IT人材のためのキャリアライフスタイルマガジン

無くなる職業ランキング|AIによってなくなる職業と生き残る職業

テクノロジー

私たちの生活に徐々に浸透し始めたAI(人工知能)。囲碁のAIが現役棋士を下して勝利したのは記憶に新しいところです。この先、AIに取って変わられ、なくなる職業はあるのでしょうか?AIの進出によってなくなる職業、生き残る職業についてまとめました。

更新日時:

AIによってなくなる職業が出てくるのは本当か

AIによってなくなる職業について、2013年にオックスフォード大学のマイケル・オズボーン准教授が発表しました。以降、そのランキングに基づいて、「どれがなくなる職業なのか?」とネットで数多く議論されています。

機械や人工知能によってなくなる職業ランキング

1. 小売店販売員 2. 会計士 3. 一般事務員 4. セールスマン 5. 一般秘書 6. カウンター接客係 7. レジ・切符販売 8. 荷物の箱詰め・積み下ろし作業員 9. 金融取引記録保全員 10. 大型トラック・ローリー車の運転手 11. コールセンター・施設の案内係 12. 乗用車・バンの運転手

このランキングはアメリカを想定して作られているので、日本ではやや事情が異なるかもしれません。ですが、オズボーン准教授と同じ手法を用いて日本の職業について分析した結果を、野村総合研究所が発表しています。それによると、日本の職業の49%が、10~20年後に機械・ロボットによって代替が可能となるとの推計結果が得られたそうです。 マニュアルに基づいた機械的なやりとりで事足りる作業は、今後、確実に自動化が進むでしょう。切符の自動販売や自動改札は既に導入されて久しく、空港の荷物預かり所でも、人の手を介さずに作業することが出来ます。 将来的には、ファーストフードチェーン店のカウンターなども人でなく機械や人工知能が担う可能性は十分考えられます。アスクルのように荷物の箱詰め・積み下ろし業務に、既にロボットを導入している企業もあります。自動運転の車が開発中であるというニュースも広く知られていることを考えると、タクシードライバーやトラックドライバーという職業領域にAIが進出してくる日も近いのかもしれません。

これはなくなる職業?残る職業?

実際のところ、AIによってなくなる職業はあるのでしょうか? 「人工知能の代替によって、なくなる職業」と懸念されているものについて、それぞれの可能性を考察します。

「プログラマー」はなくなる職業?残る職業?

プログラミングの作業は、基本的に単純なので、最もAIによって奪われやすい職業と言われています。アメリカの調査機関が出したデータによると、20年後にAIによって仕事を奪われる確率は、プログラマー48.1%という結果でした。AIによってなくなる職業としては、最も可能性が高いと言えそうです。プログラミングはAIに任せて、人間はより効率的で創造的なソフトウェア開発に人材を割く時代が来るのかもしれません。

「税理士」はなくなる職業?残る職業?

税務関係の申告に必要なややこしい税率計算は、AIが得意とする作業です。今後税理士や会計士の仕事にAIが導入される可能性は十分にあると言えます。 しかし、税理士の仕事は単純な計算だけではありません。例えば、会社の経営であれば、節税対策に加え、その会社で働く従業員の心理なども考慮して、給与や役員報酬の決定についてアドバイスを加えることもあります。そうした、状況によって判断要素が大きく変化する仕事には、AIは不向きと言われています。AIの導入によって、すぐになくなる職業ではないと言えます。

「教師」はなくなる職業?残る職業?

既に勉強アプリのような「AI教師」が誕生しています。また、AIが授業のサポートをすることによって、学校の授業の効率化を図るという試みが、アメリカや中国・韓国で行われています。たしかに、教員の人数が不足しているような場合、AIがあれば、生徒一人一人の理解力を引き上げる強力なサポートになり得るでしょう。 しかしながら、それぞれ異なる個性を持つ子どもの悩み相談に乗ったり、突発的な喧嘩の仲裁というのはAIには難しいでしょう。よって、慢性的な人材不足に悩む教育現場に、AIを上手に取り入れて、教員が生徒と向き合う時間をより持てるようになるために、人間とAIが共存していくの方向で進んでいくでしょう。

「営業」はなくなる職業?残る職業?

単純に「商品を売る」という仕事なら、既にネットで欲しいものを買うという新しい文化が広く浸透しつつあります。その意味では、営業の仕事の一部をAIに「食われた」と言えるのかもしれません。 しかし、営業の仕事は、顧客のニーズを細やかに汲み取って最適な提案をする、というところに本質があります。人とのコミュニケーションが社会から不要とされない限り、営業はなくなる職業ではないでしょう。

「医者」はなくなる職業?残る職業?

