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ステレオタイプとは?日常生活から見る具体例4つ|偏見・差別との違い

更新日:2024年01月14日

コミュニケーション

ステレオタイプとは多くの人に浸透している固定観念や先入観、思い込み、認識などの類型化された観念のことを指します。ここでは、日常的に見られるステレオタイプの具体例や偏見・差別との違いを紹介します。また、マイナスイメージのステレオタイプにおけるメリットも紹介します

ステレオタイプはある種型にはまった考え方というもので偏見と同義語とも言えそうですが、実は明確な違いがあります。 偏見という言葉はネガティブな表現であり、その考え方自体が偏っていたりマイナスイメージのみを指すことが一般的です。ステレオタイプの価値観にも差別的であったりマイナスイメージのものがありますが必ずしもすべてではありません。つまり、偏見とは一線を画していると言えます。

②差別とステレオタイプの違い

差別とステレオタイプにも違いはあります。差別という言葉は、偏見よりもさらにマイナスイメージが強く行動にも変化が起こっています。ステレオタイプは型にはまった見方というものですが、肯定的・否定的の両面を持っています。ステレオタイプの特徴としては多くの人が共有している考え方ということです。

ステレオタイプのメリット・デメリット

メリット

心理学上でステレオタイプや偏見といった一種の無意識の固定観念は脳に対して認知資源(情報を処理するための容量)の節約になると捉えられています。たくさんの情報に溢れると認知資源がいっぱいとなり脳が疲れてしまったり瞬時の判断ができなくなります。つまり、すべてのものを個別と捉え一つ一つ情報を吟味していては情報過多に陥ってしまうのです。

例えば

高齢者や子どもが道路を横断しているとき、素早い動きができないだろうとか急に飛び出すかもしれないといったステレオタイプが働くことで無駄のない判断ができます。これを、高齢者は体力が落ちて素早い動きはできないかもしれないが、背格好をみると問題なく動くことができそうだなといったようにすべての情報を吟味すると情報処理に労力と時間がかかってしまいます。したがってステレオタイプが生み出すメリットは脳の情報過多を防ぐということが挙げられます。

デメリット

差別や偏見を生む

ステレオタイプは、マイナスイメージのステレオタイプを抱いているカテゴリーのことに対してはマイナスな感情や行動が生まれやすくなります。 したがってマイナスなステレオタイプは差別や偏見といったものへとつながることがあります。また同様に、コミュニケーションなど社会的な場面においてもマイナスのステレオタイプが働き、偏見を持つことで円滑なコミュニケーションの妨げになる可能性もあります。

大衆という力

ステレオタイプは多くの人に広く浸透した固定観念です。よって先に挙げた脅威の差別感情や偏見が多くの大衆の力を得ることになります。 先の第二次世界大戦ではその差別感情をプロパガンダとして差別的行動につながっていきました。道徳的に許されないことであってもそれが正しいという価値観がステレオタイプとなり大衆の支持を得ることは大きな力を持ちます。

方向性と程よい使用が大切

ステレオタイプはその方向性がマイナスかプラスで大きく変わります。マイナスにもプラスにも大きな力を発揮するステレオタイプ。良い方へと働く力を意識していくことが大切です。 また同様に、判断基準の一助としてもよいですが、偏見へとつながらないように程よい距離感を保てるよう意識していく必要があります。

偏見の意味を詳しく知りたいなら

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初回公開日:2017年05月01日

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