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スキルマップの作り方と事例|エクセルでのスキルマップの作成方法

更新日:2024年02月08日

ビジネスマナー

スキルマップとは、「メンバーの、業務に必要な様々なスキルの一覧表」です。たとえば、縦軸方向にスキル名を、横軸方向にメンバーの氏名を記述し、交わるマスにスキルのレベルを記入します。スキルマップは、計画的な人材育成やプロジェクトメンバーの選出などに特に有効です。

一般的に言われている各種のパソコン検定の難易度は、「P検2級>日商PC2級>MOSエキスパート>MOSスペシャリスト>P検準2級>日商PC3級>P検3級」といわれています。これを図示すると、次のようになります。 この他に、Excel表計算処理技能認定試験(以下「E検定))とコンピュータサービス技能評価試験(以下「CS検定」)があり、一般的にE検定はMOS試験より難しい」「CS検定よりも日商PC検定の方が難しい」ということを折り込むと、次の表が得られます。

これでは13段階になってしまうので、もう少し整理しましょう。個人的な考え方による整理ですが、次のように7段階、7つのランクに整理してみましょう。

こうすると、「評価シート」を作ってその上で該当する資格を選ぶと、資格名とそのランクをスキルマップに取り込むことができます。これを、アプリケーション別にどう扱うかが次の課題です。

入力シートの作成

まずは次のような入力シートを作らなければなりません。左の表は社員が自分の持っている資格を入力しやすいように、資格の名称の順に並べてあります。持っている資格には[入力]の列に「1」を入力します。後の設定で「1以外は受け付けない」ように設定して、入力エラーを割けます。 左の表のF列に入力した結果は、アプリケーションごとに並べ直した右の表の、対応する行に転記します。この右の表がスキルマップの左端の見出しになります。この場合のスキルマップは、資格名が長く階層もあるので、左端に資格名、上端にメンバー名を表示することにします。社員番号は「1」では使いにくいので3桁の数字に決め、セル書式を[文字列]に替えておきます。そうすれば上の「00」が表示できます。

左の表だけを配布して各自に入力してもらいます。右の表は、アウトライン表示にしてたたんでおくことができます。次の図に示すように、畳み込みたい列を選択して、[アウトライン][グループ化]をクリックします。

すると、次の図に示すように、選択した列が畳み込まれます。その他、左の表だけを配布してそのデータを右の表もあるシートにコピーしたり、ワークシートの入力せる以外を「保護」しておくなり、いろいろな方法が考えられます。

入力データの転記

左の表に入録した内容を右の表に合わせて転記するには、N列のセルN5に次のように入力してN6からN42にコピーします。 =IF(VLOOKUP(L5,$D$5:$F$42,3,0)=1,VLOOKUP(L5,$D$5:$F$42,2,0),"") これは、セルL5にある行番号をキーにして、セル範囲$D$5:$F$42の左端の列を捜索し、その番号があったら、その行の左から3列目のデータを取り出し、その値が1だったら入力内容なので、セル範囲の今度は左から2列目の数字(ランク)を取り出して、セルに表示せよという関数です。3列目のデータが1以外だったら無視して空白を表示するように設定してあります。 さらに、社員の名前と社員番号利用しやすいように右の表に転記するのですが、これは縦と横をひっくり返さなければなりません。これには2つ方法があって、次のようにTRANSPOSE関数を利用するか、[形式を選択して貼り付け]で[行と列を入れ替える]を選択します。 {=TRANSPOSE(A1:B2)} この関数は「配列数式」といって、複数のセルをまとめて選択してから関数を入力し、確定の際には[Cnrl]+[Shift]を押しながら[Enter]を押します。 TRANSPOSE関数を利用すると、元のセルのデータを変更したらその変更がコピーした先のセルに反映し、[形式を選択して貼り付け]を利用した場合(下図)はその変更がコピーした先のセルに反映されません。

スキルマップシートの作成

スキルマップシートは、入力シートの右の表をコピーし、その右上に社員番号と社員名を入力します。このワークシートでは、入力シートのシート名に社員番号を入力し、そのシート名を使って、入力シートのデータをスキルマップシートに転記します。そのために、スキルマップシートに入力した社員番号を各入力シートの見出しに入力し、社員番号と社員名を、各入力シートの左上にコピーします。この場合はTRANSPOSE関数を使うのは煩わしいので、[形式を選択して貼り付け]を利用します。この際コピーするのは「数式だけ」です。

シート名を関数の引数に持てる関数はADDRESS関数だけなので、ADDRESS関数とINDIRECT関数のペアを利用し、セルF2に次のように入力して、その内容の「数式だけ」をセル範囲F2:N40にコピーします。この作業はセルFではなくセルF3で行ってもよいのですが、セルF2で行って、正しい社員名が帰ることを確認します。 =INDIRECT(ADDRESS($E2,14,4,,F$1)) この関数は、ADDRESS関数が返すセル番地の値をINDIRECT関数が返すという仕組みです。列固定のE2には入力シートの行番号を入れてあって、1つ上の行固定のセルF1からシート名を取り出し、そのシート名のワークシートの行がE2、列が14の値をセル上に表示します(4は相対参照の指定です)。その内容の「数式だけ」をセル範囲F2:N40にコピーすると、スキルマップが完成します。

個人ごとの評価の強調表示

セル範囲F3:N40に「条件付き書式」を設定すると、セル範囲のセルの数値を判別してセルに色を付けることができます。[ホーム][スタイル][条件付き書式][セルの強調表示ルール][指定の値より小さい]を選択て表示されるダイアログボックスで、値を4に設定して右の書式で[ユーザー設定の書式]を選び、

表示される[セルの書式設定]ダイアログボックスの[塗りつぶし]パネルでオレンジ色を選択して[OK]をクリックすると、

次の画面のように、ランクが4未満、すなわちらんくが1~3の資格のマスだけが、オレンジ色になります。

スキルマップの評価

わずか9人のスキルマップですが、次のようなことが、手に取るようにわかります。 (1) 上級者は3人しかいない.。 (2) MOSのエクセルとワードのスペシャリストは全員が持っているがエキスパートは少ない。 (3) ワード、エクセル、パワーポイントは使えるがアクセスやアウトルックを使える者は非常に少ない。 (4) 1つのアプリケーションに対して複数の資格を持っているものが非常に少ない。これは上の資格を求めて努力しているものが少ない。

スキルマップの事をもっと詳しく知りたい方はこちらを

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初回公開日:2017年03月18日

記載されている内容は2017年03月18日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
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