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請求書への印鑑は法律的に必要?押す位置は?印刷や電子印はOK?

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請求書と聞くと、押印が必須だと思ってはいませんか?実は、法律上は請求書に印鑑を押す義務はありません。請求書に印鑑を押すように定めているのは、法律ではなく社内内規です。ここでは、印鑑の意義と、法律と押印の関係を紹介します。

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請求書に印鑑を押す必要はある?

請求書と聞くと、押印が必須だと思ってはいませんか?実は、法律上は請求書に印鑑を押す義務はありません。ここでは、印鑑の意義を考えます。

結論から言えば、請求書に印鑑を押す必要はありません。 法律的にも、印鑑を押さなければ請求書として有効とされないなどといった規定はないのです。印鑑どころか、一般的な請求書に関してはそもそも規定もなく、電話など口頭で請求したり、メールで請求したりしても構わないのです。 会社に所属している人であれば、会社の方から「請求書には印鑑を押してください」と言われた経験があるかもしれませんが、それはあくまでもその会社での内規です。

なぜ請求書に印鑑を押すのか?

法律的には請求書に印鑑を押さなくていいのですが、実際には多くの場面で印鑑を押すよう求められます。何故でしょうか? まず、トラブル回避と言った理由があります。印鑑を使うということは書面があるということです。支払いという、お金が絡む大事な部分に関しては書面があったほうが安心です。口頭だと証拠が残りませんし、メールだと読み飛ばされたり消去されたりする可能性があるからです。 しっかりと書面を作成し、印鑑を押すことで、その書類がコピー等されていない一点ものであるということをわかりやすくするのです。これには、偽造や不正を防ぐという側面もあります。ただ、多くの人や会社はそこまで深く考えず、なんとなく慣習的に押している部分が大きいです。

印鑑のある請求書とない請求書の法律上の違いは?

印鑑のある請求書とない請求書とでは何が違うのでしょうか?法律上の違いを理解しましょう。

印鑑を押された請求書

請求書は法律上「私文書」になりますが、印鑑を押されている請求書を偽造した場合は「有印私文書偽造」という罪になります。3ヶ月以上5年以下の懲役が課せられます。

印鑑が無い請求書

一方、印鑑のない請求書を「無印私文書偽造」という罪になります。これには1年以下の懲役、または10万円以下の罰金が課せられます。

有印私文書偽造の方が重い罪になるので、偽造を防ぐ効果が高くなると言えます。印鑑の有無によって請求書の効力が変わることはありませんが、請求書を偽造・変造したことによる刑事罰の種類が変わってくるのです。

印鑑を押す位置

ここからは、法律などとは関係なく、ビジネスマナーとして請求書に印鑑を押すことを考えてみましょう。 印鑑を押す位置は、基本的には自分の名前や会社名の末尾に押します。この時、多少名前にかぶるように押しましょう。 もちろん、「印」などの欄があり、その位置に押すようなフォーマットがある書類の場合は、指定された位置に押します。この時、当然ながらズレやカスレがないように気をつけて押してください。

個人で請求書を発行する場合に使う印鑑は?

会社組織に所属していれば、請求書に使う印鑑は各々指定された物を使えばいいのですが、個人で請求書を発行する場合にはどのような印鑑を使えばいいのでしょうか。 これについても法律上の規定はありませんが、個人で請求書を発行し、印鑑を押す場合は、一般的に認印で構いません。たまに「実印でなければならない」「銀行に届け出た印鑑でなければならない」という人もいますが、そもそも請求書に印鑑を押さなければならないという規定はありませんので、間違っています。

印鑑はスムーズな取引をするのに必要

ならば印鑑を押さなくていいという考え方もあるのですが、相手方の経理担当者が「請求書には印鑑が必要」と思っていることもあるので、それほど手間でないのなら印鑑を押してあげた方がスムーズに支払を受けられます。 なお、会社組織等では主に「角印」という印鑑が請求書に使われます。個人向けの印鑑と違って立派に見えますが、実質的にはこれが会社の認印的な扱いをされていますので、法人であっても請求書には認印を使っていると言えます。

印鑑のデータを印刷したものでも問題ないのか?