2016年にアメリカの医療現場でAIが患者の難病を見抜き、治療法を変えることを提案した結果、患者が回復し無事退院したというニュースが話題になりました。数値によるデータ解析や膨大な過去データの統計を出すのが得意なAIが、医療の分野で担える仕事も今後増えそうです。 しかし、人間の病気は単純ではありません。例えば、腰痛ひとつ取ってみても、原因は多岐にわたります。内臓や背骨・筋肉等の不具合を見抜くことは出来ても、家庭環境からくるストレスなどをAIが推測することは難しいでしょう。医師の仕事はAIによってなくなることはないでしょうが、事務的・機械的な部分をAIが担当することによって、よりいっそう患者の心に寄り添う医療を実現されると考えられます。

「翻訳」はなくなる職業?残る職業?

人工知能による翻訳は、かなり精度が上がってきました。以前、翻訳ソフトによるおとぎ話の言い換えなどが笑いの対象として話題になったりしたものですが、それも今では昔の話です。 現在、グーグル社が提供する翻訳システム「ニューラルネット機械翻訳(GNMT)」は、AIの持つディープラーニングの機能によって、自ら改良していく画期的な翻訳システムです。また、KDDIもAIを用いたリアルタイム翻訳アプリ「KDDI AI翻訳」のサービスを法人向けに提供し始めました。翻訳の世界でのAIは、長足の進歩を遂げています。 しかし、言葉とは、使う人の感情や状況、文化、歴史が複雑に合わさって作り上げられているものです。単語や文脈を正確に訳すことは出来ても、そうした微妙なニュアンスまで汲み取るのは、やはり人間にしか出来ない作業でしょう。「Love in the Afternoon」を「昼下がりの情事」と言い換えるのには、言葉の知識だけでなく、「センス」が必要です。一般の人が外国語を話し、気軽に海外旅行出来るようにはなるでしょうが、翻訳業の人が職を失うことにはならなさそうです。

「家政婦」はなくなる職業?残る職業?

今やルンバを知らない人はいませんよね。将来的に、機械が出来るようになる家事作業はもっと増えると言われています。不在の間に家庭を訪問して家事作業を代行するタイプの家政婦さんなら、家事ロボットの普及でいずれなくなる職業となるかもしれません。ですが、ベビーシッターの仕事も兼ねるような家政婦さんであれば、今後もなくなることはないでしょう。AIに子供の相手はできません。

こんな仕事はなくならない

単純作業や煩雑な計算、データ分析・統計作業などは、AIが得意とするところです。 一方で、一瞬の閃きやユニークな個性が必要とされる創造的な職業や、決して数値化できない人の心を相手にする職業、人とのコミュニケーションスキルが必要とされる職業は、AIが代替することは難しいとされています。 「人間的」な仕事は、AIによってなくなる職業とはならなさそうです。

弁護士・ソーシャルワーカー

困っている人の相談に乗る、その人を取り巻く社会的な環境を理解し周囲と協力して最善策を考える職業は、作業の一部をAIが負担することはあっても、最終的に考えて判断するのが人間であるのには変わりないでしょう。 また、弁護士はクライアントへの共感も不可欠な職業です。ロボット弁護士に離婚の相談をしたいという人はあまり多くないはずです。AI進出によってなくなる職業かもしれないと心配するよりは、煩雑な業務を減らすことに繋がる点で、歓迎する人も多そうです。

保育士

上記に挙げた教師と並び、子どもの相手をロボットに任せようと考える親は、今後もあまり増えないのではないでしょうか。子どもは不条理の塊です。「論理的に正しい指導」など通用しません。何かを教えたりあやしたりすることは出来ても、その時々に応じた指導は難しいでしょう。人工知能のペットやマスコットは実現しても、愛情を持ってときに厳しく接する保育士の役割は担えないでしょうね。AIによってなくなる職業ではなさそうです。

セラピスト・カウンセラー

人の心に寄り添う仕事も、AIでは難しそうです。優れたセラピストやカウンセラーは、問いかけに対する反応や仕草などから、クライアントが語らない本心や背景を見抜くこともあります。また、セラピスト・カウンセラー自身の人間的な部分が、クライアントの癒しに繋がる場合も多いでしょう。AIが進出しにくい分野のひとつであり、AIによってなくなる職業とは考えにくいです。

ツアーガイド

施設の案内係は、「機械に奪われる職業」として上位にあがっています。確かに、マニュアルで対応可能な部分は、自動のシステムで支障はないでしょう。しかし、利用客のニーズに応え、サービス精神を必要とされるツアーガイドのような専門分野は、やはり人間ならではと言えるでしょう。利用客にサプライズを仕掛けるような技は、AIには出来ません。AIによってなくなる職業と言われていますが、すぐに代替されてしまう職業とは言えません。

旅館の女将・バーテンダー

これはあくまで代表例として挙げたまでですが、人をもてなすホスピタリティは、やはり温かい人の心が生みだすです。以前来た客の好みや家族構成を覚えているだけでなく、季節や同行者などと併せてサービスを提供できるのは、経験と研鑽の賜物と言えるでしょう。受付の業務をロボットが行っているホテルなども一部に存在しますが、こうしたホスピタリティを発揮する場から人間がいなくなることはあまり考えにくいです。

