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通勤経路の届け出方法と書き方・経路外で事故があった場合の労災

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通勤経路の届け出を書くのは入社直後や転居した時など頻繁にはありません。いざ届け出を書くとなった時に戸惑う人も多いはずです。届け出を書くときの心得、届け出の仕方、通勤手段毎の通勤経路図の書き方、労災との兼ね合い等、知っておくと便利な情報をまとめてみました。

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通勤経路は通勤費の計算に使うだけ

通勤経路の届け出の仕方を正しく理解するためにはそもそも通勤経路の届け出を出す目的が何かをまず理解しましょう。通勤経路の届け出を出す目的の第一は適切な通勤手当の算出です。会社の担当者は届出者の通勤経路と就業規則を照らし合わせ支払う通勤手当が妥当かどうかを判断したいだけなのです。通勤経路図をみて通勤事故につながるようなリスクの有無を判断するなどの他の目的はほぼないと考えて差支えありません。 それに対して届出者は様々な事情で書き方を迷うことがあります。例えば「普段は駅まで歩くけど、雨の日はバスに乗る。どっちも労災対象にするにはどうしたらいいだろう。」といった感じです。しかし、これらの悩みは無駄におわる場合がほとんどです。あらゆる出勤経路を網羅した届け出を作るのはそもそも無理があります。会社の担当者もそれを求めてはいません。通勤手当を決めるための通勤経路がひとつあれば十分なのです。 一般的には交通費が全額支給される会社が多いでしょう。であれば就業規則の範囲内で公共交通機関を最大限に利用した通勤経路を書くことを心がけましょう。

過少申告や労災認定への懸念は不要

気の使い過ぎて過少申告してしまう例は次のようなものです。 「実際には自宅から最寄り駅までバスも利用できるけど歩けない距離ではないし通勤手当を節約して会社に貢献しよう。」 このように考え無理をして通勤手当が安くなる内容の届け出をするのはやめましょう。実態として晴れた日は健康のために歩き、雨の日や急いで出社したいときはバスに乗ればいいんです。またこんなことで人事考課に影響することもおそらく皆無でしょう。もしそれを評価するような会社があれば別の意味で少し心配です。 労災認定の絡みで書き方を迷うのもやめましょう。労災認定の有無が通勤経路届の内容だけで判断されることはないからです。この点については後述します。

迷うことなくすぐ相談

通勤経路の届け出は就業規則の定めに従い所定の通勤手当を支払うための基礎情報にすぎません。それ以上でもそれ以下でもありません。ここを誤解すると無用な心配や労力を使ったり、迷ったあげく実態と異なる届け出をしてしまい後々後悔するかもしれません。もし就業規則と照らしわせると自分の希望する通勤経路が認められないかもしれないと思ったら、迷うことなくすぐに会社の担当者に相談しましょう。迷っている時間は無駄です。自分が納得するしないにかかわらず最終的な判断は会社の担当部署が就業規則にのっとり判断するだけなのですから。

通勤経路はコストと時間で表現

前述のように届け出の一番の目的は適切な通勤手当の算出です。よって通勤経路図を書くにあたり見た目のきれいさはさほど必要ありません(きれいであることにこしたことはないのですが)。自宅から最寄駅(またはバス停)までの移動時間および駅から会社の最寄駅(またはバス停)までのコストや移動時間が届け出から読み取れれば十分でしょう。 ひと昔前であれば病気等の理由で社員が出社しなくなった時にその社員の家を訪問するためにわかりやすい図を書くようにいわれたものです。しかし、ネット上の地図情報が容易に利用できる現在では自宅住所さえわかれば後は何となる場合が大半でしょう。 ではこの考え方を基本に交通手段別の届け出および経路図の書き方をみていきましょう。

電車やバスは検索システムを活用

「そんなの言われなくてもわかっているよ」と言われてしまいそうですがちまたのルート検索システムを使えば必要な情報すぐに手にはいるでしょう。必要な情報とは以下のとおり。 ・利用する全ての鉄道会社と路線名 ・発着駅、乗換がある場合は乗換駅 ・所要時間(会社によっては不要) ・運賃、定期代(会社によっては不要) 以下はこれらの情報をもとに書いた経路図のイメージ。 会社 | #1駅 |A鉄道AA線 所要時間20分 定期代(6ケ月)40,000円 #2駅 |B鉄道BB線 所要時間15分 定期代(6ケ月)30,000円 #3駅 |徒歩15分 自宅 ただし、首都圏に多いですが条件が類似した複数の経路が候補にあがることもあるでしょう。多少時間がかかるが運賃が安い経路がでてくることも考えられます。会社の担当者もこの手のシステムで届け出内容を精査するのは必定です。自分が届け出をする経路よりコストが低い経路がある場合は特になぜその経路を選択したのか明記しておきましょう。ただしこれは備忘のため記録に残すのが目的です。このような微妙なケースでも届け出の内容で迷うの時間の無駄です。会社の担当者に相談し落としどころを決めてからから届け出をしましょう。 承認されるかわからないけど取りあえずだしてみるというのはやめましょう。会社によっては通勤経路の決定基準はあくまでもコストが最優先、利用者の利便性は二の次という結果になる場合もあるでしょう。それでも規則は規則です。変に届け出内容を小細工するようなことはやめましょう。 バスを利用する場合は注意が必要です。バス利用には一定以上の距離条件があるのが一般的です。バス会社の証明書添付を義務づけてる会社もあります。パス利用条件はもちろんのこと証明書発行の方法なども事前に確認し滞りなく手続きを進められるよう準備しましょう。

