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「給料から天引きされる税金」と「手取り額」の計算方法・貯金方法

税金

手取り給与(給料)は、支払給与(給料)から社会保険料、所得税と住民税を天引きしたものです社会保険料は健康保険と厚生年金保険などであり、所得税は源泉徴収、住民税は特別徴収されたものです。「天引き」をうまく利用すると、節税になって同時に利子が増えます。

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手取り給与(給料)とは何か

「給与(給料)が30万円もあるのに、手取りは1割以上少ない!どうして!?」これがサラリーマン1年生の最初の悲鳴でしょう。それは、会社員は毎月の給与(給料)から、社会保険料を支払い、税金を納付しなければならないからなのです。したがって手取り額は、「支払給与-社会保険料-所得税-住民税」となります。 下に「給与明細」の典型例を示します。昔々は給与(給料)とこの明細が封筒に入れて一緒に渡されましたが、今は給与は銀行口座に振り込まれ、この明細だけが多分封筒に入るか明細自体の周囲が糊付けされて渡されています。この紙に、給与(給料)の明細が記載されています。

手取り給与(給料)とは何か

社会保険とは何か

日本の保険制度は「国民皆保険」(こくみんかいほけん)、「国民皆年金」(こくみんかいねんきん)といって、国民全員が何らかの保険・年金に加入することになっています。そして法人の場合には全社員が「協会けんぽ」と略称される「全国健康保険協会」の運営する「社会保険」か、企業などが共同で運営する社会保険組合に加入する義務があります。これは個人事業者など、社会保険に加入しないすべての人は各区市町村が運営する国民健康保険などに加入します。 社会保険を管理・運営する公的機関「全国健康保険協会」は各都道府県の支部ごとに独立して運営しているため、保険料率は全国一律ではなく各都道府県ごとに決定され、また毎年定期的に改定されます。社会保険組合が運営する社会保険も組合が異なれば保険料が変わります。したがって、若い人材が多く高齢者が少ない業界の社会保険は保険料が安いということが起きます。

社会保険の構成

社会保険は狭義では「健康保険」「厚生年金保険」で構成され、広義の場合には「雇用保険」や「労災保険」なども含みます。「労災保険」は全額会社負担なので、給与(給料)からの天引きはありません。 上に挙げた「給与明細」の様式には「介護保険」の欄もありますが、これは65歳以上の従業員のためのもので、40歳以上65歳未満の従業員の介護保険料は健康保険の中に含まれて給与(給料)から天引きされます。40歳未満の従業員には介護保険は課されません。「健康保険」「厚生年金保険」「介護保険」「雇用保険」を以降の項で述べます。

「健康保険」と「国民健康保険」は医療保険

法人から給与を受ける被保険者が加入する「健康保険」と、それら以外のすべての被保険者が加入する「国民健康保険」は「医療保険」と呼んだ方がわかりやすく、これらはケガや病気、出産、死亡に対する保障制度です。医療機関で支払う医療費は全体の一部だけであり、残りの部分は医療保険がカバーしてくれます。その「一部」の比率は「一部負担金の割合」といいます。これは年齢だけによって次のように決められています。これらは「健康保険」の場合も「国民健康保険」の場合も同じです。 ○小学校入学前        2割 ○小学校入学以後70歳未満  3割 ○70歳以上         1割 ただし、70歳以上の高齢者の保険負担割合は恐ろしく複雑であり、1割負担、2割負担、3割負担の3つの場合があります。

「厚生年金保険」は将来への備え

法人から給与(給料)を受ける被保険者が加入する「国民年金保険」と、それら以外のすべての被保険者が加入する「厚生年金保険」はともに「年金保険」であり、老後の生活、障害、死亡に対する保障制度です。積み立てた金額に応じて老後に年金が受け取れるほか、病気やケガで障害を負った場合に受け取れる障害年金や、加入者本人が死亡した時に遺族が年金を受け取れる遺族年金などがあります。 「厚生年金保険」は本人のみならず会社が本人と同額を支払うために、「国民年金保険」と比較すると、将来受け取れる金額が大きく変わります。

