。手続きの段階になって右往左往する前に、どの部署へ赴いて手続きをすればよいか確認しておくことをおすすめします。話し合いが終わったらすみやかに手続きを行いましょう。

退職の手順その4:その他の退職準備

雇用保険や厚生年金の手続きと並行して、その他の準備も進めます。基本的には上司の指示に従って作業・手続きを行えば良いのですが、思わぬ落ちが発生することもあります。これはどうしたら良いのだろうかと迷ったら、即確認を取るようにしましょう。退職時に必須の準備、発生する可能性の高い作業は片づけ(貸与物の返却を含む)と、業務の引継ぎの2つです。それぞれ詳しく見ていきましょう。

①片付け

まず確実に行いたいのがデスクやロッカー、下駄箱の片づけです。特に試用期間の早い段階で退職を決意した人にとっては、ほんの短い期間にしか使っていないため、手入れを見落としがちな場所です。 しかし、企業の中では比較的プライベートな物を保管することが多い場所なので、短期間でも散らかりがちな場所といえます。特にデスクは便利なものを自宅から持ち込むうちに私物が多くなっていることも少なくありません。試用期間中にしか使っていないからと軽視せず、確実に見直してください。業務上必要な書類のファイルや書籍、備品の文房具に混ざって私物のカレンダーや髪を留めるゴム、マグカップなどが置かれていないでしょうか。私物と企業の備品を分別し、私物は全て持ち帰りましょう。 忘れ物は、残る側にしてみれば処分に困るけれど、わざわざ連絡するのも気が引けると悩みの種になるものですし、去る側にとっては忘れ物に気づいても取りに戻りづらいものです。特に試用期間中や試用期間終了から間もないうちの退職となると、人間関係の形成も十分にしきれていないケースも多いので、気軽に連絡が取りづらい傾向があります。企業側に迷惑をかけないためにも、私物は確実に引き上げることが鉄則です。 企業の備品は、上司の指示に従って片付けます。後任者に引き継ぐ資料、キャビネットに戻す書類、デスク上で整理しておけば良い文房具、と行き先別に分けてから処理すると分かりやすいでしょう。ロッカーや下駄箱も、基本的にはデスクと同様に片付けます。ロッカーの扉にマグネットやフックを取り付けたままにしていないでしょうか。 もう必要ないからと残していくと、試用期間で辞めるような人はやっぱりルーズだなどといらぬところで印象を落とすことに繋がりかねません。特に次回の就職先を同業種内で考えている場合は、次の職場の関係者に話が入ることもあり得ますから、十分に注意しましょう。 ロッカーや下駄箱を片付ける際、特に注意したいのは名札の有無です。通し番号がついている、または何の表示もない場合は問題ありません。しかし個人の氏名が入った名札を作って頂いている場合は処分をどのようにすれば良いか、管轄の部署に確認しましょう。氏名のシール部分だけ剥がす、処分するなど指示があった場合はそれに従って片付けます。 企業によっては、個人のロッカーに鍵を付けているところもあります。退職時に管轄の部署へ返却を義務付けている企業と、ロッカーの鍵穴に差しておけばよい企業があるため、返却方法を確認しておきましょう。試用期間中キーケースなどの普段目に触れづらい場所に入れて保管していた場合は返却を忘れがちなので、十分注意が必要です。 ロッカーの鍵以外に返却が必要なものとして挙げられるのが、名札や制服です。名札の中身は紙製のことが多いですから、社内か自宅で処分すれば良いものがほとんどですが、名札のフォルダーは企業の備品ですから返却します。名札自体にバーコードが埋め込まれているなど特殊な加工が施されている場合は、返却するよう求められる場合もあるので、確認しましょう。制服は後任者が気持ちよく着用できるよう、洗濯、またはクリーニングをしてから返却するのがマナーです。クリーニングが必要な制服を退職当日まで着用するとなると、後日返却のために来社しなければならなくなります。 どうしても退職後に来社しなくてはならなさそうだけれど、直属の上司に会うのは気まずいという場合は前もって受付や人事部などへ返却することは可能か、確認しておきましょう。試用期間中にかかわりの薄かった部署ならば、それほど抵抗なく入れるということもあり得るからです。来社しづらいから、忘れたふりをして返却せずにおこうなどと考えることは厳禁です。企業側や後任者に大きな迷惑をかけることになります。ここでも試用期間で辞めるからこそ、相手への思いやりを忘れないようにしましょう。

