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整理解雇4要件・整理解雇時の退職金の手順

更新日:2020年10月02日

退職ノウハウ

整理解雇は、経営の合理化の手段として行われる人員削減のことです。整理解雇を行うには過去の裁判で確立された要件を満たす必要があります。ここでは整理解雇に必要とされる4要件、整理解雇の手順、退職金の扱いなどを判例とともに解説します。

労働基準法第20条の定めでは、会社が社員を解雇しようとする場合は、少くとも30日前にその予告をしなければなりません。30日前に予告をしない場合は、30日分以上の平均賃金を支払うことが必要です。平均賃金とは、直近3ヶ月間の一日当たりの賃金です。3ヶ月間の賃金総額を3ヶ月間の総日数で除して求めます。賃金総額には、基本給の他に時間外手当や役職手当、通勤手当なども含みますが、賞与は含みません。総日数は、仕事をした日数ではなく、休日も含む暦日の日数です。 解雇予告の日数は、解雇予告手当の支払いをした分だけ短縮することができます。10日分の解雇予告手当を支払った場合は、20日前に解雇予告をすればよいことになり、5日後に解雇するのであれば、25日分の解雇予告手当の支払いが必要ということになります。

整理解雇と退職金

退職金は、会社に支給が義務付けられている賃金ではありません。退職金制度は会社が自由に取り決めることができるものです。整理解雇で退職金が支給されるか、いくら支給されるかは、就業規則の退職金規定の内容で決まります。整理解雇の社員に対して退職金を通常規定の額より割り増して支給したとしても、それにより整理解雇の回避努力をしたことにはなりません。 〇退職勧奨および割増退職金の提案は、雇用契約を終了させる点で解雇と異なることはなく、これらの事実をもって解雇回避努力義務がつくされたとはいえない。(PwCフィナンシャル・アドバイザー・サービス事件:平成15年9月25日 東京地裁判決)

退職金の規定

退職金を支給する場合は「適用される労働者の範囲」「退職手当の決定」「計算及び支払の方法」「支払の時期」について就業規則に規定することが必要です。

退職金支給が適用される労働者の範囲

アルバイトやパート、有期契約社員などの非正規社員を除く正社員に適用するとか、禁固以上の刑事処分を受けた場合には支給しないなど、退職金の支給が適用される社員を限定することができます。適用される社員の範囲が限定明記されていなければ、非正規社員も懲戒解雇される社員も退職金支給の対象ということになります。

退職金の計算

退職金は、基本給・勤続年数・支給率を組み合わせて計算する会社が多いようです。支給率は、自己都合の退職、定年退職、退職勧奨、整理解雇など、退職時の状況によって支給額に差をつけるためのものです。

退職金の規定がない場合

就業規則に退職金制度の規定がなくても、過去の退職者に慣例として退職金を支給している場合は、退職金制度があるものとみなされます。

整理解雇の実施は慎重に

日本の会社の多くは、終身雇用という独自の仕組みにより発展してきましたが、経営上の理由によりやむを得ず雇用関係を解消することも必要になってきます。会社側から社員との雇用関係を解消することを解雇と言い、普通解雇、懲戒解雇、整理解雇の3つの種類があります。整理解雇は、会社の経営上の都合により行われるもので、普通解雇や懲戒解雇と違い、社員の側に非はない解雇ですから、解雇を不当として裁判で争いになり、解雇が無効となった判例も多くあります。日本の法律は、労働者を保護する立場をとっており、解雇を制限する規定が多くの法律に見られます。整理解雇の有効性は過去の裁判で確立された4要件・4要素「人員削減の必要性」「解雇回避の努力」「人選の合理性」「手続きの妥当性」をもとに判断されます。 退職金は、会社が支給を定めている場合に支払われるもので、必ず支払わなければいけない賃金とは違います。退職金が支給されるかどうかは就業規則の規定によります。退職金を割り増して支給をしたとしても、解雇回避の努力をつくしたとはみなされません。

初回公開日:2017年04月05日

記載されている内容は2017年04月05日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
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