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更新日:2024年11月12日
看護計画とは、看護を進めるうえでの規準や道筋となるものです。基本でありながら、常時修正する柔軟生が必要です。必要性は分かっていても、いざたてるとなると難しいものです。看護計画のポイントや実例を挙げていきます。ぜひ参考にしてくださいね。
看護計画の実例をあげます。 ・40歳 A氏、男性 ・会社員 ・家族は妻と子ども2人(小学生) ・喫煙歴20年で1日20本のヘビースモーカー ・身長179㎝に対し体重90㎏ ・仕事も多忙で深夜の帰宅も多い。食事も脂質過多で深夜に摂ることも少なくない。 ・仕事中に急に胸の痛みを訴え、救急搬送される。診断は「急性心筋梗塞(左回旋枝)」。緊急で心臓カテーテルによるインターベーション治療を行い、バルーンカテーテルによる拡張術とステント留置施行。 術後不整脈等のトラブル無し。 急性期治療をおえて、そろそろ退院を考える術後4日目の看護計画です。ここまでは、急性期治療に対する目標で、それについては一応達成したとします。今後の生活に向けての援助の看護計画を立案する時期に来ました。
誰が見ても分かりやすい目標の書き方として「5W1H」という書き方があります。 ・when(いつ) ・where(どこで ・who(誰が) ・what(何を) ・why(なぜ) ・how(どのように) を意識します。 例) ・いつ=「退院までに」 ・どこで=(計画の実施は入院中ですが)「自宅や会社での生活において」 ・誰が=「A氏が」また、妻の協力なども入れてよいでしょう。 ・何を=「禁煙・ダイエットを」A氏の場合、病気の再発予防のためには内服などの継続や必要性の自覚なども必要ですが、何より生活習慣病であったことを自覚し生活習慣を是正する必要があります。それについて、目標立案していきます。 ・なぜ=「心筋梗塞再発防止やそのほかの喫煙や肥満による病気を起こさないために」なぜ、40歳の若さで心筋梗塞に至ったのか、それをA氏自身に自覚してもらう必要があります。子どももまだ幼く、社会的な役割も大きいと思われるので、そのあたりからアプローチできるようにしましょう。 ・どのように=「禁煙の必要性の自覚・仕事と食生活の見直しや運動などの必要性の自覚」実際に、たばこは吸わないことと共に吸いたくなったらどうするか、バランスの崩れている日常生活の問題点を見出し、今後どのようにしていくかをこの段階では患者と共に考えて目標をたてます。 そこで、長期目標を「心筋梗塞の再発を予防する日常生活が分かる」などと設定してみます。
長期目標ができたら、付随する短期目標をたてます。A氏の場合は、喫煙や肥満・仕事の忙しさなどが問題点としてあがってきます。具体的な看護計画にするためには、あまり一文にたくさんの事由を盛り込まない方が良いので、具体化していきましょう。 そして、それぞれに対してOP(観察項目)とTP(ケア計画)とEP(教育)と細分化してケア内容を挙げます。ひとまず一つ目の短期目標として「禁煙」とします。 ①OP ・1日の喫煙本数 ・喫煙歴 ・たばこに対する言動 ・禁煙に対する気持ち ②TP ・禁煙に関するパッチ剤などの紹介 ・吸いたくなったときの具体的な行動の紹介 ③EP ・禁煙の必要性 ・禁煙外来への誘導 などと日々の看護活動の中で行っていく事を立案していきましょう。ここでは考え方の例を挙げました。施設によって、書式もあると思いますのでそれに合わせて書き方は統一してください。
看護計画の実施については各施設によって書式があると思いますが、代表的なのは「SOAP」かと思います。日々の記録の中で、看護計画の実施内容とその評価を行っていく方法です。 S(subject)=主観的データ。患者が言ったことや家族の話など。 O(object)=客観的データ。検査所見やバイタルサインなど。 A(assessment)=主観的データと客観的データをみて、現状をどうとらえるか。 P(plan)=計画や方針。アセスメントをした結果、どうしていくか。 これらのことを、看護目標に対して記録することで日々実施内容とその評価を行うことができます。
実施と評価はまず看護目標に合わせて記載することが必要です。新たに記載すべき内容が出てきたときは、別の看護目標をたて看護計画を立案します。ただ、だらだらと経時的に記録するのは読みづらいですし評価もしづらいものです。 また、出来る限り客観的に評価しましょう。「○○をした結果、良さそうだった」などという、書き手の主観が主体となった客観性に欠ける書き方は、記録としては評価できません。 「○○した結果、痛みが無くなった」 「○○した結果、患者より△△という言葉が聞かれた」 などと、事実を具体的に書きます。それを持って、目標に近づいた、また目標や計画の修正が必要などと評価していくのです。
目標や計画の実施や評価の際に、大切なことは患者や家族へ常に確認する作業を忘れないことです。結果として医療者側から見て良い結果が得られた、と思っても、患者や家族がそう思っていなければやはり目標や看護計画に修正が必要な状態なのです。 日々計画を実践する中で、患者が自分のためになっていると受け取れているか、患者や家族が望む結果と一致しているかなどをコミュニケーションのなかでとらえていきましょう。
看護計画をどのようにアセスメントしていくかが大切です。 前述した心筋梗塞のA氏を例とします。
看護計画に沿って、OPとTPとEPを施行したとします。この患者は、コミュニケーション能力に問題は無いので患者の言動に注目する必要があります。最終的には退院後に禁煙が継続されていることが目標なのですが、入院中はその時点で評価するしかありません。看護計画の実施に対する評価方法として、この目標の場合 ・患者の言動 ・具体的な行動の変化 などが評価しやすいでしょう。 例えば患者より「退院後も禁煙外来に通いたい」という言動があった、または実際にたばこは吸っていない、などが第三者が見ても分かりやすい評価となります。(「たばこは吸わないようにするよ」などと、具体的な行動内容が見えないような言動は評価として曖昧にとられることがあります。 禁煙外来に通う、禁煙パッチを使用する、などの分かりやすい言動があれば、それを評価として挙げることが良いでしょう)
禁煙指導などについて、患者は分かっていそうだけど具体的な言動として現れない時、中にはあまり話すのが得意でない人もいますし、どう評価を書いて良いか分からないことがあると思います。そういう時でも、記録には事実を記入するとこが大切ですが、アセスメントしづらいときは患者以外から情報を得ることも必要でしょう。 患者に最も近い家族や友人などから、実施した計画について患者の言動を聞くのも良いですし、看護計画の妥当性について直接的に評価してもらっても良いでしょう。いずれにしても看護計画が独り歩きしないように、アセスメントして評価・修正を繰り返していくのです。常に、たてた目標や経過があっているかな、という視点が必要でしょう。
記載されている内容は2017年04月03日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
また、記事に記載されている情報は自己責任でご活用いただき、本記事の内容に関する事項については、専門家等に相談するようにしてください。
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