IT人材のためのキャリアライフスタイルマガジン

取引先への転職方法・トラブルへの注意点|取引先へは転職禁止?

転職事情

このぺージでは、「取引先への転職」をテーマにして、取引先へ転職する場合の注意点や、取引先への転職で違反と見做されるケースなどについてまとめています。また、取引先の社員や社長から転職の話を持ち掛けられた時の対処法についても考察しています。

更新日時:

取引先へは転職可能?取引先へ転職する際の注意点

キャリアアップや生活レベルを向上させる為に、転職をすることは、そう珍しいことではありません。また、職場や労働環境、待遇や人間関係に不満を感じ、それらを改善する為に転職をする方も、少なくないと考えられます。転職は、社会人に与えられた、職業や職場を選択する為の権利の1つなのです。 しかし、転職をする為には、現職をいずれ退職しなければならない為、気まずい思いをすることもあります。特に、転職先の企業が、同業者であったり現職にとっての競合企業や取引先であった場合、現職の職場にも転職先の職場にも、配慮する必要が出てきます。そこで今回は、「取引先への転職」をテーマにして、取引先へ転職する場合の注意点や、取引先からスカウトを受けた場合の対処法などをご紹介していきます。

取引先への転職は、自分だけの問題ではない

まず始めに、取引先への転職を検討する際に覚えておきたいのが、「取引先への転職は、自分だけの問題ではない」という点です。他の業界の企業など、現職の企業と関係ない企業へと転職する場合は、もし現職の企業と気まずい関係になってしまっても、自分が嫌な思いをするだけで済む可能性があります。 しかし、転職先が現職の取引先の企業であった場合、現職の企業と転職のことで揉めると、転職先である取引先の企業と企業単位での問題やトラブルに発展してしまう可能性があります。現職としては、自社よりも取引先の企業を選んで社員が転職してしまうというのは、かなりの大打撃になると考えられます。必死に引き止める場合もあるでしょう。それでも、取引先に転職をするとなると、現職の取引先へのイメージは、大幅にダウンしてしまう危険性があります。 上記のような状態で転職した結果、現職の企業と取引先の企業の関係が悪化し、取引が終了してしまう可能性も、ゼロではありません。自分の転職が原因で、現職と転職先の企業の取引先を1社減らしてしまうとなれば、転職後も居心地が悪くなる可能性があります。このように、取引先への転職は、自分だけの問題ではないということを、認識しておくことが大切です。

取引先へ転職する際の注意点

上記で、取引先へ転職する際に、最低限覚えておきたい事柄をご紹介しましたが、取引先へ転職する際には、その他にも注意しておきたい点やポイントがたくさんあります。そこで、続いては取引先へ転職する際の注意点をご紹介していきます。念には念を重ねて、慎重な言動を取るようにしましょう。

取引先へ転職する際の注意点【1】:トラブルに発展しやすい

上記でもご紹介したように、取引先の企業や同業社が転職先である場合、現職を退職する際にトラブルに発展しやすいので、注意が必要です。現職としては、今まで教育や研修をしてきたノウハウ・技術などが、他社に流出してしまう可能性がありますし、自社の人材が今後は自社の顧客やシェアを奪う存在となるのは、ダメージや障害となる可能性も考えられます。その為、できるだけ転職をさせないよう、引き止めたり説得したりするケースもあります。 引き止めや説得を断ると、退職まで気まずい思いをしたり、トラブルに発展したりする危険性もあります。その為、現職の上司などに退職を切り出す際は、伝え方や言葉を慎重に選ぶ必要があります。

取引先へ転職する際の注意点【2】:気まずい

一般的に、転職の為に退職する際、1~2カ月くらい前に現職に退職する旨を伝えるケースが多いと考えられます。現職の職場にも、引き継ぎや新たな人材を探す為の準備期間が必要となるので、退職を希望する日よりもある程度余裕を持って伝えるのが、社会人としてのマナーであるとも言われています。 つまり、退職することを現職の上司などに伝えてからも、退職日になるまでは、現職の職場で働き続けなければなりません。場合によっては、上司や同僚などから、距離を置かれたりといった気まずい思いをすることになる危険性もあります。 特に、転職先が取引先であることを告げていると、周囲から警戒される可能性もあります。また、周囲がそのように接していなくても、自分の中の罪悪感から、裏切者のように扱われていると感じたり、よそ者として扱われていると思ったりといった、疎外感を感じてしまうこともあるでしょう。このように、退職するまで、気まずい思いをしたり、人間関係で悩んだりしながら働き続けなくてはならない状況に陥る危険性も、ゼロではないでしょう。

取引先へ転職する際の注意点【3】:労働条件が話と違う場合がある

取引先の親しい人や重要なポジションに就いている人から、半ば引き抜きやスカウトに近い形で転職の話を持ちだされると、つい舞い上がってしまう方も多いことでしょう。また、「この人が言うなら、大丈夫だろう」と、相手側の美味しい話を鵜呑みにしてしまったり、転職の際の労働条件や給与などについて確認しなかったりする方も、少なくないと考えられます。 しかし、上記のように舞い上がって重要なことを確認し忘れてしまうと、後から「こんなはずじゃなかった」と後悔したり、「話に聞いていたのと違う」と慌てたりすることになる場合もあります。基本的に、転職の話を持ち掛けてくる立場の人は、美味しい内容の話をします。そこにばかり注目してしまうと、実は裏があったり、条件などが省略されていたりといったことも、起こり得るのです。ですから、取引先などから良い条件で転職やスカウトの話を持ち掛けられた場合は、まずは警戒して行動することが大切です。

