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博士号とは?種類と難易度・取得方法・取得するメリット

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大学には、学部・修士・博士のステップがあります。博士に進む人は周りでも減っていきますし、博士とは実際何だろう?と思う方もいると思います。そこで今回は、博士号とは何か?博士号の取得方法やメリット、就職に役に立つのかどうかについて解説していきたいと思います。

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博士号って何?

博士号って何?

博士号とは、大学院における博士課程あるいは博士後期課程を修了し、自らの研究をまとめた博士論文が審査で合格することで授与できる、学位の最高位の1つです。四年制大学を卒業すれば学士号、次の段階として大学院の修士課程(2年)を修了すれば修士号を取得し、さらに次の段階が博士課程(3年)となり、学士号と修士号の取得プロセスと基本的には同様です。 博士号を持っているということは、専攻した研究分野について、研究する能力があるというレベルで、能力が認められているという証明になります。ユタ大学のMatt Might博士は、博士号を「人類の英知の端っこに辿り着き、その先の世界を見るためのもの」と表現しており、その上で「人類の知識のごく一部の世界しか見ることができない」ともしています。 自分が極めたい学問のさらに専門的な分野を突き詰めていく、なかなかに覚悟の要る過程かもしれませんね。

博士号はどうやって取得するの?

博士号はどうやって取得するの?

博士の取得方法としては、博士課程に在籍して学位審査に合格、修了した者に授与される課程博士と、在学しないまま学位審査に合格した者に授与される論文博士があります。 取得方法はこう言ってしまえばそれまでですが、次に博士課程と修士課程との違いや、文系と理系での違いについてご紹介します。

修士課程との違い

学士過程や修士課程と同様、博士課程にも単位取得の義務が課されますが、前者よりも後者の方が取得すべき単位の量が少なくなっています。理由は、博士課程の本分は論文のための研究だからです。 論文には2種類あって、1つは大学に提出し、最終的に国会図書館に寄贈される論文と、学会で査読される公開査読論文が存在します。博士課程では、この2本の論文のために研究に没頭するのです。 とにかく論文に重きを置かれているだけあって、優秀な論文を提出し、修業年限である3年を待たずして博士号を取得し、中退する人もいます。

理系と文系の違い

文系の研究分野というのは、主に人間の活動を対象にしており、博士課程では論文を検索し、論文や文献を読み、フィールドワークを行うなどして研究を行います。 一方で理系の研究分野は、自然界を対象としており、理系博士課程とは研究室で実験の日々を意味します。もちろん論文を読んだり、学会に出席して研究内容を発表したり、研究室の教授の助手をしたりと、活動内容は様々です。研究室によって差はあると思いますが、基本的に修士課程以上に多忙を極めます。

博士号を取得するとどんなメリットがある?

博士号を取得するメリットは、「研究能力の証明」に他なりません。博士課程に進むメリットは、簡単に言えば「自分の研究分野を極められる」ことで、博士号を取得して初めてその熱意と実力が認められることになるのです。 博士号の価値は、学問と離れた場所にある企業からはあまり高い評価を得られない傾向があるようですが、大学や研究所にとっては、一人前の研究者としての免許証として見られます。 おそらく最も気にする方が多いであろう、「博士号の所持は就職に有利かどうか」というポイントについては後にご紹介します。

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博士号の種類について

博士号は、1,887年制定の学位令によって、「法学・医学・工学・文学・理学」の5種類の博士が作られます。しかし、現在は優に100を超える博士の種類が存在します。 それでは、現在の博士の種類を4つの体系に分け、それぞれに代表的な博士号について一部をご紹介しようと思います。

理工系

ほとんどが技術者として進む「理学・工学・電気工学・情報工学」博士が著名で、他には「数学・建築・商船・環境」など様々な博士号が存在します。

人文社会学系

「商学・文学・法学・哲学・英語・ドイツ語」博士など、如何にも文系という感じの博士号で占められています。この学系の学位を取得した人は、ほとんどが教職員として進路を決めているようです。

医歯薬学・保健体育・農学系

体系の名前通り、「医学・歯学・保健科学・体育科学・農業工学」博士など、医学・科学的なアプローチで研究がされているものが多いです。

教育・家政・芸術・学術系

こちらも体系名に沿って「学術・教育学・美術・音楽」博士など、高校受験で言う5教科以外の科目を扱っているものが多いです。

文系の博士号の取得は難易度が高い?

