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アニメーターの平均年収が上がらない原因・改善策|海外との比較

就活ノウハウ

今や日本の経済を支える産業の1つとして大きな影響力を持つアニメ業界。今回は新人からベテランまでのアニメーターの平均年収、原画マンになると年収はどう変化するのか、そして度々番組などに取り上げられるアニメーターの収入の低さについて、その原因と改善策をまとめました。

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アニメーターの平均年収

最近よく「アニメーターの年収の低さ」がニュースやネットの話題として取り上げられているのをあなたはご存知でしょうか?「特に新人ともなると、アルバイトの方が多く稼げるというのが当たり前」という事をインタビューで伝えると、街中からも驚きの声があがります。これだけ世の中に浸透し、日本の文化とまで言われ海外からも注目されているのに何故アニメーターはこんなに稼げていないのか?順を追って詳しく解説していこうと思います。

新人の場合

まずデータとして、一般社団法人日本アニメーター・演出協会(JAniCA)の「アニメーション制作者実態調査報告書2015」より、2013年時点での全体の平均年収は332.8万という結果になっています。しかし作画担当のアニメーターは完全出来高制ですので(ベテランになってくると拘束料がはいることはあります)、まだ仕事に慣れていない新人の間は特にグロスという下請け会社の場合だと100万以下にもなります。作画の新人アニメーターは「動画担当」から始まります。そのため動画の平均年収が一番低くなります。少し作業量が増えてくると年収110万~200万程の期間が長く続きます。(動画の場合もある程度までは稼ぐことが出来ますが、それは作業量を増やすという事ですのでどうしても肉体的な限界があります。) アニメーターを志望するときによく志望先から「貯金はあるか?」「仕送りなどはしてもらうことが出来るか」という事を聞かれます。新人の間の年収が極端に低いため、入る前に別の収入源や貯金でやっていけるかを聞くのです。作業量が上がらなければ生活費すらも稼げず、この時点で辞めていく新人アニメーターが多いのが現実です。アルバイトの方が稼げるので兼業でアルバイトを始め、そのままアルバイトに流れていくといったこともよくあります。

ベテランの平均年収

「アニメーション制作者実態調査報告書2015」より、アニメーターも上を見ると年収600万を超えるアニメーターも少なからずいます。ベテランアニメーターの平均年収でいうと350万~400万が多いです。作画監督、監督クラスになると監督料が払われますので600万以上というのはたくさんいます。アニメーター全体の年収は確かに低いですが、低い人ばかりでもないという事は覚えておくと良いでしょう。さらに、監督や作画監督というのは確かに監督料のおかげで年収は上がりますが、その作業量をカット数で割っていくと原画マンや動画マンよりも低くなる、つまり労働と費用が見合っていない、という事実も同時に覚えておくと良いかもしれません。

原画担当のアニメーターの平均年収

原画担当のアニメーターとなると平均年収はおよそ200万~300万ほどになり、動画よりも収入は高くなります。原画マンは普通に仕事をこなしているだけでは収入も低いですが、上手く働き方を考えることで年収を上げることが出来ます。 例えば「拘束料」というものがあります。上手くなると「他の仕事を受けず、こちらの制作する作品のみを受けて下さい。」という風な内容で他の制作会社の仕事が出来ない代わりに拘束料が発生します。自分の興味のある作品の仕事を自由に受けることが出来なくなるという点はありますが入ってくる仕事の数と収入が比較的安定します。また、「半拘束」という場合もあり、「他の制作会社の仕事を受けるのは構いませんがこちらの作品を優先させて下さい」といった感じの少し緩めの拘束がかかることもあります。 「大手の制作会社へ入る」これも重要です。下請け会社の存在もアニメの制作には重要な存在なのですが、どうしても会社の維持の為に、制作会社から受けるカットの単価から会社の維持費としてマージンが取られることになるのです。つまり作品の制作会社に入って直接仕事を受ける場合と下請け会社に入ってきた仕事を受ける場合とでは単価が多少変わるということです。 「CMや劇場版の作画を受ける」上手くなるとCMや劇場版または遊撃(パチスロなどのアニメーション制作)のアニメ作画を任されることもあります。CMや劇場版などは製作費が多く回ってくるためTVシリーズよりも単価の高い仕事をすることが出来ます。こういった高単価の仕事も積極的に受けることで原画マンとしての平均年収よりも高い年収を稼げるようになります。

海外でのアニメーターの平均年収

次に、日本のアニメーターと海外のアニメーターはどれほどの年収なのかを比較していきます。 日本のアニメーター全体の平均年収は332.8万。それに対しアメリカのアニメーターの一般的な平均年収は650万ほどと、2倍程度の差があります。初年度の収入も平均360万と大きな差があります。もちろんアメリカのアニメーターすべてがこの年収というわけではありませんが、比較的高い収入を得ていると言えるでしょう。海外ではこういった芸術関連の仕事をする者に対しての保証制度が確立されており、福利や保険などの社会保障制度もしっかりしているという点も日本のアニメーターとの大きな違いです。アメリカだけでなくフランスなども同様に国の保証制度があります。フランスアニメーターの年収も一概には言えませんがおよそ336万~600万と年収は日本と変わらないか少し高いくらいですが、保証制度や「Conges Spectacles」といった長期の有給休暇があることを踏まえるとかなり優遇の違いがあると言えます。

何故アニメーターの年収は上がらないのか?

