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業務委託の際の源泉徴収の基礎知識とは|消費税・交通費・税率など

源泉徴収

フリーランスの人は要チェックです。業務委託の際の源泉徴収について、あなたはどのくらい知っていますか?基本的な計算方法や消費税、交通費の扱いなど、業務委託で仕事をする際に是非知っておきたい源泉徴収の基礎知識や注意点について解説します。

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業務委託の際の源泉徴収について理解しよう

みなさんは、源泉徴収についてどのくらい理解していますか?会社勤めをしたことがある人なら、一度は源泉徴収や年末調整、確定申告といった言葉を聞いたことがあるでしょう。しかしながら、言葉は知っていても、実際は何のことなのか理解できていない、という人も多いのではないでしょうか? これからフリーランス、業務委託で仕事をやっていこうとしている人や、副業でクラウドワーキングをしていこうとしている人は、正しく納税するためにも源泉徴収についてしっかりと理解しておく必要があります。そこで、源泉徴収の基礎知識や注意点について解説していきます。

源泉徴収の基礎知識

源泉徴収とは?の前に所得税のおさらい

源泉徴収とは何かを理解するために、まず「所得税」とは何かをおさらいしておきましょう。所得税は、国税の一種で、個人の収入に対して課税されます。所得税の考え方として、「収入を得た本人が、その年の1月1日〜12月31日までの所得を計算して、翌年の1月〜3月の間に必要な納税額を計算し、税務署で納税する」という「申告納税方式」を前提としています。 しかし、税金の計算は何かと煩雑で、法律もたびたび細かな改正が加わるため、全国民がその方式に従っていたら、計算ミスや納税漏れが多発してしまいますね。それに、1月〜3月の間しか所得税が納税されないというのも、国としては収入が安定せず、困ってしまいます。そこで登場するのが「源泉徴収」です。

では、源泉徴収とは何か?

源泉徴収とは、給与や報酬を支払う者(会社や雇用主)が、その支払いを行う際に、あらかじめ一定の税率で所得税を計算して差し引いて支払うことです。差し引いた所得税は、給与や報酬を支払う者が国に納付します。源泉徴収は、給与や報酬を得る側の義務ではなく、支払う側の義務というわけです。 会社員であれば、毎月の給与明細に天引きされた所得税が記載されていますよね。でも、源泉徴収は何も会社員に限った話ではなく、個人が会社などから業務委託を受けて報酬を受け取った場合も対象になります。

源泉徴収の対象となる支払い

といっても、業務委託の報酬がすべて源泉徴収の対象となるわけではありません。支払いとなる対象は法律で決められていますが、代表的なものは以下の通りです。

・原稿料や講演料など ・弁護士、税理士のような特定の資格を持つ人へ支払う報酬、料金 ・社会保険診療報酬支払基金が支払う診療報酬 ・プロ野球選手などのスポーツ選手、モデルや外交員などに支払う報酬、料金 ・芸能人や芸能プロダクションを営む個人へ支払う報酬、料金 ・プロ野球選手の契約金のような役務の提供を約束することにより支払う金銭 ・広告宣伝のための賞金など ・ホテル、旅館などで行われる宴会で、接待などを行うコンパニオンやバー、キャバレーなどに勤めるホステスへ支払う報酬、料金

国税庁のホームページにも記載がありますので、参考にしてください。

源泉徴収額の計算方法

源泉徴収が報酬を支払う側の義務だからといって、完全に相手にお任せにしていてはいけません。正しく源泉徴収してもらうためにも、基本的な計算方法を理解しておきましょう。

基本的な計算方法

源泉徴収税額は、以下の通り一定の税率で算出します。 <報酬が100万円以下の場合> 源泉徴収税額 = 支払金額 × 10.21% <報酬が100万円を超える場合> 源泉徴収税額 =(支払金額 – 100万円)× 20.42% + 102,100円

気をつけるべき点:業務委託の消費税の扱い

次に、業務委託で源泉徴収をしてもらう際の注意点をいくつか挙げます。まず一つ目は、消費税の扱いについてです。会社がフリーランスの人に業務委託する際にも、消費税は発生します。逆に言うと、業務委託を受ける側は、報酬に加えて消費税も請求する必要があるということです。 基本的に源泉徴収額は、消費税も含めた金額を対象に計算を行います。ただし、請求書に報酬の金額と消費税の金額が明確に分けられて記載されている場合は、消費税の金額を除いた報酬の金額のみを源泉徴収の対象とすることができます。請求書には、報酬と消費税を区別して記載するようにしましょう。 また、業務委託で仕事の契約をする際に、報酬が消費税込みの金額なのか消費税別の金額なのかを発注主にしっかりと確認し、メールや文書で証拠を残しておくと良いでしょう。

