IT人材のためのキャリアライフスタイルマガジン

生存バイアスの意味|生存バイアスと認知バイアスの違い

更新日:2020年11月19日

言葉の意味

「子供は厳しく育てても立派に育つ」「血液型がA型ならば几帳面」「成功者はみんな○○を習慣にしている」……これらは一見正しいように見えて、実は間違った論理をもとにした結論です。キーワードは”生存バイアス”。生存バイアスとは何であり、何が間違っているのでしょう。

世の中にあふれる”生存バイアスの罠”

「子供は厳しく育てても立派に育つ」「血液型がA型ならば几帳面」「成功者はみんな○○を習慣にしている」 こういった文言がしばしば見られます。これらは一見正しいように見えて、実は間違った論理をもとにした結論です。キーワードは”生存バイアス”。生存バイアスとは何で、何が間違っているのでしょう。

生存バイアス・認知バイアスの意味

生存バイアス(Survivorship bias)とは、生存した物のみを基準とすることで誤った判断を行ってしまうことである。生存者バイアスなどとも言われる。

認知バイアス(にんちバイアス、英: cognitive bias)とは、認知心理学や社会心理学での様々な観察者効果の一種であり、非常に基本的な統計学的な誤り、社会的帰属の誤り、記憶の誤り(虚偽記憶)など人間が犯しやすい問題である。認知バイアスは、事例証拠や法的証拠の信頼性を大きく歪める。

「本当だったらデータが偏っているけれど、生存者だけしか調べていないことで統計的なバイアスが出てしまった」という現象のことを生存バイアスというのですね。

生存バイアス・認知バイアスの例

生存バイアスの例を見てみましょう。

「エアバッグを普及させたのに、事故の負傷者が増えた!」

昔々、外国に、ある都市がありました。そこの都市では自家用車が普及していましたが、残念なことに安全に対する認識がいちじるしく低くて、エアバッグがあまり普及していなかったのです。 その都市の偉い人たちは、エアバッグの普及に乗り出しました。色々なキャンペーンを行って、エアバッグのある車を多数派にさせることに成功したのです。ところが。都市の病院に勤める医師たちがあることに気付いたのです。「普及前より普及後の方が、救急怪我人が多い。おかげで私たち医者は、前より忙しくなってしまった!」原因を調べてみると、エアバッグ普及前より交通事故の負傷者が多くなっているのです。非常に奇妙なことですね。実はこれも、生存バイアスのなせる業なのです。 普通の事故なら死亡するところを、エアバッグのおかげで負傷で済み、かろうじて生き延びれるということがあります。その結果、データだけを見れば負傷者が増えている――死亡者はむしろ減っているんですけれど、そのことになかなか気づかない人もいます――ということになるのです。

「最近の子供は軟弱だ! 昔はこんなに弱い子供はいなかった!」

昔は弱い子供は死んでました。今は医療技術が向上したから、昔だったらただ死んでしまうような子供だって生き残れるようになっただけです。 また、似たようなロジックで、「昔はアレルギーにかかった子供なんていなかった! だからこれは子供が軟弱になった証拠だ!」と主張する人がいます。これも生存バイアスのなす錯覚です。 昔は、アレルギーについては昔は認識が広まらなかったので、死んだとしても死因なんて特定できなかったでしょう。まさに生存バイアスですね。

「マンガ家になればもうかる!」

「マンガ家・ミュージシャン・スポーツ選手って楽に金儲けできていいな!」 誰でも一度はこういうことを考えたことがありますよね。これも生存バイアスです。 これらの職業は競争が激しいもの。有数になれるのは一握り。ほとんどの人はジリ貧です。しかし、有数にいる人たちがメディアに露出して目立ってしまうと、それを見た人たちは、「ああ、こういう職業の人って”必ず”儲かるんだ」と勘違いしてしまいます。 これも生存バイアスのなせる業です。

「血液型がA型の人は几帳面!」

血液型占いは、誰でもやったことがありますよね?「血液型がA型の人は几帳面!」「O型の人は大らか!」というのも、聞いたことがあるでしょう。みなさんの中に何人か、信じている人もいるはずです。身の回りをみてください。世の中にはいろいろな人がいます。几帳面な人も大らかな人も、自己中心的な人も、いつだって何処かに存在しているのです。もっと言えば、同じ人でも、几帳面であるかないか、大らかかそうでないか、時と場合によって違います。 仕事では几帳面な人でも、家ではいい加減に家事をやっているとか、学生の頃は大らかだったけれど、社会人になったら余裕がなくなって大らかじゃなくなってくるとか。よくあることです。従って、血液型占いが当たっている人は必ず、この社会のどこかしらに存在しているわけです。そういう人をたまたま見つけて、「当たってる!」と思い込んでしまった人は、そのまま血液型占いにハマります。「当たってない!」と感じた人は、血液型占いをバカバカしいものだと思い、離れていきます。当然、そういう人たちは「自分はA型だから几帳面だ」などと思い込むことは決してありません。 また、その一方で、血液型占いを正しいと思っている人の周りには、同じように正しいと思っている人しか集まりません。何故ならば、血液型占いを正しくないと思っている人たちにとって、占いで人を判断するのは、ただ単純に勝手に性格を決めつけられることです。それは気持ちのいいことではありませんし、賢い行いでもありません。従って、そういうことをされると不愉快に感じて、血液型占いを信じている人たちから離れていきます。残った集団は「A型は几帳面」「O型は大らか」と思い込み、自分たちのコミュニティの人間に当てはめていき、ますます思い込みを強めるのです。 こういうのも、生存バイアス・認知バイアスのひとつです。

次のページ:生存バイアス・認知バイアスの罠に引っかからない方法
初回公開日:2017年03月07日

記載されている内容は2017年03月07日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
また、記事に記載されている情報は自己責任でご活用いただき、本記事の内容に関する事項については、専門家等に相談するようにしてください。

関連タグ

アクセスランキング