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領収書の基本的な書き方と例・領収書と領収証とレシートの扱い

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領収書とは、代金支払い時に発行される「支払いの証明となる書類」であり、これは「二重請を防ぐ」という役割があります。領収証もレシートも領収書です。領収書の書き方には6つの基本事項と、それぞれの事項の書き方に関してはルールがあります。

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領収書とは何か

領収書とは、代金支払い時に発行される「支払いの証明となる書類」であり、これは「二重請を防ぐ」という役割があります。これらを担保するために、多くは法律ではなく、税務署対策または会社内の取り決めとして、書き方にルールがあります。

領収書の発行に関する法律

収書については、民法で「弁済したものは、弁済を受領した者に対して受取証書の発行を請求できる」(民法486条)と定められています。弁済は「代金の支払い」、受取証書は「領収書」を指します。つまり「代金の支払者は、支払を受領した者に対して領収書の発行を請求できる」となり、領収書の発行は代金の受取人の義務です。 ただし、上の規定は任意規定であり、当初の取引(契約)の時点で、当事者間で「領収証は発行しない」と合意されている場合は、発行義務はありません。 また、判例による「同時履行の原則」によって、代金の支払いと領収書の発行と同時に行われなければならず、受取人が領収書を発行しない場合は、代金の支払いを拒否できます。またこの原則から、領収書の再発行は拒否することができます。好意的に再発行されることもありますが、経費の水増し請求・二重請求につながる場合があります。

領収書の記載内容に関する法律

経理処理では、交通機関の運賃や慶弔費などの例外を除き、領収書ができないと、税法上経費として認められないとされていますが、実は税務署が経費計上を否認するには、計上された経費が架空であることを税務署が証明する必要があります(白色申告の場合を除く)。また、年月日、相手先、内容、対価の明記が必要であるとの誤解もありますが、これは消費税法の規定であり、税法では「上様」や「品代」という書き方でも認められます。ただし、法律上はそうでも税務署員は、これをなかなか認めません。効率が悪いからです。税務調査が入った場合に手間がかかるので、後述のように、「6つの要件」は記載した方が無難です。 消費税法における領収書の要件は、消費税の「仕入れ税額控除」を受けるためのものであり、領収書として認められるためには「発行者」「取引日時」「取引内容」「金額」「領収書の受取人」を記載している必要があります。したがって、レシートなどの「宛名なしの領収書」は「領収書の受取人」の記載がないため、原則では領収書としては認められません。ただし例外として次の事業に関しては、5つめの「書類の受取人」の記載は必要がないとされています。 1. 小売業 2. バス、鉄道、航空会社などの旅客運送業 3. 旅行に関する事業 4. 飲食業 5. 駐車場業

領収書の記載金額と印紙税に関する法律

領収書・受取書は、受け取る金銭または有価証券(以降、金銭等といいます)が「売上代金に係るもの」か「それ以外のものか」で税額が異なります。売上代金とは、資産の譲渡・供用または役務の提供に対する対価であることをいいます。したがって、借入金、担保保証金、保険金や損害賠償金などは売上代金に該当しないので、「それ以外のもの」に含まれます。 なお、営業に関しない金銭等の受取書は非課税です。「営業」とは、「株式会社などの営利法人や個人である商人が、おおむね営利を目的として、資産の譲渡・供用または役務の提供を繰り返し行うこと」をいいます。したがって、公益法人や商人以外の個人の行為は営業には当たりません。 印紙税額は、売上代金に係る受取書と、売上代金以外の受取書の区分によって、次のとおりとなっています。

領収書の記載金額と印紙税に関する法律

平成26年3月31日以前は、金額が3万円未満の領収書・受取書の印紙税は非課税とされていました。1000万円以上の場合の印紙税はもっと複雑なので、次のサイトを参照してください。