会社や個人によっては、印影をデータ化して、請求書に印影のデータを載せて、それを印刷して相手先に送付するといった場合があります。 毎日大量の請求書を作成しなければならない会社の場合、いちいち全ての請求書に印鑑を押すのは大変です。データで処理できれば、その方が迅速に処理できますし、ズレやカスレといった手作業に特有のミスも防げます。 印鑑のデータを印刷した請求書でも、法的には有効に機能します。ただし、取引先によっては、印刷された印鑑は受け付けてくれない場合があります。変造や不正のリスクを考慮して、そういった内規を作っている会社も存在しますので、印鑑のデータを直接請求書に印刷したい場合は、前もって問い合わせておいた方が余計なトラブルを防ぐことができます。

電子印でも問題ないのか?

電子印であれば、請求書をプリントアウトしなくても、メールで請求書を送ることができます。紙代やインク代、郵送費の節約になるのですが、取引先によっては電子印を認めてくれないところもあります。 電子印の有無に関わらず、請求書の効力は有効です。電子印の使用を断る会社等の場合は、単純にその会社の内規的な問題で断っているだけです。こういった場合、相手の内規の問題とは言え、それに合わせて対応した方がトラブルになりません。 なお、請求書を相手方にデータで送るときは、WordやExcelファイルだと加工されてしまう場合があります。不正目的で変造する人もいますが、そうでなくても請求書を閲覧中にうっかりキーボードに触ってしまい、金額の欄を消してしまうといった人的ミスの可能性がゼロではありません。 こういったことを防ぐために、請求書はPDFファイルに変換してから送付すると良いでしょう。WordやExcelが開けない人でも、PDFであれば大丈夫です。

印鑑の使用は、相手側に合わせる

これまで見てきたように、法律的な面から考えれば、請求書に印鑑は不要と言えます。とは言え、印鑑の不使用にこだわって相手と揉めてしまい、関係が悪くなってしまっては支払いに影響が発生するかもしれませんし、将来的に尾を引く問題になるかもしれません。 例え法律に規定がなくても、相手には印鑑が必要な事情があると考えて、柔軟に対応するのがトラブル回避の道と言えます。請求書は、スムーズに支払いを受けるためのものです。お金をもらうはずの請求書の形式にこだわって、お金がもらえなくなってしまうのは本末転倒です。 相手方に合わせて対応した方が、無用なトラブルに関わる時間やコストがなくなるので、結果的に得になるでしょう。

わからなければ経理担当者へ連絡

請求書を作る場合、印鑑を使う必要はないのですが、相手方がどのような請求書を望んでいるかを知ることは大切です。 不明点があれば相手方の担当者に問い合わせて、印鑑は必要か、電子印やデータでも良いか、メールに添付して送付しても良いのか等を尋ねると良いでしょう。相手方も、社内のルールに則っていない請求書を送られるのは迷惑なはずです。事務の手間を省くためにも、会社内のルールに適した請求書の書き方を教えてくれます。場合によってはテンプレートを送ってくれることもあるので、それを利用すれば間違いはありません。 お互いの手間を省く意味でも、わからないことは念のため質問しておくといいでしょう。

結局、請求書に印鑑を押す意味とは?

法的には意味のない請求書の印鑑ですが、偽造防止やビジネスマナー、慣習として扱われている部分が大きいと言えます。 印鑑を押すことで、不正な書類ではないことを可能な範囲で示し、相手方にある程度の安心感を与え、そこからスムーズな取引に移行することができます。そうすれば次のより大きな仕事に繋がる可能性も高くなります。 法律に規定がないからと言って印鑑の使用を拒み続けていては、単に「面倒くさい取引先」の烙印を押されかねず、避けるべき事態と言えます。 相手が希望する形の請求書を発行するのは、ある種のビジネスマナー的な意味があると考え、しっかりと対応してください。

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