②業務の引継ぎ

試用期間中でも、企業の業務の一端を担っていたことには変わりありません。業務内容の引継ぎが必要になることもあります。必要があれば、直属の上司の指示を仰ぎながらスムーズな引継ぎ作業を行いましょう。退職までの期間が最低2週間ですから、十分な時間が確保できるとは限りません。在宅勤務扱いや自宅待機扱いになる場合はさらに短くなることも予想されます。退職日が決定した時点から、引継ぎの準備を始めるとよいでしょう。必ず押さえておくべきポイントや注意点を文書にまとめる、業務のフローチャートを作っておくなど一目で分かる工夫をしておくと、説明の手間も省けます。 自分よりも先に在籍していた従業員に業務を引き継ぐ場合は、それほど細かい部分まで引き継ぐ必要はないかもしれません。むしろ自分よりも業務に精通していることもあり得ます。しかし、新たに採用された担当者や他部署から異動してきた担当者に引き継ぐ場合は、できる限り詳しく引き継ぎましょう。試用期間に学んだ事柄は大切なノウハウですから、確実に引き継ぐことが求められます。ここまでの手順を確実に踏むとともに相手への配慮を十分に心がけることで、円満退社が近づきます。

試用期間での退職時に気になる電話で退職の意思を伝えてはダメ?

①基本は「面談」

先にもお話した通り、退職の意志は書面または面談で示すことを求める企業もあります。それほど退職は 一大事として認識されているものなのです。試用期間中に何も連絡せず、一切出社しなくなるよりはまだ 良いとはいえるかもしれませんが、やはり良い印象を与える行為ではありません。試用期間中に退職する など申し訳ない、恥ずかしいと思うのであればなおさら、せめて最低限の礼儀は尽くすべく電話だけで退 職の手続きを終えることは極力避けましょう。試用期間中に辞めざるを得なかったけれど、やるだけのこ とはしたし礼儀も尽くしたと思えれば、残す後悔も少ないのではないでしょうか。 なお、電話以外にメールやSNSなどの通信手段もありますが、やはりこれも直接面談していないため、 先方に与える印象は良くありません。メールを1通送って後はなしのつぶて、というようでは企業側も困 ってしまいますし、社会人としてのマナーを疑われても仕方ない行為です。メールやSNSも、退職の意 志を伝える手段からは外しましょう。 上司と直接面談することは、退職希望者にとってもメリットのあることです。声のみでやりとりする必要 がないため、上司の様子を目で見て話が伝わっているかを確認しながら相談することが可能になります。 特に試用期間中で付き合いの浅い上司と話す場合は、電話だと把握しきれない相手の雰囲気や表情が掴み やすくなりますから、相手のペースに乗せられて退職の了承が得られなかった、という事態を防げます。 付き合いが浅いからこそ、直接会って自分の意志を正確に汲み取ってもらえるように心がけましょう。