栄養士・フードコーディネーター

調理という作業は、AIによる代替可能性がかなり高い職業にランキングされていますが、全体的なバランスや、「好み」「センス」といった計測不能な要素を問われる栄養士・フードコーディネーターの仕事は、今後も生き残っていきそうです。どんなに機械化が進んでも、食卓にはやはり人の温もりを感じたいものです。

画家・写真家・デザイナー

AIによってなくなる職業としては、最も可能性の低い職業と言えるでしょう。AIの参入が不可能というわけではありません。人工知能によって、職業画家の「ような」絵画を描く試みは既に行われています。そのうち、AIが描いた絵が出品される日も来るかもしれませんが、一見意味のない色彩の重なりによって、人の心に感動を与える作品に仕上げたり、一瞬の構図を切り取ることで、言葉よりも雄弁に物語る写真を撮ったりする作業には、人間のクリエイティビティが必要です。芸術系の職業がAIによってなくなるという事態はあまり考えられません。

作家・詩人

これも、翻訳と同じです。言葉は、その社会の歴史・文化の現れです。そこに、独自のセンスが加わることで、他に二つとない物語や詩が生まれます。俳句や短歌であっても同じことが言えます。人工知能に文学作品を作らせようという試みもあるようですが、それ「らしい」ものは出来たとしても、多くの人を感動させる作品を作れるようになるのは、ずっと先の未来ではないでしょうか。AIによってなくなる職業とは言えません。

AIがもたらす未来

ネット上では、とかく「AIが人の仕事を奪うのでは?」という論調が目につきますが、AI技術の進歩・拡大は、人が出来る仕事を「奪う」というネガティブな未来をもたらすのでしょうか? AIによってなくなる職業は、確かにゼロではありませんが、その先に生み出すものもあるはずです。

機械化がもたらす「第4次産業革命」

AIやロボットによる社会の変革は、第4次産業革命と呼ばれています。なくなる職業があるだけでなく、社会全体の構造が大きく変革するということを指しています。 第一次産業革命では、18世紀半ばにイギリスで蒸気機関が発明され、手作業であった工場の仕事が、次々に機械に代わっていきました。当時の人にとって、 働き方が180°変わってしまうような出来事であり、非常にインパクトのある変化でした。当時の人々の仕事の内容も大きく変化したのです。AIやロボットの革命が、第4次産業革命と言われるのですから、なくなる職業があるのは当然とも考えられるのです。なくなる職業だけでなく、多くの新たに生まれる職業があるということです。

「なくなる職業」に怯える必要はない

AIの導入によって、これまで人が担っていた仕事をAIがすることになるのは事実です。AIがこなせる仕事の量・範囲が増えていくのは間違いありません。その意味では、「なくなる職業」はあると言えます。 ですが、機械「でも」出来る仕事を機械に分担することで、人の負担を減らすことが出来るのです。熟練の手技を形容して「機械のように正確だ」と言ったりしますが、機械的な正確さは、機械に任せておけばいいのです。人の仕事の価値は、その先にあります。 単純な作業や力仕事は、人にとって多大なストレスともなり、生活を圧迫する原因ともなります。その部分を機械に担ってもらうことで、人がよりいっそうクリエイティブで人間的な仕事を出来るようになるというのも、AIを積極的に導入していくひとつの理由となるはずです。 人との関わりを本質とする医療や教育といった職業であっても、事務的な作業に追われて、本来の仕事が出来ていないケースも多々みられます。AIの存在は、そうした人々のよきサポーターとなり、より人間的な温かい場を増やすことに繋がるかもしれません。 また、AIの進歩によって、なくなる職業だけでなく、新しく生み出される職業も出てくるでしょう。今ある職業がなくなる心配に悩まされるのではなく、今後を見据えて、新しいスキル・資格を獲得するのもいいかもしれません。AIは確かに、働く場に変化をもたらします。 AIによって、これまでと仕事内容が大きく変わる職業もあるでしょう。社会で「普通」とされる働き方も、これまでとは違ったものになるかもしれません。過去の価値観にとらわれず、時代の変化に柔軟に対応できない人は、取り残されてしまう可能性があります。

無くなる職業に怯えない

しかし、AIはあくまでツール。使う主体は人間であることには違いありません。人の欲求は、便利なものだけを追い求めるわけではありません。CDに駆逐されかけていたレコードの復権や、インスタントカメラの再流行などは、それを改めて思い出させてくれる現象です。 人の生活には、「温もり」や「愛情」といった、数値化できない何かが必要なのです。 今後、AIがどのような方向へ進化していくのか、それが私たちの社会をどのように変えていくのか、関心を持って見ていきましょう。

関連タグ

アクセスランキング