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更新日:2024年07月21日
職位、役職、職責など、ビジネス用語には意味も響きも似た言葉が多く、意味の違いを説明できるほど理解していないけど、「今更聞けない」という方も多いでしょう。今回は、職位の意味、役職など似ているビジネス用語を解説します。人に聞かれても説明できるようになりましょう。
辞書で「職位」をひくと、“組織における地位や仕事”や“職務上の地位”とあります。会社の中で言えば、それぞれの仕事(例えば、事務、営業などの仕事)で決まっている個人の地位や仕事とするとわかりやすいのではないでしょうか。係長、主任などの肩書きだけでなく、平社員=一般社員も職位になります。英語表現では、ポストが職位にあたり、ポジションは役職になります。
「職位」は、かつて多くの日本の企業に見られた人事制度のひとつ、「職能資格制度」におけるポストとの考え方が一般的です。職能資格制度は、人の能力を基準にした人事制度で、特定の職務に係る能力(専門性)を評価するのではなく、業務を遂行するための全般的な能力を評価して役職(ポジション)や職位(ポスト)につける制度です。以前の日本では、何でもできるジェネラルな能力が好まれたので、この人事制度が浸透し、職位という言葉も一般的になりました。
しかし、時代の流れと共に人事制度も大きく変わってきました。1990年代には、アメリカで発達した人事制度で、それぞれの職務の中身・難易度・専門性を明確化(職務説明書として明文化されることもある)し、それに対応する給与テーブルを用意した「職務等級制度」を導入する企業が増えました。 そして、最近では「役割等級制度(ミッショングレード制)」が主流になりましたが、統一的な仕組みはなく、導入する企業によって様々な役割と等級の設定がされています。このような人事制度の採用の違いやそれぞれの企業での定義付けの違いにより、「職位」は、用法が企業によって差が出てきて、定義としてはとても曖昧になりつつあります。 例えば、主事・主査・主幹・主任などの“資格呼称”の意味で「職位」を使用している企業もあれば、役職と全く同じ意味で使っている企業もありますし、役職のランクを職位で表す(課長と部長、役職名が違うが職位は同じなど)企業もあるのが実状です。
「役職」には、明確な定義があります。責任や職権を伴う役目、職務のことを言います。役職は、役員と管理職に分けられるのが一般的です。役員は、企業の中で最高位であり、経営の意思決定をする取締役会や役員会のメンバーで、会長・社長・専務、常務、執行役、執行役員などが相当しますが、企業が定めることのできる役員の名称もあるので、あくまでも一般的な例です。 管理職は、基本的にそれぞれの部署に一人の「長」がいて、その人が責任とその部署での権限を負う職務についている人を言います。一般的な定義での管理職者といえば、部長・課長・係長などが相当しますが、これも会社により取り決めはまちまちです。
最近の人事制度では、「職位」と同じ意味で「資格」「等級」という言葉を使う企業が多くなりました。職位や資格には、役職と区別できるような名称が設けられることも多く、対外的に用いられる名称として、主査・主幹・主任・チーフ・スーパバイザーなどがあり、対外呼称と呼ばれます。等級は、人事制度上の取り決めであり、対外的に使われることはほとんどなく、〇等級と〇の部分に数字を入れてレベルを表します。
役職と職位を区別しないで使うのは、中小企業に多い傾向です。対して、大企業は役職と職位を区別する傾向にあります。会社組織が大きくなれば大きくなるほど、責任のありかを示す役職と企業内でどんなレベルにあるのかを示す職位が大切になります。 また、役職と職位=資格・等級を区別して使う理由のひとつに、社員のモチベーションを維持するためもあります。役職の数には限りがあるので、役職に就けない人でも職位を与えることで役職者と同等の能力があると評価されていることが示せます。加えて、対外的な名称をつけることで、同じことを社外の人にもアピールできるのです。しかし、相手にとっては、役職との区別がつきにくいこともあり、どのくらいの責任や判断の権限があるのかわかりにくくなることもあります。
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記載されている内容は2017年05月22日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
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