「厚生年金基金」は企業の厚生年金

厚生年金と厚生年金基金では、同じ「厚生年金」という言葉が使われていますが、厚生年金は国が運営する「公的年金」であるのに対し、厚生年金基金は企業が運営する「企業年金」です。厚生年金基金を含む「企業年金」とは、企業が従業員の老後の生活保障をより手厚くするために作られた制度です。従って、企業年金に加入していれば、年金をたくさん受け取れることになります。 厚生年金基金を設立するには所定の要件を満たす必要があるため、会社員の皆さんが全員、基金に加入しているわけではありません。会社が厚生年金基金に加入していれば、厚生年金に加入している従業員は自動的(強制的)に厚生年金基金にも加入することになります。

「介護保険」は老後への備え

高齢者などで介護が必要な人に対する保障制度で、40歳以上の人に加入が義務付けられています。これに加入することによって、訪問介護や老人福祉施設の利用などの各種サービスを受けられます。 保険料は、40歳以上65歳未満の人(介護保険2号被保険者といいます)は健康保険や国民健康保険などの医療保険に含まれて会社給与から天引きされ、65歳以上(介護保険1号被保険者といいます)になると医療保険と切り離されて、原則として年金から天引きされます。

「雇用保険」は失業への備え

この保険は従業員の雇用の安定や雇用の促進のための保険制度であり、これに加入することによって、失業した際に一定期間給付金を受け取ることができます。これがいわゆる「失業手当」です。しかしこれだけではなく、従業員向けの「教育訓練給付」、「育児休業給付」、「介護休業給付」など、会社向けの「キャリアアップ助成金」や「トライアル雇用奨励金」なども子よ保険によって運営されています。

社会保険料の計算方法

社会保険料は、「標準報酬月額」に各保険ごとの料率をかけて算出します。「協会けんぽ」の場合の平成28年9月分~平成29年8月分の東京都民の負担率を説明します。40歳未満の場合の健康保険料の料率は9.96%であり、40歳以上の場合は介護保険分が加わって11.54%になります。厚生年金保険料の料率は18.182%です。いずれも会社と本人で半額ずつ負担します。 少し文字が細かいですが、狭義の社会保険料についてのほぼすべての情報が次の頁に掲載されています。

社会保険料の計算方法

(出典:全国健康保険協会HP)

例えば、東京都在住39歳で月額報酬40万円の人の場合は、健康保険料は40,836円であり、会社と本人が各20,418円ずつ負担します。厚生年金保険料74,546円(会社と本人が37,273円ずつ負担します。平成28年度の「雇用保険料」は、一般の事業の場合、労働者の負担割合が0.4%、事業者の負担割合が0.7%となっているので、月額報酬40万円の人の場合は、1,600円となります。したがって、社会保険料の従業員支払額は20,418円+37,273円+1,600円=59,291円となります。

所得税の給料からの天引きが源泉徴収

会社員の方は、自ら確定申告をして税金を納税する必要はなく、会社が給与から「所得税」や「住民税」を天引きして納税しており、その残額が「手取り給与」として支払われます。所得税は1ヵ月あたりの所得税の「概算額」を「源泉徴収」し、「年末調整」でその年の所得税の正確な額が決まります。この1年間で天引きされた所得税額が源泉徴収票上の「源泉徴収税額」よりも多ければ、その差額分が還付され、不足分は年末の給与から差し引かれます。これが会社員の所得税の納税のしくみです。 年末調整では、当年の所得税が確定するとともに、翌年の住民税も確定します。したがって翌年に天引きされる住民税は最初から確定金額で、この徴収は「特別徴収」と呼びます。 給与所得の控除項目の主なものは、「給与所得控除」「基礎控除」「社会保険料控除」「扶養控除」「配偶者控除」「配偶者特別控除」「生命保険料控除」「地震保険料控除」「医療費控除」の9種類あり、これらに関しては「所得税」の頁で詳しく解説したのでそちらを参照してください。 これらの控除項目は次のように3つに分けられます。 (1) 源泉徴収段階で控除されるもの (2) 年末調整段階で控除されるもの (3) 確定申告しなければ控除されないもの これらの分類は国税庁による次表に示します。これは、国税庁HPの「給与所得の源泉徴収事務」に収録されてい表です。