車通勤は通勤費の支給規定の確認が重要

車通勤の場合は他の通勤手段に比べ支給規定が会社により多種多様です。極端な例ですが支給額が距離に関係なく一律であるのに頑張って詳細な経路図を作成しても無駄骨となってしまいます。逆に通勤距離に比例して通勤費が支給される規定であれば経路図作成は十分留意して取り組むべきです。さらに距離測定方法にも決まりがあるならその方法の確認も重要です。これらの情報を事前に確認してから経路図作成にとりかかりましょう。経路図の作成におけるおもな留意点は以下の通り。 ・国道や県道などのより大きな一般道を通る想定で作図する。 ・有料道路も利用可能であるか確認する。 ・裏道、抜け道などは記述はなるべく避ける。 道路状況は時間帯や道路工事の有無などに大きく左右されます。公共交通機関の利用に比べ流動的な要素が多いものです。臨機応変に経路を変更する必要に迫られることも多いでしょう。通勤に関わる規定がどこまで柔軟であるかを把握してから車通勤を選択するようにしましょう。

徒歩や自転車通勤は会社が近い時だけ

徒歩や自転車の通勤で経路図が必要になるのは会社が自宅から近い人が対象となります。「日頃運動不足だから歩いて通勤しよう」とか「大好きな自転車で通勤したい」といった理由で通常は電車通勤するような遠距離を徒歩や自転車で通勤する人は例外です。そのような人は公共交通機関を利用する内容で届け出をしましょう。そもそも悪天候の時や体調がわるい時にこれらの手段をとるのは必ずしも懸命ではありません。むしろ、交通機関を利用せざるをえないケースが多い事が容易に想像できます。 会社によっては自宅から最寄駅までの経路を詳細に書かせることがあります。そのような場合も考慮してよりわかりやすい経路図の書き方はこちらを参考にしてはいかがでしょう。

労災は労働者にとっての最後の砦

労働者災害補償保険法(通称「労災」)は労働基準法と同様に会社に比べ立場が弱い労働者を助けるための法律です。労災事故で労働者が困っている時に会社側の一方的な都合や言い分を鵜呑みにするような法律ではありません。例えば通勤労災について言えば通勤届の内容に関係なくそれが労災法が定義する"通勤"中に発生した事故なのかどうかで労災認定の判断をします。労災は時に会社から見放された労働者を助けてくれる最後の砦なのです。

届け出と異なる通勤経路での事故も労災認定

通勤経路の届け出に関していえば実際の事故発生現場が届け出経路範囲外であるからといって即座に労災非認定とはなりません。実態を鑑み通勤途中であると労働基準監督署(通称「労基署」)が判断すれば労災認定される可能性は十分にあります。 労災認定事例とその判断基準をより深く知りたい方はこちらが参考になるでしょう。内容を読むと「こんな時でも労災認定されるんだぁ。」と驚くことでしょう。

寄り道は通勤か否かの分かれ道

届け出した通勤経路途上の事故でも労災認定されない場合もあります。前述の労災認定事例をみていると「通勤経路の中断や逸脱」という言葉が頻繁にでてきます。労災認定の判断基準として使われる概念です。会社からの帰宅途中に食事や買い物をするのが「中断」。故意に遠回りしたり、車通勤の人が同僚を送り迎えしたりするのが「逸脱」。これら労災法でいうところの「中断」や「逸脱」にあたる行為があったと労基署が判断すれば届け出をした通勤経路内の事故であっても労災は認定されません。

通勤経路の届け出は誠実に

届け出た通勤経路と労災が定義する通勤とが必ずしも一致しないからとって会社への通勤経路の届け出をないがしろにしていいはずはありません。虚偽の通勤経路を届け出た場合は会社の就業規則に照らし合わせてペナルティーが課せられることも十分考えられます。「通勤手当でちょっとお小遣いかせぎ」なんてもってのほかです。会社から横領で訴えられるかもしれません。労災が助けてくれるのは「困っている」労働者です。“コマッタ人”は助けません。

働きやすい環境は自分で作る

通勤経路の届け出をする時は通勤手当規定と労災などの背景を十分に理解することが重要てある事はご理解いただけたでしょうか。特に「自分の希望する通勤経路が文字通り規定を適用すると受理されそうにない。」と思ったら会社の担当者にすぐに相談にいきましょう。ここを面倒に思ってはいけません。相談した結果、規定の理解不足だったり、規定外の柔軟な対応をしてくれたり物事がそれなりに早く解決に進むものです。急がば回れですね。 コミュニケーション不足で余計なトラブルを抱えるのは最悪です。自分の本来の業務に少なからず影響し、本人も会社もデメリットばかりです。働きやすい環境は自分の力で勝ち取りましょう。

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