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【ケース別】雑損控除とは|計算方法・添付書類・雑損控除の対象物

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みなさんは雑損控除という言葉をご存知でしょうか?意外と知られていない雑損控除ですが、私たちにとても大切な役割を果たしています。今回はそんな雑損控除について、雑損控除の基礎から計算方法、活用まで様々な観点からご紹介していきます。

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雑損控除とは?

所得税法で規定されている所得控除の一つです。その内容は資産に災害(火災、震災、人的災害、害虫などの異常な災害)や盗難、横領などがあった場合において損失が生じた場合、一定の方法において計算をした損失の金額を所得から控除するというものです。 例えば、家が家事で燃えて損失が出たので、その損失の分はその年分の所得から控除し、税金を緩和しようというものです。被害を受けた人からはなるべく税金を取らないでおこうということなのです。なお、詐欺や恐喝は雑損控除の対象とはなりませんので、留意しておきましょう。

雑損控除の資産の所有者の範囲

雑損控除で被害を受けた資産というのは、自分が保有している資産だけに限られるのでしょうか、資産の所有者の損害の範囲は、自分と生計を一にしている親族までが範囲となっています。生計を一にしている親族というのは、簡単に言えば、自分が養っている親族となります。 自分や妻や子供、両親とも同居して養っているのであれば、その家族の保有している資産などが損害を受けた場合も雑損控除の適用の対象となります。妻は所得がまったくないので、雑損控除を受けることができないということはなく、そういった場合は所得のある夫が妻の代わりに雑損控除を受けることができます。

雑損控除の対象とならない資産

雑損控除は自分や生計を一にしている親族が保有している資産であれば、全て対象の範囲でしょうか、雑損控除でも対象になる資産とならない資産があります。ならない資産としては、事業を営む上で使用している棚卸資産や固定資産、山林または生活に通常必要ない資産となります。 事業で使用しているものであれば、事業所得などの金額の計算上経費にすることができるので、ここで控除をしては、二重控除となってしまうので、対象外となっています。通常生活に必要でない資産というのは、別荘や貴金属や骨とう品、書画などで、1個30万円超のものなどです。 こういった資産を保有している人間であれば、それなりに裕福な暮らしと言えますので、これらの資産が損害を受けても雑損控除の対象とはならないことを留意しておきましょう。

雑損控除の損失の金額はどのように算出するか

雑損控除の損失の金額は損失発生直後の時価の価額を基礎とします。災害前の時価が1300万円、火災により一部損失を受けたので時価が900万円になった場合は400万円が損失の金額となります。さらに災害関連支出がある場合は、その金額を加算することとなります。 災害関連支出とは、災害に関してやむをえない支出となり、例えば、災害を受けて原状回復費用として100万円支出したのであれば、その100万円は損失の金額に加算されることとなります。 また、これらに関して保険金を受け取った場合は、その受け取った保険金の金額は損失の金額から控除をしないといけません。上記の場合、損失が400万円、災害関連支出が100万円、保険金として50万円を受け取った場合には、400万円+100万円-50万円の合計450万円が損失の金額となります。保険金を受け取ったのに、その金額を控除しないことは脱税になりかねませんので、注意が必要です。 また、上記にあるような時価の合理的な算出方法をどうすればいいかということもあるかもしれません。そういった場合、国税庁のホームページに雑損控除における「損失額の合理的な計算方法というものが記載されていますので、そちらを参考にするということもできます。

雑損控除の計算方法

雑損控除の計算方法は上記の損失の金額から足切り限度額を控除した残額とします。足切り限度額とは原則として、その者の課税標準の額の10パーセントとなりますが、災害関連支出がある場合は、損失の金額から災害関連支出のうち5万円を超える部分の金額を控除した金額と課税標準の額の10パーセントを比較し、低い方が足切限度額となります。 具体的な計算をしますと、課税標準が1000万円であれば、10パーセントの100万円が足切り限度額の原則額となり、前述の例の通り、損失が450万円、災害関連支出が100万円ある場合は、450万円-(100万円-5万円)=355万円を比較し、課税標準額の10パーセントである100万円の方が低い金額となるので、この金額が足切り限度額となります。 よって、損失の金額450万円から足切り限度額100万円を控除した350万円が雑損控除の金額となります。

雑損控除の添付書類

雑損控除を受けるためには、確定申告をする必要があり、さらにその確定申告書に一定の書類を添付しないといけません。それは雑損控除の計算の基となるべき金額の書類(上記の時価の算出や足切り限度額等)災害であれば災害を証明する書類などを添付しなくてはいけません。 雑損控除は税金を緩和するものですので、当然、これらの証拠書類というのが必要となります。証拠書類も無いのに税金が控除されては、皆、その適用を受けることができてしまいますので、税務署からしても証拠書類を求めることとなります。

雑損控除に必要な書類

上記確定申告書に添付すべき書類というのを詳しく説明をすると、災害関連支出に関しては、その支出を証明する領収書、火災であれば、消防署に証明を出してもらい、盗難であれば、警察が発行する被害額届出用の証明書などが必要となります。大切なことは被害を受けて雑損控除を受けるのであれば、必ずこれらに関する書類を保管しておくことです。

盗難や墓石、シロアリ対策などは雑損控除の対象なのか?

雑損控除は上記の例でも対応可能なケースとそうでないケースがあります。盗難は生活に通常必要な資産であれば可能ですし、墓石は購入だけでは当然雑損ではなく、損害を受けても通常の生活の用に供さないものと判断をされてしまっては受けることはできません。シロアリ対策は対策だけでは雑損控除を受けることはできず、実際にシロアリに被害を受ければ、雑損控除を受けることができます。

雑損控除で税金は還付されるか

雑損控除というのは所得控除となり、直接税額を控除するものではありませんので、その雑損控除の金額がそのまま税金が還付されるかというとそうではありません。あくまで税金の計算の基礎となる課税標準額を少なくするための措置となります。ですので、雑損控除でどれだけ損をしても税金を0円にすることはできますが、マイナスにして還付を受けるということはできません。

雑損控除額が多すぎて、控除しきれない場合

雑損控除額が多すぎて、課税標準から控除しきれない場合、前述のとおり、課税標準を0円にすることはできますが、マイナスにすることはできません。例えば、課税標準が1000万円、雑損控除が1500万円だとします。控除しきれない500万円は控除できないので、損をした気分になります。 しかしながら、こういった場合、この控除しきれない500万円は申告を要件に翌年以後3年にわたって繰り越すことができ、来年の課税標準から控除をすることができます。損害というのは、数年にわたって影響を及ぼすものですので、こういった措置が取られているということになります。

災害の多い日本だからこそしっかりと雑損控除を理解しましょう!

日本は地震大国です。また台風も必ず毎年やってきます。こういった災害の多い日本にとって雑損控除というのは非常に大切なものとなります。東日本大震災や熊本地震などで家屋の被害にあわれた方はたくさんいます。 そういった人たちからも税金を取るというのは国民の感情からするとそれはちょっとひどい話だということになってしまいます。ですので、こういった雑損控除という制度を設けて、税金を還付はしないけど、0にすることができるという制度があるのです。 そして、雑損控除というのは、証拠書類を揃えて確定申告をしない限りは適用されない制度です。つまり、多額の被害を受けたにもかかわらず、こういった制度をしらないばかりに確定申告をしていないという人も中にはいます。ですので、こういいた制度があることを知ることが非常に大切なこととなります。

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