所得税の給料からの天引きが源泉徴収

源泉徴収税額の計算方法

所得税と復興特別所得税は次の表にしたがって概算額を徴収されます。これは、国税庁HPの「給与所得の源泉徴収税額表(月額表)」に収録された表です。9頁もあるので、1頁だけ表示しておきます。この表では、基礎控除と扶養控除は織り込み済みであり、ほかの源泉徴収時に適用される所得控除はすべて控除してから計算します。

源泉徴収税額の計算方法

例えば、上に示した東京都在住39歳で月額報酬40万円の従業員の社会保険料の支払額は59,291円であり、社会保険料等控除後の給与等の金額は、340,709円(400,000円-59,291円)となります。この従業員が2人の扶養家族がある場合、上の月額表の「その月の社会保険料等控除後の給与等の金額」欄で、340,709円が含まれる「338,000円以上341,000円未満」の行を求め、その行と「甲」欄の「扶養親族等の数 2 人」の欄との交わる ところに記載されている金額6,720円を求めます。これが源泉徴収する税額です。

住民税の給料からの天引きが特別徴収

住民税には主に、前年の所得金額に応じて課税される「所得割」と、所得金額にかかわらず定額で課税される「均等割」があります。所得割は前年の1年間の所得を基準に計算されて毎月の給与(給料)から天引きされ、年末調整で確定します。具体的には、課税所得金額に道府県民税または市町村民税の税率を掛け、それから税額控除して税額が決定します。 所得割額=(前年の総所得金額等-所得控除額)×税率-税額控除額 この所得控除と税額控除は非常に複雑になっています。所得控除は、国税である所得税とほぼ同様のものが、地方税である住民税にも用意されています。東京都主税局HP「(6)個人住民税の所得控除の一覧表」を示します。この金額はほぼ毎年変わると思ってよいので、最新のものを見る必要があります。

住民税の給料からの天引きが特別徴収

税額控除には、配当控除、外国税額控除、寄附金税額控除、調整控除、配当割額及び株式譲渡所得割額の控除と住宅借入金等特別税額控除(住宅ローン控除)があります。しかし、所得税のように納税者共通の定額控除はありません。

住民税の税率は一律10%+定額5000円

住民税の「所得割」と「均等割」は非常に簡単であり、次の金額が給料から天引きされています。  所得割:市町村民税6%+道府県民税4%=合計10%  均等割:都民税は1,500円+区市町村民税3,500円=合計5000円 詳しくは自治体のホームページをご参照下さい。平成26年度から平成35年度までの間、地方自治体の防災対策に充てるため、都民税・区市町村税の均等割額にそれぞれ500円が加算されています。

「給料からの天引き」を逆に利用してしまおう

給料からの社会保険料や税の天引きは、払うべきものを払っているのですが、給料が勝手に減ってしまったような印象もお持ちでしょう。しかしこれは、視点を変えるととても便利なしくみでもあります。勤め先に「財形貯蓄制度」がないか聞いてみてください。 財形貯蓄制度は「給料からの天引きを利用して確実に貯めることのできる制度」のことであり、節税にもなるうえに、会社は多くの場合、従業員の貯蓄を推進するために利子を補給してくれます。また将来融資を受ける際にも有利になります。財形貯蓄には、一般・年金・住宅の3種があります。 ○一般財形貯蓄 給料から一定額を天引きして行う、自由に引き出せる財形貯蓄であり、車購入・旅行・結婚・引っ越し等に柔軟に利用できますが、利率は小さくなります。勤務先によって払い出し受付期間や、払い出し日が決められています。1年経てば、いつでも引き出しができます。 ○財形年金貯蓄 給料から一定額を天引きして行う、老後に備える財形貯蓄です。 ○財形住宅貯蓄 給料から一定額を天引きして行う、住宅の購入や建築に備える貯蓄です。 「財形年金貯蓄」と「財形住宅貯蓄」は、合わせて貯蓄残高550万円まで利子等に税金がかかりません(会社が補給した利子は所得になって課税されます)。1年以上貯蓄を行い、残額が50万円以上ある場合は「財形持家融資」の利用が可能となります。「財形年金貯蓄」と「財形住宅貯蓄」は、その目的以外で引き出すと、解約する事になり、5年間さかのぼって利子に税金がかかります。

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