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企業におけるコンプライアンス違反とその事例・解雇の条件

更新日:2020年10月02日

社会人常識

近年、コンプライアンス違反というキーワードをニュースの中で聞くと思います。高度経済成長期が終わり、景気が下向きな中、経営が悪化した企業が利益追求に焦るあまり倫理性の欠けた判断を下してしまい、コンプライアンス違反を冒してしまうケースが多いです。

コンプライアンス違反とは

コンプライアンス違反とは

コンプライアンス違反に対する制度の導入

2007(平成19)年9月の金融商品取引法施行により、上場会社についてはコンプライアンス違反における内部統制報告制度が導入され、内部統制の構築とその整備・運用が義務付けられました。

コンプライアンス違反に関する対策の実施割合

企業が持続的に発展し、その社会的責任を果たすために、そして企業不祥事(コンプライアンス違反にあたる行為)を防止するために必要不可欠であるといえるでしょう。実際に、平成21年3月に発表がありましたが、公正取引委員会が東証一部上場の企業約1000社を対象に実施したアンケート結果によると、約1000社のうち、コンプライアンス違反を防止するためのコンプライアンスマニュアルを整備していると応えた企業は98%とほとんどの企業が、「何らかのコンプライアンス対策を実施している」という結果が出ました。

2,企業におけるコンプライアンス違反とは?

企業におけるコンプライアンス違反とは

景気不調や競争激化などを背景に企業は生存をかけ、経営のスリム化や業績拡大などの利益追求の姿勢を強化する傾向にあります。一方で利己的な利益追求に傾きすぎてしまうと、コンプライアンス違反を犯さざるを得ない場面に直面してしまう可能性があります。そこで倫理感の欠落した判断をしてしまうと、目先の利益追求のために違反をしてしまい、その結果、会社の信用低下・存続危機を招いてしまいかねません。コンプライアンス違反を冒してしまわないためにも、コンプライアンス強化は必要です。

企業におけるコンプライアンス違反における影響

企業におけるコンプライアンス違反への対策

対策として、桐蔭横浜大学の提唱するフルセットコンプライアンス理論が有力です。これは、法令の遵守というコンプライアンスの狭義的な意味にとらわれず、広く社会の要請に応えるために必要なものであるとする考え方です。 フルセットコンプライアンス理論は①方針の明確化、②組織の構築、③予防的コンプライアンス、④治療コンプライアンス、⑤環境整備コンプライアンスの五段階に分けます。 ①では、社会の要請が何なのかの明確な認識とそれに対する方針を明確にします。 ②でその方針を成し遂げられ、複数の社会的要請に答えられる組織の構築をします。 ③で方針を組織のからボトムまで隅々に浸透させることです。組織の機能を重視し、業務執行が法令やマニュアルに沿って成されているかどうかの内部監査と、ボトムからみた内部通報の仕組みを整えます。 ④で万が一の問題の発生にも、冷静にコンプライアンス違反を冒してしまった原因を見出 し解明に努める柔軟性を養います。事実の的確な把握は根本的なコンプライアンス違反の 再発の防止に繋がります。 ⑤で社会環境も含めて是正して対策するといいでしょう。

3,コンプライアンス違反

先ほども示したように、コンプライアンス違反の事例は違反事例の多い2種類に絞って説明していきたいと思います。

粉飾決算について

粉飾決算とは、会社が不正な会計処理を行い内容虚偽の財務表により収支の偽装をして行われる決算報告で、コンプライアンス違反の1つです。粉飾決算において、刑事罰にとらわれるか行政上の課微金制度に終わるかの境目となるひとつの基準として、金融商品取引法上の「重要事実の虚偽記載」という概念があります。 金融商品取引法は投資家の保護を目的に制定されたので、投資家からみて投資判断に影響を与えるような事実の虚偽記載があったかどうか、この一点に集約されます。 粉飾決算におけるコンプライアンス違反事例で有名で、刑事罰に問われたライブドアと問われなかった(課微金制度で終わった)東芝との差はここに現れました。まず、ライブドアと東芝の企業規模の違いです。東芝は七年間で利益操作額が1500億円にのぼりましたが、単年度では数十億~数百億にとどまり、最も利益操作額が大きい年でも、税引き前当期利益は黒字であり、投資家の判断基準への影響は多大ではないとの判断が下されました。つまり、コンプライアンス違反の事例として比較的軽微であるとされました。 一方で、利益操作額は東芝と比較して低額であるライブドアは、実際の経常利益が前年比120%減の赤字決算を自社株の売買と関連会社への架空売り上げで300%増の黒字という虚偽の申告を行ったために、刑事罰という結果になりました。

資金使途不正に関して

全国の中小企業などの業界団体で構成される厚生年金基金の運用を受託している「AIJ投資顧問」の件が有名です。AIJ投資顧問は2008年R&I(格付け投資情報センター)の実施したアンケート(資産運用企業を「運用能力とその他の要因」に基づいて各企業が評価したもの)や顧客からの評価も高く、2011年9月末の年金受託残高では1984億円と業界41位であり独立中堅投資顧問として各方面からの信頼の厚い企業でした。 しかし、2012年1月からの証券取引等監視委員会の検査の実施により、「顧客から預かった年金資産の大半の消失」が判明しました。この際の負債は1313億円にのぼりました。 厚生年金基金は国(日本年金機構)が運営する厚生年金とは違い、厚生年金の一部を代行運用するという性格を持ちます。基金は、年金・一時金の給付に関する事業に要する費用に充てるため、加入員の標準給与の額を標準とした掛金を徴収します。高度経済成長期にうなぎのぼりの経済成長をもとに制定されたシステムであったが、バブル終わりには景気低迷と年金支払い額の増加により、運用が厳しくなった。積立金を切り崩すしかなく、2012年には加入した現役世代が473万人、受給開始者が293万人であるのに対して、積み立て不足額が1兆1000億という深刻な状況に陥りました。 こういった事情を抱えた厚生年金機構が増加し、各基金の財政が悪化したため次々に解散する結果となりました。この代表的事例がAIJ事件だったわけです。ですが、AIJの場合は投資顧問運用担当者が資産運用の業務の経験がなかったなど別のコンプライアンス違反となる要因もあったわけです。この事例をきっかけに日本年金機構は、確定拠出年金という新システムを導入し、従業員の自助努力による資産形成を促す形にしました。

初回公開日:2017年03月28日

記載されている内容は2017年03月28日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
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