②電話を使わざるを得ない場合の退職マナー

退職の申し出は直接面談が基本とお伝えしてきましたが、電話を使わざるを得ないというケースも起き得 ます。不幸にも大きなけがをして職場へ赴けないけれど退職をせざるを得ないという場合や、突然の病気 で家や病院を出られなくなった場合が当てはまります。また、出社しようとすると腹痛や頭痛が起きる「出社拒否」が強く起きている場合も、電話を使わざるを得ない状況といえるでしょう。 なお、試用期間中に出社拒否が続いている場合は企業側から「本採用拒否」の決定が下される可能性があ ります。欠勤率が高く、本採用は不適当と考えられるためです。環境が変わったことで一時的に体調不良 を起こしていて、回復の見込みがある場合は様子をみるのも良いでしょう。しかし自宅療養だけでは改善 していない、試用期間を乗り切ることすら無理、試用期間が経過してもおそらくこの状況は変わらないと 判断できるならば、早期に退職を申し出ることも一案です。 電話で退職の意志を伝える場合も、直接面談する際のポイントを押さえましょう。主語は「私」にし、企 業批判と受け取られかねない文言は言い換えます。そのうえで試用期間という短い期間で退職することへ の反省や謝罪を付け加えることを忘れないようにしましょう。心身両面ともに辛い時期ですから、家族に 見直してもらいながら退職理由を固めると、スムーズに作業できる可能性が高まります。 電話で話す際にも、退職の再検討を求められるケースがあります。しかし、1度の電話で退職の了承まで 完結しないと話が長引く可能性もあるので、「無理だ」とはっきり意志表明することが求められます。「このような状態になったのも初めてで、復調の見通しが立たない」といった表現に言い換えましょう。さらに「復帰をいつまでも待っていただくのは申し訳ない。試用期間中にこのようなことになって申し訳ない」という文言が加われば、復帰は無理ということがおのずと伝わりやすくなります。 また、やむを得ない状況に陥ったとはいえ本来は直接会って伝えるべき事項を電話で伝えていることには変わりありません。「お電話でのお話になってしまって申し訳ない」という文言も付け加えるようにしましょう。 電話で退職の意志が了承された場合は、後日退職届を郵送するのがマナーです。電話の最後に、何日まで には発送させて頂きますと付け加えておくと丁寧な印象になります。なお、どのようなものであれ心身に故障を来したことが退職理由の場合は、企業側から診断書の提出を求められるケースもあります。診断書の提出が必要な場合には、退職届に同封して送付するとスマートです。電話で退職の意志を伝えざるを得ない状況でも、相手の手間を可能な限り省く配慮を忘れず、円満退職ができるように心がけましょう。

試用期間で退職した後の転職活動で履歴書はどう書く?

試用期間中、試用期間の終了時やその直後に退職した後、休む間もなく転職活動に取り掛からなければならない人も多いでしょう。いざ転職活動を始めようと履歴書を手に取ったら、試用期間での退職は不利なのではないか。履歴書にはどう書いたら良いのか。と悩むことも少なくないはずです。 まず、事実として短期間での退職が転職において不利な条件になることはあり得ます。企業側が採用してもすぐ辞められてしまうのではないかと懸念を抱く可能性があるからです。特に2回以上の転職経験や、短期間での退職経験がある場合は一切採用しない企業も存在することは覚えておいたほうが良いでしょう。 試用期間中の退職、試用期間終了時、直後の退職はいずれも短期間での退職となります。もし、転職エージェントの見解を仰げるなど企業の詳しい情報を入手できる環境にいるならば、短期間での退職経験者を採用しない企業はあらかじめ避けるのが無難です。 当然のことながら短期間での退職経験者を採用しない企業を避けたからと言って、転職活動の対策が十分にできるわけではありません。履歴書の書き方にも留意点があります。まず、試用期間のみで退職した職歴を履歴書に記載するか否かです。基本的には履歴書に記載する経歴は、応募者の判断に任されます。ただし、採用後に試用期間のみで退職した職歴が明らかになった場合、経歴詐称で懲戒解雇の対象になる可能性もあるため、注意が必要です。 特に試用期間中も雇用保険に加入していた場合、その記録は新しく採用された企業の保険担当者に引き継がれるため、隠しても確実に知られてしまうものなのです。どうしても短い職歴を記載したくない場合は、確認される前に自分から先方に伝えるのが重要です。面接の席で「この空白期間は何をしていたのか」などと聞かれる前に申告しましょう。 「実は、3週間の試用期間のみ勤務した会社がありますが、募集要項と全く異なる業務内容だったため早期退職致しました。非常に短期間だったため、履歴書には記載しておりません」といった要領で伝えます。自分から切り出すのは不安なのであれば、最初から履歴書に記載しておきましょう。

