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神奈川県の最低賃金とその推移・深夜の最低賃金と割増額

年収・給与

最低賃金とは、「最低賃金法」に基づき国が都道府県ごとに定めた賃金の最低額であり、神奈川県の現在の地域別最低賃金は930円です。使用者は、その最低賃金額以上の賃金を労働者に支払わなければならなりません。神奈川県の特定最低賃金は現在は適用されていません。

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最低賃金とは

最低賃金とは

最低賃金とは、「最低賃金法」に基づき国が定めた賃金の最低額であり、使用者は、その最低賃金額以上の賃金を労働者に支払わなければならなりません。最低賃金は、都道府県ごとにほぼ毎年改定されており、最低賃金に満たない賃金を定めた労働契約は無効です。最低賃金はアルバイト、パートや正社員などにかかわらず、すべての労働者に対して適用されます。最新の都道府県ごとの最低賃金の一覧表を示しておきます。

地域別最低賃金と特定最低賃金

地域別最低賃金と特定最低賃金

最低賃金には、「地域別最低賃金」と「特定最低賃金」の2種類があり前者は都道府県ごとの最低賃金で、後者は都道府県ごとの「地域別最低賃金」よりも金額水準の高い最低賃金を定めることが必要と認めた場合に都道府県ごとに決定されます(ただし、18歳未満又は65歳以上の方、雇入れ後一定期間未満で技能習得中の方、その他当該産業に特有の軽易な業務に従事する方などには適用されません。)。 神奈川県内で働く常用・臨時・アルバイト等全ての労働者に適用され、使用者はこの金額以上を支払わなければなりません。なお、これら最低賃金は派遣労働者の場合は実際の労働が行われる地域の最低賃金を上回らなければなりません。

最低賃金は基本給のみ

最低賃金は基本給のみ

最低賃金には、次のものは含まれません。別に受け取ることができます。 (1) 所定労働時間を超える時間の労働に対して支払われる賃金(時間外割増賃金など) (2) 所定労働日以外の日の労働に対して支払われる賃金(休日割増賃金など) (3) 午後10時から午前5時までの労働に対して支払われる賃金のうち、通常の労働時間の賃金の計算額を超える部分(深夜割増賃金など) 他に、臨時に支払われる賃金(結婚手当など)、1か月を超える期間ごとに支払われる賃金(賞与など、精皆勤手当、通勤手当及び家族手当も別に受け取ることができます。

情報元:神奈川労働局

神奈川県の最低賃金

神奈川県の地域別最低賃金

神奈川県の最新の地域別最低賃金は平成28年10月に定められた「時間額930円」であり、その前年の905円から25円引き上げられました。

神奈川県の特定最低賃金

神奈川県には、 ・電子部品・デバイス・電子回路、電気機械器具、情報通信機械器具製造業 ・鉄鋼業 ・非鉄金属製品製造業 ・ボイラ・原動機、ポンプ・圧縮機器、一般産業用機械・装置、建設機械・鉱山機械金属加工機械製造業 ・輸送用機械器具製造業 ・自動車小売業最低賃金 の6種の「特定最低賃金」がありますが、これらは平成28年度には改定されずその場合には神奈川県の特定最低賃金ではなく地域別最低賃金が適用されることになっており、「時間額930円」が適用されます。

最低賃金を上回っているかどうかの確認方法

次の計算式を用いて比較します。 『月給額×12か月÷年間総所定労働時間≧最低賃金額』 神奈川県最低賃金が適用される労働者Aさんの場合、 平成28年10月1日以降、神奈川県最低賃金は、時間額930円です。たとえば、年間所定労働日数255日、所定労働時間毎日8時間で月給18万円のAさんの月給が最低賃金をクリアしているかどうかを確認します。月給18万円の内訳は次の通りです。 基本給:  145,000円 精皆勤手当: 10,000円 家族手当:  10,000円 通勤手当:  15,000円 まず、月給18万円から最低賃金の対象とならない精皆勤手当、家族手当、通勤手当を除くと月給額は145,000円です。これに対応する労働時間数は、『年間所定労働日数255日×8時間=2,040時間』です。したがって、月給額145,000円×12か月÷2,040時間≒852.9円=930円となり、この場合は最低賃金を満たしていないことになります。

神奈川県の地域別最低賃金の推移

神奈川県の地域別最低賃金の推移

神奈川県の最低賃金の推移を直近の平成年間に限って表示し、下にグラフを表示します。 平成元年 520円 平成2年 545円 平成3年 572円 平成4年 600円 平成5年 619円 平成6年 634円 平成7年 648円 平成8年 662円 平成9年 677円 平成10年 690円 平成11年 696円 平成12年 701円 平成13年 706円 平成14年 706円 平成15年 707円 平成16年 708円 平成17年 712円 平成18年 717円 平成19年 736円 平成20年 766円 平成21年 789円 平成22年 818円 平成23年 836円 平成24年 849円 平成25年 868円 平成26年 887円 平成27年 905円 平成28年 930円

情報元:神奈川労働局

こんな場合は?