博士号の取得は、理系も文系も過酷なものであることに変わりはありませんが、文系の博士号取得率の方が低いという実態があります。文部科学省の調査によれば、博士課程の修業年限内に学生が学位を取得できた割合について、文系の学生の取得率は理系の3分の1であることがわかっています。 ちなみに、上記でご紹介した人文科学の学生は、分野別の平均取得率が7.1%と、最も高い医学・歯学系の56.3%に比較して圧倒的に差を付けられています。この傾向は「理高文低」と言われています。研究の難易度の違いかどうか、一概には断定できませんが、論文の通過率が文系の方が圧倒的に低いのです。

博士号は就職に役立つのか?

博士号は就職に役立つのか?

博士号を取得するメリットは「研究能力の証明」と言いましたが、結局のところ皆さんの多くが気になるのは、「博士号が就職に役にたつのか?」ということだと思います。結論から簡単に言うと、「就職するために博士号を取得するならば、役に立つとは言えない」というのが現状です。 もう少し掘り下げるため、博士号取得後に、日本の博士はどのような道を歩んでいるのかについて紹介していきます。

博士課程修了後の進路はどうなるのか?

博士号を取得したら、それでゴールではありません。当然、取得した博士号を活用して次なる進路へ足を踏み出さなければなりません。進路の例としては、研究室の教授から推薦を貰い、大学や研究機関の研究者になったり、民間企業に就職することが一般的です。 しかし、目を逸らしてはならないのが、「就職も進学も叶わなかった」人が、全体の2割程度存在するという事実です。 さらに、博士課程修了後に正規雇用で就職をした人は約半数で、学部卒・修士課程修了後の約7割に対して、大きく差をつけられています。

なぜ博士は就職難の被害に?

長い時間をかけて博士号を取得したにも関わらず、なぜ博士の就職は難しいのでしょうか? 原因として、当時の文部省は、90年代にかけて大学院生を2倍に増やすことを指標とし、バブル景気崩壊後の成長の当てにしていました。結果的に、1990年に2万8000人程度だった博士課程に進む学生は、2000年には6万2000人程度にまで増加しました。 ここまでは政策としては成功したと言えるかもしれませんが、致命的だったのが、大学や研究機関のポストが増えなかったということでした。博士は増えましたが、行き場のない博士も増えてしまうことになったのです。

博士は企業の即戦力にならない?

文部科学省が、民間企業の研究活動に関する調査を実施したところ、7割もの企業が1度も博士課程修了者を採用したことがないという結果となりました。理由について、「採用する必要がない」「特定分野の専門的知識を持つが、企業ではすぐに活用できない」という回答がありました。 真実を追求するための研究と、民間企業の利潤を追求するための研究は、性質が異なるということなのでしょうか。

博士号を取ってからの就職を考えているなら、就職エージェントに相談するのがおすすめです。プロが就職のサポートを行ってくれ、あなたに合った求人を紹介してくれます。

博士課程に進むならば、強い意志を持って!

博士課程に進むならば、強い意志を持って!

ここまで、博士号とは何か、取得のメリットや種類、博士号取得後の進路の厳しさについて紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか?先ほども結論を出しましたが、「楽に就職のために博士になる」という考えを持つと、後に苦い思いをすることになるかもしれません。 しかし、自分が本当に興味のある分野について、学問を究め、それを世の役に立てたい!といった目標があるならば、博士課程という険しい道を乗り越えるだけの価値はあります。 自分の進路や、やりたいことと向き合って、次のステップについて考えることが大切ですね。

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