履歴書の注意点

履歴書を作成する際にもう1点、注意したい点があります。「志望動機」と「自己PR」の欄です。履歴書に記載した、試用期間での退職のマイナスイメージを払拭できるような内容を心がけます。ポイントは「合理的な理由をアピールすること」と「やむを得ない事情であったことを説明すること」の2つです。 これは、次の項でお伝えする面接の席上で退職理由をどう話すか、に共通するポイントになります。「合理的な理由」は、まず退職理由を思い出してください。「パソコンでの事務処理作業が主だと思ったら、立ち仕事が多くて心身ともに辛い」という理由であれば、「募集時や面接時に説明された業務と、実際の業務が大きく違ったため、早期退職を決意しました。短い試用期間中ではありましたが私がもっとも能力を発揮できるのはパソコンを使用した業務など痛感しました」と言い換えて記載できます。採用担当者が読んだ際にそれは仕方のない退職だったと納得してもらえるように記載しましょう。さらに、この人が前社を早期退職してくれたのは我が社にとってチャンスだと思ってもらえるように整えられれば理想的です。

試用期間で退職した後の転職活動で退職理由はどう話す?

まず、ストレートに伝えて良いものは「家庭の事情」です。退職する企業に対してもストレートに伝えて良い退職理由としてご紹介しましたが、やむを得ない事情の最たるものですので正直に伝えましょう。ただし介護を理由に退職してUターンでの転職を希望している場合には、介護を受ける家族の都合で急に休む可能性があるか、病状が悪化してまた試用期間中に退職せざるを得なくなる可能性はないかと質問されることが考えられます。 再度、試用期間のみで退職するリスクがないか十分に検討するとともに、前もって返答の 内容を吟味しておきましょう。また、以前の企業で試用期間に入る前から、介護が必要になる可能性のある家族がいたのではないか、介護の見通しが甘かったのではないかなどと聞かれる可能性もあります。「自力で運転もできる父だったので、早急に介護が必要になるとは予見できませんでした。転倒による骨折が契機だったため私自身も驚きました」というように、予見できなかった理由を明確に伝えましょう。 自分が体調を崩して退職した場合は、その事実に加えて現在の状況を伝える必要があります。企業側にしてみれば体調不良は完治しているのか、自社の業務に耐えられる状態なのかは非常に気になる点です。試用期間中に体調を崩すなど、大丈夫なのかと不安に思われることもあり得ます。現在完治しているのであればその旨を伝えましょう。 加えて、主治医からもその旨診断を受けていることを話せば、安心感が高まります。完治していない場合も「医師の診察を受けて内勤であれば全く問題ないと診断されております」という要領で、先方の業務を遂行する上では全く問題ない体調であることを伝えるのが重要です。加えて試用期間中のあまりにも不規則な勤務スケジュールや過酷な肉体労働によって体調を崩した場合は、その点も伝えれば納得してもらいやすいでしょう。 その他、自己都合で退職した場合には先でお伝えしたように「合理的な理由をアピールすること」と「やむを得ない事情であったことを説明すること」の2つがポイントになります。例えば「長時間のサービス残業を日常的にしないと、とてもこなせないスピードで納期を設定されて疲弊してしまった」という退職理由で同業種の採用試験を受けるとします。 「この作業は一般的に1つ3時間程度掛かるかと思いますが、前の職場では1時間ペースを要求されていたためこなしきれず、業務に支障を来してしまったので、試用期間中でしたが退職を決意しました」というように伝えれば良いでしょう。必要となる所要時間は主観ではなく、一般的にどの程度必要かを吟味して、客観的な理由を見つけておくのがポイントです。企業の担当者に試用期間だけで辞めざるを得なかったのだなと思ってもらえるには、誰もが納得できる理由を見つけましょう。 試用期間での退職は苦渋の決断をした結果ですから、落ち込むこともあるかもしれません。しかし、よりよい環境で勤務するためのステップだったと切り替えて履歴書や面接時の応対を工夫し、次こそは理想の環境で働けるよう、手を尽くしましょう。

無理せず、冷静に考えよう。

いかがでしたでしょうか。今回は試用期間中にもしも退職したくなった場合にどういった手段を講じればいいかについてご紹介致しました。試用期間中に自分とどうしても合わないと感じてしまったら無理をする必要はありませんが、気持ちよく退職できるように言い回しなどを考え配慮するようにしましょう。

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