取引先への転職は違法?訴えられる可能性

ここまで、得意先へ転職する際に起こり得るトラブルや注意点をご紹介しましたが、特に気になるのが、「取引先への転職は違法なのかどうか?」という点です。職業選択の自由は、社会人に与えられた権利ですが、だからと言って全てが自由なわけではありません。時には、転職を巡って訴えられたり裁判へと発展したりする可能性も考えられます。そこで続いては、取引先への転職が違法なのかどうか、訴えられる可能性があるのかどうか、考えていきます。

取引先での転職で違法とされるケース

結論から言うと、自分の言動次第では、取引先へと転職をして、違法と見做されてしまうことがあります。取引先への転職で違法と見做されるケースの1つとして、現職・前職で得た機密やノウハウ、個人情報などを、取引先への転職や転職後の業務で利用した場合が挙げられます。各企業が所有している個人情報や、独自の技術などは、転職時や転職後の業務などで利用すると、「不正競争防止法(※1)」に違反する危険性があるのです。

取引先への転職で違反になった場合

では、取引先への転職で、違反と見做されてしまった場合、どのようなことになってしまうのかも、知っておきたい所です。続いては、もし取引先への転職で、上記でご紹介したような「不正競争防止法」などに違反することになってしまった場合、どうなるのかについて見ていきましょう。 もし、転職した人が、前職の職場で得た独自の技術や情報などを利用して、転職先の企業の業績を上げると、それが不正な利益と見做される可能性があります。そうなると、転職先の企業は、「不正な利益を得ている状態」になります。この事実に対して、以前の勤務先の企業が声をあげれば、損害賠償請求などをされる場合があります。

訴えられた場合の罰

転職先の企業で、前職で得た独自のノウハウや情報を不正に利用した為に、以前の勤務先から訴えられた場合、具体的にはどのような罰が待っているのかについても、考えていきます。 上記でご紹介した「不正競争防止法」に違反した場合、個人には刑事罰が科されます。状況などにより、刑事罰の内容は異なる為、一概にどのような罰であるかは明言することはできませんが、基本的には「10年以下の懲役または1000万円以下の罰金または双方(※1)」と言われています。 また、刑事罰が科される可能性があるのは、個人だけではありません。不正を犯した人材を雇用している企業側にも責任が求められ、「3億円以下の罰金(※1)」になる場合もあると言われています。このように、前の職場で得た独自の技術やノウハウを利用して転職をしたり、転職後にそれらを利用して業務を行ったりすると、重い罰が科せられる危険性があります。自分だけではなく、転職先の企業にも、大きなダメージを与えてしまう可能性もあるので、転職後の言動も含めて、取引先に転職する際は、慎重に行動するようにしましょう。

取引先から転職を持ち掛けられた場合の対処法

上記でもご紹介したように、取引先への転職には、さまざまなリスクがあります。ですから、本当に目的やメリットがあって転職をする場合以外は、軽はずみに転職を決めてしまわないことをおすすめします。 時には、自分自身には転職の意志がないのに、取引先の社員や社長などから、転職の話を持ち掛けられたり、スカウトされたりすることもあります。そのような場合は、どう対処すれば良いのかも、気になる所です。そこで続いては、取引先から転職の話を持ち掛けられた場合の対処法についてご紹介していきます。

取引先から転職を持ち掛けられた場合【1】:転職する気がないなら断る

取引先から転職の話を持ち掛けられても、転職する気がないのであれば、きちんと断ることをおすすめします。とはいえ、取引先ともなると、なかなか断りづらいもの。断る際は、言い方や言葉を慎重に選ぶ必要があります。 曖昧な態度を取ってしまうと、相手も「脈ありかもしれない」と期待して、転職の話を更にしてくる可能性があります。相手を期待させてから断ると、相手としても「その気がなかったのなら、きっぱり断ってくれれば良いのに」と、かえって不快に感じてしまう危険性も考えられます。

取引先から転職を持ち掛けられた場合【2】:上司に相談・報告する

上司に相談や報告をするのも、1つの方法です。その際、自分に現職を退職する意思や取引先へ転職する意思が一切ないことは、しっかり伝えましょう。その上で、断り方や返答の方法についてアドバイスを貰うことで、取引先との良好な関係を維持しつつ、転職の話を断る方法や伝え方が見つかる可能性もあります。 また、万が一自分の判断で断り、相手を怒らせてしまった場合、会社同士の取引にも支障ができる危険性も、ゼロではありません。そのような際に、自分1人で責任を負える自信がない場合は、転職に関する話があったことは、事前に上司に伝えておいた方が、安心です。

取引先への転職は慎重に

いかがでしたでしょうか?今回は、「取引先への転職」をテーマにして、取引先へ転職する際の注意点や起こり得るトラブル、取引先へ転職した際に違法となる行為や取引先からのスカウトの断り方などをご紹介しました。 取引先から転職の話を持ち掛けられたり、取引先への転職が決定したりした場合、とにかく慎重に行動をする必要があります。自分の軽はずみな言動が原因で、前職と転職先の企業の関係が悪化したり、裁判や損害賠償へ発展したりする危険性も、ゼロではない為です。 ですから、取引先から転職の話を受けたら、舞い上がらずに冷静に対応しましょう。また、取引先への転職が決定している場合も、どのような行為が違法となるのかよく確認し、クリアな転職ができるよう、心掛けることが大切です。

※1:不正競争防止法・10年以下の懲役または1000万円以下の罰金または双方・3億円以下の罰金

関連タグ

アクセスランキング