神奈川県の最低賃金と深夜割増

原則として午後10時~午前5時の時間労働した場合の最低賃金は、最低賃金に法定の割増率(2割5分以上)をかけたものです。神奈川県の場合の最低賃金は930円であり、その深夜労働の最低賃金は930円×1.25=1162.5円です。

神奈川県の日給の場合の最低賃金

日給の場合は、「日給÷1日の所定労働時間」が最低賃金より大きいことが必要です。労働時間が8時間の場合の日給は930円×8時間=7440円以上であることが必要です。

高校生の場合の最低賃金

「特定最低賃金」は18歳未満には適用されませんが、「地域別最低賃金」は年齢に無関係に適用されるので、高校生で18歳未満であっても、アルバイトの報酬は「地域別最低賃金」である930円以上である必要であります。

神奈川県の最低賃金の引上げのための助成金について

最低賃金を引上げるため、中小企業・小規模事業者に対して「業務改善助成金」および「キャリアアップ助成金」が用意されています。 (1)業務改善助成金(神奈川県には初の適用) 機械設備やPOSシステム等の導入などの生産性向上のための設備投資を行い、最低賃金を法定の最低賃金より60円以上引上げた場合、その費用の50%から75%(上限100万円)が助成されます。また、最低賃金が900円~1000円の場合でその金額から90円以上引上げた場合には、70%から80%(上限150万円)が助成されます。 (2)キャリアアップ助成金の拡充 有期契約労働者などの非正規労働者の企業内でのキャリアアップなどを促進するため、中小企業が基本給の賃金規定等を3%以上増額した場合には、その増額分の一部が助成されます。

情報元:神奈川労働局

最低賃金の引き上げ傾向

阿部政権の最低賃金引き上げ方針

2016年度の最低賃金の引き上げ幅は全国加重平均で25円(前年度比+3.1%相当)と決定され、最低賃金の全国平均は823円で、初めて 800 円台に乗りました。安倍首相は、最低賃金を将来的に「1,000円まで引き上げる」という方針を示しており、低所得者層の賃金底上げが所得格差の縮小につながることが期待されています。今後も年率3%の伸びが継続すると仮定した場合、最低賃金の水準は2023年度に1,000円の大台を超える見通しです。 伝統的な経済学によると、完全に競争的な労働市場では政府が最低賃金を引き上げると、中小企業を中心に労働者数を圧迫して雇用が減ると想定されています。しかし、アベノミクスの下では最低賃金が大幅に引き上げられる一方、雇用の改善が続いています。この件については大和総研の「雇用の悪化なき最低賃金引き上げは持続可能であるか?」というレポートが公表されています。その中から最低賃金の上昇とその弊害に焦点を絞ってまとめてみました。

雇用減少の可能性

雇用の悪化が起きなかった原因としては、次の点が考えられます。 ①最低賃金引き上げによる所得の底上げ効果が景気に対してプラスに作用した ②最低賃金が適正水準よりも低く抑えられていたので「完全競争的な労働市場」が成立しなかった ③企業収益・生産性見合いの引き上げ幅であれば雇用への影響は限定的なものに留まる 最後の論点については次の分析があります。

地域の経済実態への配慮

地域の経済実態への配慮

最低賃金を考える場合、「影響率」というものを考えることがあります。これは「最低賃金を改正した後に、改正後の最低賃金を下回る労働者の割合」を意味します。この率が大きいということは、人件費増の圧力が高まっていることです。都道府県を「経済の強さ」に応じた 4 つのランクに分類して影響率を見たのが下左のグラフであり、影響率の上昇幅は、経済の強い A ランクに比べて他のランクで小さいことがわかります。 また、最低賃金の水準は「労働生産性(労働者一人が生み出す付加価値)との対比」で評価することも重要です。もし、労働生産性に比べて最低賃金の水準が著しく高ければ、人件費が企業収益を圧迫することになり、その結果、企業はリストラなどの人員調整を行う可能性があります。下右のグラフは、横軸に労働生産性の指標を示す就業者一人当たり県内総生産、縦軸に最低賃金をとった散布図であり、「都道府県別の労働生産性と最低賃金の関係」を示しています。これを見ると、両者に明確な右上がりの相関が確認できます。つまり、各都道府県の最低賃金の水準は、おおむね労働生産性に見合っていると言えます。さらに、経済の強い A ランク(東京、神奈川、千葉、愛知、大阪)は、いずれも傾向線より上側に位置していて、最低賃金引き上げ幅が相対的に大きいこともわかります。

中小企業の収益力・生産性を高める政策

最低賃金の引き上げは労働者の所得の増加を通じて個人消費を活性化させる側面がある一方で、企業の人件費を上昇させるので特に地方および中小企業の経営に対して深刻な問題となり、中小企業が人件費を抑制するためにリストラなどの人員調整を加速させる可能性があります。2016年の安倍政権の成長戦略では、「中小企業・小規模事業者の生産性向上等のための支援や、取引条件の改善等」を図ることが明記されており、その1つが前項で述べた「業務改善助成金」および「キャリアアップ助成金」の拡充です。

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