では何故日本のアニメーターの年収はこれほど低いままなのか、改善は出来ないのかといった面を掘り下げていこうと思います。

アニメの制作費が少ない

まずアニメの製作費自体が少ないというのが問題の1つです。TV局、スポンサー、出版社、などの制作委員会が制作費を決め、そこからアニメの制作費が回ってきます。その費用が少なく、更に少しずつ下がりつつあるといった現状でもあります。実際には費用が足りていないので制作会社で販売しているグッズやDVDなどの売り上げでカバーしていたりします。

出来高制

作画専門のアニメーターはベテランになると拘束料が発生したり監督・作画監督になると監督料が発生しますが、基本は出来高制です。作画監督にいくまではとにかくたくさんこなすしか収入を上げる方法がありません。ですのですぐに体力的な限界が来ます。

稼ぐという事にあまり関心がない人が多い

アニメーターになりたいという人は、皆入る時に収入の低さや長時間労働でなければやっていけない事を知った上で業界に入ります。つまり自分の好きなことが出来れば収入が低くても問題ないという考えの人が多いのです。なので生活費が稼げた時点でもう収入面は満足してしまうといったことが起こります。また、高単価は確かに魅力的ですが、安くても自分の興味のある作品の仕事がしたいといった人も多いです。

アニメーターの年収を上げる改善策はあるのか?

業界全体で出来る事

海外へ作品を広める

まず制作会社が出来る改善策の1つとして海外へ作品を広めることというのが挙げられます。ジャパニメーションとも言われるように日本のアニメは高い評価を得ており、特にフランスでは高評価です。DVDやグッズなどを海外でも積極的に販売したり、ネットで有料配信をするといったことが現在ではところどころで行われています。海外で知名度を獲得し制作費を集めたりスポンサーを募る活動は重要です。

アニメ関連グッズなどの販売戦略への意識を高める

アニメの制作費という項目でお話しした通り、制作費の一部を制作会社がグッズなどを販売することでカバーしている部分があります。そこで上手く収入を上げることが出来れば単価を上げることも可能ではないでしょうか。当然すでにそういったことは行っているところもありますが、上記のように海外へ目を向けたり新しい販売方法を確立するなど、制作費の段階で改善を試みる余地はまだまだあるように思います。

アニメーター個人で出来る事

大きい制作会社に入る

アニメーターが仕事をする場所として、主に制作会社、下請け、在宅の3つがあります。制作会社にデスクを置き仕事を直接受ける場合は初期の単価で受けることが出来ます。しかし下請けの場合は、会社の維持費などが単価からマージンとして引かれる場合がありますので、なるべく制作会社で仕事をする、もしくは在宅で制作会社から直接仕事を貰うといった形だと収入が比較的高くなります。

海外へ積極的に進出する

海外ではアニメーションは芸術としての認識が強く、高い価値がつけられます。海外からのアニメーション制作を請け負っている会社もなかにはあります。そういったところで仕事をするのも良いかもしれません。海外に直接行って仕事をするとなると2Dが主流の日本アニメーターだと少し難しいです。海外はすでに3Dが主流で手書きのアニメーションはもうほとんど作られていないからです。 また副業として国内外問わず同人誌や個人制作をして独自で販売するといったことも1つの手段です。

働き方次第で変わる

いかがでしたでしょうか。ニュースで取り上げられるようにアニメ業界の現実はとても厳しいものがあります。しかし働き方次第で収入を伸ばすことは可能で、実際に高収入を得ているアニメーターが居るのも事実です。アニメーターにも働き方は色々とあるのでもしもこれから目指すのであれば、収入を上げていく対策・計画を考えたうえで挑むことをオススメします。

転職すると給料・年収が上がるってホント?

新卒で入社していくらスキルを身につけても、スキルに見合った給料を払われるのではなく、その会社で行われ続けている昇給制度で、少しずつ給料が上がることがほとんど。 新卒入社で身につけたスキルは、現職よりも、転職時のほうが高く評価されやすいので、転職によって年収が上がります。 「でも、自分のスキルってそんなに評価されるかなぁ」という疑問は、転職エージェントに聞くことができます。特に、「DODA(デューダ)」は、求人数も多く、古くから運営されているため、求人の動向を詳細に教えてくれますよ。 来週にでも、「自分のスキルで転職して年収が上がるのか」を仕事帰りに聞きにいってみましょう。想像よりも自分のスキルへの評価が高くて驚くかもしれません。 ※相談は無料

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