領収書と領収証とレシート

国税庁のHPでの記述を整理すると、「「受取書」、「領収証」、「レシート」、「預り書」や、受取事実を証明するために請求書や納品書などに「代済」、「相済」とか「了」などと記入したものや、お買上票などは、受取書や領収書に該当する」と明記されています。つまり領収書と領収証の役割は書類名の書き方が違うだけで、実質的には同じものです。「レシート」には「領収書の受取人」の記載がありません。 税法上で領収書は「金銭または有価証券の受理を証明するために作られた受取書」されており、支払い先や領収書が発行された日付、支払った金額や明細が記載されていれば、領収書ではなく、レシートでも有効です。さらに、消費税法でも、領収書という言葉は記載されておらず、「事業者に交付する請求書、納付書やこれに類する書類」としか書かれておらず、領収書は「これに類する書類」に当たるので、領収書もレシートも同等の書類ということになります。

領収書の書き方:6つの要素と書き方の基本ルール

十分な前置きの後で、やっと書き方の話に入ります。領収書には「発行者」「取引日時」「取引内容」「金額」「領収書の受取人」がなければいけないなどの「基本ルール」がありますが、これらの書き方のルールは多くは法律ではなく、「税務署に容易に認めてもらうため」と「社内の規則」です。これらの記載がないと、経費の不正計上・二重計上を発見できないからです。次の例に対して書き方を説明します。

領収書の書き方:6つの要素と書き方の基本ルール

①発行日の書き方:

領収書発行の日付を記載します。相手から「日付は空欄で」と言われた場合でも必ず記載します。日付が空欄の領収書は、将来未払の金額に対して使われたり、経費の不正計上に使用されることになります。

②受取人の書き方:

受取人の名前(多くは会社名)は正式名称を記載する必要があります。会社名の誤記は税務署による否認につながるので、㈱と略した書き方は避け、マエカブ/アトカブにも気を付けます。「上様」でも本来有効なのですが、税務調査が入った場合に、特に金額が大きい場合は、経費として認められないことがあります。 レシートの場合にはこの「受取人」がありません。これでも立派な領収書なのですが、経理課が受け取らない場合もあります。他の人がもらったレシートでも経費にできるからです。ですからこの場合には、改めて領収書を書いてもらった方がいいでしょう。

③金額の書き方:

金額の書き方は、領収金額を改ざんができないように考えられています。「前後を¥とーではさむ」か、「前後を金と也ではさんで」数字を書き加えられないようにし、かつ3桁ごとに「,」を入れます。 金額の先頭に通貨記号、末尾にハイフンを記入した例を示しておきます。

③金額の書き方:

手書きの場合は、壱・弐・参・四・伍・六・七・八・九・拾というように難しい漢字表記を使用する書き方もあります。

④但し書きの書き方:

何に対する支払いなのか、品名などを記載します。「品代として」という書き方では品名がわからないので、経費の否認につながることがあるので避けます。会社としても、会社にとって必要のない物でも「品代」として処理できてしまうので、経費の浪費につながります。 品代を詳細に記した領収書もあります。まあこれは、請求書と領収書の品代を共通にした例だと思いますが、こういうものもあります。

④但し書きの書き方:

⑤5万円以上では印紙が必須:

5万円以上の領収書は印紙が必要です。前述の印紙税の項を参照してください。印紙税法に従った印紙の貼り付けが必要です。

⑥ 発行者はゴム印でも可:

発行者の住所・社名(氏名)を記載し、領収印を捺印します。これは手書きでもゴム印でも構いません。角印を求める方もいます。取扱者印に発行者の認印を押してあれば、後で誰が出したかがわかります。

印紙を貼るのは誰か

これは大きな問題です。「印紙を貼るのはだれか」ということは、書類を作成した場合の印紙税を負担するのは、領収書を作った側か領収書を受け取る側かということです。収入印紙の貼り付け義務は、商品または役務を提供し、「代金を受け取った側」にあります。税務調査を受けた際も、「買った側」ではなく「売った側」に徴収がいきます。したがって、収入印紙のない領収書をもらってもこれは有効です。

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