気をつけるべき点:復興特別所得税も含まれている

平成23年に東日本大震災からの復興のための施策を実施するために必要な財源の確保に関する特別措置法が公布されました。これによって、平成25年1月1日から平成 49年12月31日までの間は、給与や報酬を支払う者は、所得税を源泉徴収する際に復興税も併せて徴収し、国に納付しなければならなくなりました。復興税が徴収されるのは、会社員であっても業務委託であっても同じです。 先ほどご紹介した源泉徴収税額の計算式は、すでに復興税も含めた計算式となっています。(100万円以下の場合は0.21%の部分、100万円を超える場合は0.42%の部分がこれに当たります。)なので、業務委託を受ける側としては、所得税に何か追加で徴収されるわけではありませんが、復興税も含めて源泉徴収されているということを頭に入れておきましょう。

気をつけるべき点:業務委託の交通費の扱い

次に、交通費に関する注意点です。業務委託で仕事をする際、交通費はどのように扱えばいいのでしょうか? 自宅で作業をするような仕事であっても、打ち合わせや取材などで交通費が発生することがあります。この交通費は、当然、発注主に請求することができます。しかし、報酬が交通費込みなのか、交通費は別で請求してもいいのかは、事前にしっかりと発注主と合意しておきましょう。これも消費税と同様、メールや文書で合意内容を残しておくと、のちのトラブルを避けることができます。 業務委託の際は、交通費も含めた金額で源泉徴収額を計算します。 <報酬10万円、交通費2万円の場合> (10万円+2万円)× 10.21%=12,240円 <報酬が交通費込みで10万円固定の場合> 10万円× 10.21%=10,210円 では、交通費の消費税の扱いはどうなるのでしょうか?電車代やタクシー代などは、原則、消費税込の料金となっています。なので、報酬に交通費が含まれない場合(=交通費を報酬とは別で請求できる場合)は、請求書には交通費は分けて記載するようにし、消費税を二重にかけてしまわないようにしましょう。

確定申告を忘れずに行おう

さて、先ほど交通費も含めた金額で源泉徴収されると書きましたが、交通費は本来、必要経費なので、所得税の課税対象外です。このように、業務委託で仕事をしている人が源泉徴収で差し引かれている金額の中には、本来は課税対象外となる金額が含まれていることがあります。本来、払うべき金額よりも多く所得税を払っていることになります。 多く払った分を国から返してもらうためには、自分で確定申告をしなければなりません。そのためにも、普段から交通費などの経費は領収書を保存し、記録を残しておくようにしましょう。

業務委託で源泉徴収されなかった場合はどうなる?

基本的には発注主のミスとなる

業務委託で仕事をした際に、発注主が源泉徴収をし忘れたり、手続きが面倒だからと言って源泉徴収をしなかった場合はどうなるのでしょうか? 源泉徴収は、報酬を支払う側の義務であるため、この場合は発注主のミスとなります。発注主は、支払った報酬が源泉徴収の対象である場合、翌月10日までに金融機関、または管轄の税務署に納付しなければなりません。期限までに納付をしないと、延滞税などのペナルティーが発生してしまいます。業務委託を受ける側が損をするわけではありませんが、トラブルにならないためにも、源泉徴収が正しく行われているか注意するようにしましょう。

クラウドワーキングでの源泉徴収

最後に、クラウドワーキングについて簡単に触れておきます。源泉徴収が仕事を発注する側の義務だというのは、先ほど述べた通りですが、クラウドワーキングで業務委託を受ける際も源泉徴収はしてもらえるのでしょうか? クラウドワーキングとは、インターネット上のクラウドワーキングサイトなどを通じて個人や企業などから仕事を受注するスタイルの働き方です。フリーランス以外の人でも、副業やお小遣い稼ぎでクラウドワーキングをしている人も増えています。 現状、クラウドワーキングでは源泉徴収に対応していない発注主がほどんどのようです。というのも、源泉徴収は発注側にとっては、とても手間のかかることだからです。特に個人が発注主の場合は、そこまでの手間はかけたくないという場合が多いのでしょう。また、クラウドワーキングでは確定申告が必要なほど稼いでいる人も少ないので、「源泉徴収してください」と言われることもほとんどないのかもしれません。 クラウドワーキングで源泉徴収してもらいたい場合は、仕事を必ず事前に条件を相手と合意してから受注するようにしましょう。

業務委託の源泉徴収をしっかりと理解しましょう!

いかがでしたでしょうか。今回は業務委託の源泉徴収についてご紹介してきました。今回ご紹介したことをしっかりとおさらいし、業務委託の源泉徴収をしっかりと理解するようにしましょう。 今回の記事が読者の方のお役に少しでも立てれば幸いです。

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