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高卒の公務員の給料・年収相場|高卒でなれる公務員の種類

更新日:2024年07月18日

職種研究

公務員はその安定性もあって、今も昔も根強いがありますが、多くの場合、大学出身者が厳しい採用試験を突破して、晴れて役所に入るもの、というイメージがあります。しかし、実は大卒のみならず高卒の公務員もいるのです。今回は高卒の公務員の実情に焦点を当てていきます。

公務員の世界は基本的に年功序列であるため、高卒の公務員も勤続年数によって給与も上がっていきます。 各職種(事務職や技術職など)には給料表と呼ばれる勤続年数や役職によって支給される給与の書かれたものがあり、役所の職員はこの給料表に基づいて毎月の給与が支給されます。 基本的にだいたい毎年のように昇給があります。そして、同じ役職の中で比較した場合、昇給するにつれて当初大卒採用との間にあった給与の差も徐々に縮まっていきます。 ただし、大卒採用の公務員は高卒採用に比べて昇任のスピードが早いため、そのこともあわせて考えると大卒採用のほうが多くの給与をもらうことになりそうです。 それでも、大卒の公務員に比べると、高卒の公務員の場合は勤続年数が長めになるため、この点では高卒のほうが分があるともいえます。

高卒の公務員の月収や年収

さて、高卒の国家公務員の平均月収2014年の数字)の具体的な数字を示しますと、全体で42.0万円(基本給+各種手当)です。もちろん、職種により額面は異なってきます。 気になる大卒との比較ですが、こちらは40万円ほどと高卒に比べ少なくなっています。おそらく勤続年数が関係しているのでしょうね。なので、学歴の違いはあまり気にしなくてもよさそうです。 年収については初任給で240万円ほど、勤続年数5年程度で300万円を超え、勤続年数10年程度で400万円台に、そして15年で500万円を超えるという具合です。 高卒の地方公務員の場合は、国家公務員の場合に比べ、職種での違いなどに加えて、税収の地方間の格差も反映されてくるためもっと複雑な状況です。 しかし、平均値で勤続年数10年ほどで22.9万円、30年ほどで38.5万円になります。大卒のほうは勤続年数10年ほどで25.7万円、30年ほどで42.5万円になります。 年収のほうは、採用されたてでおおよそ300万円ほどです(各種手当含め)。ただ、高卒の場合は国家公務員・地方公務員に関係なく勤続年数は他の学歴区分の職員よりも比較的長めであるため、年収も年を経るごとに上昇していく傾向にあります。 場合によっては、大卒の職員の年収も超えることもあるようです。 公務員の月収や年収を知り、他の職業や企業の年収や求人を見比べたいという方は転職エージェントを活用してみましょう。自分の理想の年収や月収に近い企業を紹介してもらうこともできます。

昇任について

公務員の世界における昇任、いわゆる出世は基本的に2,3年ごとの異動と昇任試験への合格を積み重ねていくことによって達成されていきます。 昇任試験には筆記試験と人事考課の2種類があります。 筆記試験方式は文字通り筆記試験による選考、人事考課は上司の勤務評定と面接に基づいた方法です。 高卒の公務員の場合、何か際立った特徴があるのでしょうか。ここではそれを見ていきます。

国家公務員の場合

国家公務員における昇任は、高卒の場合、大卒に比べると比較的ゆっくりとした速度になっています。 高卒の国家公務員の場合、最初は1級(係員)からのスタートですが、その上の2級(主任)に昇進するのは早くても勤続年数7年目からです。この点においては、大卒の国家公務員には1年目から2級になる場合もあるという点で異なっています。3級の係長クラスまではこのようなゆったりとしたペースでの昇進となっていくようです。 ただ、勤続年数15年以上になると、能力や意欲によっては2級上の役職級に上がる可能性も出てきます。ただ、能力や意欲、実績が反映されてくるため、個人差は出てきます。 さて昇任試験ですが、中央省庁の場合、これまでは人事院が定めた勤務評定制度に基づいて、上司を含め複数人の上の役職級の職員による審査が行われていました。しかし、年功序列の性格が強いために、2009年度からより能力主義的な人事評価制度が採用されています。 なお近年、各省庁は高卒(旧III種)や大卒(旧II種)の職員であっても、特に意欲や能力のある人物を幹部級の役職に登用する取り組みを毎年着実に進めています。人事院もこれらの取り組みの状況や実例に関する情報を各省庁に提供しており、登用の啓発に取り組んでいます。 このように、高卒の国家公務員であっても意欲や能力さえあれば、省庁の幹部級への道が開かれるのです。

地方公務員の場合

地方公務員についても、管轄内の各部署の異動とそこでのキャリア、そして昇任試験の合格を積み重ねて出世していきます。 昇任試験には筆記試験と人事考課の2種類があることは先ほど触れたとおりですが、大多数の自治体で導入されているのが人事考課です。この人事考課にあたっては、上司の勤務評定が大きな判断材料となります。 この人事考課ですが、地方自治体でもこれまでの年功序列方式から能力や実績を考慮した方式に切り替えるため、2016年度からすでに国で導入(2009年度)されている人事評価制度を採用しています。 さて、この昇任による昇進ですが、これまでの評価方式に照らして考えますと、係長級までは年功序列方式で昇進できます。その上の課長補佐クラスより上は本格的な幹部職であるため、個人差が現れてくるようになります。

最終的にどのポストまで行けるか

さて、高卒の公務員は結局最終的にどのポストまで昇進できるのでしょうか? まず、国家公務員の場合は、いくら近年、ノンキャリア組から幹部級への登用があるといっても、最高でも本省の課長補佐クラスや出先機関の課長もしくは課長補佐クラスまでのようです。 それ以上のクラスは、いわゆるキャリア組やノンキャリア組でも大卒の人間が大多数を占めているのが現状のようです。 地方公務員の場合は、最高でも課長クラスまでというのが相場のようです。やはり地方自治体の幹部級でも、上のポストに行けるのは多くの場合、大卒や院卒の人間がメインのようです。

高卒で公務員を目指してみませんか?

高卒の公務員をめぐる実情についていろいろとみてきましたが、いかがでしたか?試験そのものは受験できる種類は限定されてはいますが、難易度の点では大卒に比べると低い方なのかもしれません。 一方で昨今の公務員を反映して受験倍率は高くなり、難易度も以前よりも上がっているようです。 めでたく採用された後の待遇は、大卒採用に比べると最初は給与の面では差はありますが、勤続年数を重ねて昇任していくにつれて、国・地方いずれにおいても大卒採用との差も気にならなくなるのではないでしょうか。 むしろ、高卒の公務員は勤続年数が大卒や院卒の公務員に比べて長めになるのが強みですので、意欲や能力、実績次第では給与の面で大卒の公務員などを超える可能性も出てきます。 来年度高校を卒業する方や、高卒の方で将来の進むべき道に迷っている人がいれば、高卒の公務員を目指してみるのも1つの手であると思います。ちょっとでも公務員に興味がわいたのであれば情報収集をお勧めします。

初回公開日:2017年02月27日

記載されている内容は2017年02月27日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
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