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確証バイアスの例と対策|心理学における確証バイアスの扱いは?

更新日:2020年11月08日

ビジネスマナー

あなたは物事を客観的に判断できますか?自分の判断力に自信がある人こそ読んでください。今回は確証バイアスという言葉の説明をさせていただきます。「確証バイアス」は人間の無意識に存在し、冷静な判断を邪魔する厄介なバイアス(偏見)です。

自分の親が毒親なわけがないじゃん

現在、子どもの成長に悪影響を与える親「毒親」という言葉が広まっています。毒親とは身体的な暴力やネグレクトなどの虐待行為をするイメージが強くあります。ですが、虐待とは無縁の親の中にも、「毒親」はいるのです。 このタイプの毒親は、お金に苦労していう様子も無く、ご飯もちゃんと作ってくれたりします。周囲から見れば、何の問題もなさそうな幸せな家庭のように見えるでしょう。 しかし、子どもを甘やかしすぎるあまり、主体的に行動する機会を与えず、一人では何もできなくない大人に育ててしまう親がいます。また、親が厳格すぎるため、子どもが甘えられず、人と深い関係を築くことが出来ない大人に育ててしまう親もいます。 このような親も立派な毒親です。しかし、このような親に育てられた人は、親が自分の成長を妨げた毒親だとは認めません。自分の親を毒親だと疑いたくないために「毎日ご飯を作ってくれた」「大学まで通わせてくれた」と親の良いところを探してしまう確証バイアスが潜んでいます。

確証バイアスと一緒に覚えておきたい単語①

バーナム効果

確証バイアスと一緒に覚えておきたいバーナム効果とは、誰にでも当てはまるような性格に関する情報を、あたかも自分に当てはまっていると感じてしまうことを言います。 バーナム効果に関する実験で、「フォアの実験」というものがあります。この実験は、実験者が被験者に対して、10回質問をします。その質問内容が、どれだけ自分に当てはまっていたかを5段階で評価してもらい、平均点を求めるものです。(すごく当てはまっていたら「5」、全然当てはまっていなかったら「1」。) その質問内容の一部を紹介します。 ・あなたは他人から好かれたい、賞賛してほしいと思っており、それにかかわらず自己を批判する傾向にある。 ・あなたは使われず生かしきれていない才能をかなり持っていると思う。 ・あなたはある程度の変化や多様性を好み、制約や限界に直面したときには不満を抱く。 このような質問に10回、答えてもらいます。その結果、平均4.26点と、かなり高い成績になりました。このバーナム効果も確証バイアス同様、人の判断を惑わせることを知っておきましょう。

私の年収は低いのか?

実は、バーナム効果は日常に多く潜んでいます。 少し前に、「うわっ、私の年収低すぎ・・・」という、ネット広告がありました。 この広告を見て、「確かに俺の給料って少ないよなー」と共感した人も多いのではないでしょうか。 その共感には、バーナム効果が影響しています。人間は周囲よりも高く自分自身を評価する傾向があります。「俺はこんなもんじゃない!もっといい給料をもらうにふさわしい!」という思いが、「こんな広告、誰にでも当てはまるじゃないか!」という冷静な判断を曇らせてしまうのです。

一緒に覚えておきたい単語②

ラベリング

ラベリングとは、ある人に、「あなたはこのような人ですね」というレッテルを貼ることで、そう言われた人は、そのレッテル通りの行動をしてしまうことを言います。 本当は周囲に気を配れる優しいB型のB´さんという人がいたとします。 B´さんはよく、「お前って本当にマイペースだよなー、さすがB型だわ」などと、周囲に言われ続けたとします。 その結果、周囲に言われた通り、B´さんはマイペースな性格になってしまいましたとさ。 このように、ラベリングは、血液型と性格の関係性に大きく影響しています。 このようケースは珍しくありません。 周囲にしつこく「○×型は~、△□なところが~」と言われ続けた人は、その期待通りの性格になってしまうのです。

ラベリングはビジネススキルになる

ラベリングとは、つまり人にレッテルを張ると、そのレッテル通りに振る舞うようになることを言います。この知識は部下を育てる時に応用できます。 資料作りが雑な部下に対して「○○って結構、丁寧なところがあるよな」と言います。 そのような言い回しを部下に言い続けると、部下は「俺って丁寧なんだ」というレッテルを自分に貼ります。その結果、丁寧に振る舞うようなるでしょう。 子育てでも同様です。何か失敗した子どに対して「何をやってもダメな子ね」などと言ってしまう親御さんがいます。親御さんとしては、子どもに発破をかけたつもりなのかもしれません。しかし、こんなことを言われた子どもは「自分は何をやってもダメなやつだ」とレッテルを貼ってしまいます。そうなってしまうと、余計に何をやっても上手くいかなくなってしまいます。 是非、この「ラベリング」の知識を、私生活にも応用していただきたいです。

確証バイアスからは逃れられないことを知る

人が物事を判断する時、「認知資源」を消費すると言われています。認知資源とは、物事を判断する、意識的に考えるなどの情報処理をする際に用いるパワーみたいものです。「みたいなもの」と表現した理由は、認知資源は心理学的概念なので、実際に体内に存在しているわけではありません。人間の認知の働きをわかりやすく理解するための造語です。 頭を使う作業をしたら、この認知資源が消費されます。認知資源が低下した状態だと、偏見や先入観で物事を判断してしまいやすくなります。 つまり、認知資源が低下していると、確証バイアスの影響は避けられないのです。 認知資源は少し休めば回復します。そうすれば、偏見や先入観で物事を判断せずにすみます。 逆に言えば、頭を使いすぎた後の判断は、どれだけ確証バイアスに影響されないよう生活していても、気づかずに確証バイアスの影響を受けてしまうのです。 仕事の後など、頭がボーッとしてなにも考えたくないときは頻繁にあると思います。そのような状況だと、確証バイアスの影響を受けやすくなっていると知っているだけでも、冷静な判断はしやすいと思います。

バイアスを持つことは悪いのか

「偏見を持つことは悪いことだ」と一般的には言われています。もちろん私もそう思います。 しかし、偏見は上述した認知資源の減少を抑えて情報処理する働きがあります。その結果、私たちは最も注意を注がなくてはいけない物事に、全力で取り組めるのです。つまり偏見は必要悪であることは常に意識して、偏見を取り扱わなくてはいけないのかなと思います。

初回公開日:2017年03月30日

記載されている内容は2017年03月30日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
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