「全員がコードを書ける組織づくりをする」国内の企業文化に変化を与える福岡の企業MAISIN&CO.が語る企業文化とプロダクト開発

入門

福岡を拠点とするスタートアップ「MAISIN&CO.」2015年8月末に、コードの記録と共有を目的としたサービス「BOOST」β版をリリース。CEOの横溝一将氏がエンジニア100人にヒアリングを行ったところ、コードのメモを様々なツールに分散させていることを知り、「BOOST」着想に至る。

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「BOOST」はもともと自社ツールだった。

「開発前のお話を聞かせていただこうと思います。かなりヒアリングされたとお聞きしました。どういう経緯でBOOSTはできたのですか?」 横溝一将氏(以下横溝氏):そうですね。ヒアリングはかなりしました。ですが、BOOSTが出来た経緯は、ヒアリングからというより、昔割とEdTechよりのプロダクト作っていたことと関係しています。数式描画ツールみたいな。あまり当たらないのを作っていて、数式描画ツールを作っている時に、うちのCTO、彼と技術のシェアをする時に、マークダウンで彼がまとめたファイルを、Slackやメッセンジャーで自分に投げてもらって、それを自分が解読して、ローカルのファイルにまとめるみたいなことをしてたんです。 まとめた後もまた分からなくなったらエディターで開いて確認する、みたいなのをやっていて、凄い非効率だなと思ったことが根源にありまして。最初はもう自分たちの社内ツールとして作ってみたんですけど、「お、これいいんじゃないかな」という感じで数式描画ツールを捨てて、こっちをやることにしたっていう感じですね。 「なるほど。起業当初の2014年は、数式描画ツールをやっていたんですね」 横溝氏:はい。2014年の4月1日に登記しました。あのときはビーコンでクーポンサービスやろうとしていて。まったくうまくいきそうじゃなかった。その後色々機会を頂いて、東京に去年の12月に出てきてそこからサービス作り始めたっていう感じですね。4,5回ピボットしてやっと出せたっていう感じです。 「最初は全然違うサービスをやられていたんですね。横溝さんも書かれているんですか?」 横溝氏:自分は書いてないんですけど、今サービスは作ろうとしていて、そっちの方で書いてるっていう感じですね。

オープンソース寄りにマネジメントしたい。

「BOOSTの企画は偶然というか、そういう流れなんですね。」 横溝氏:はい。自分たちの為に作ったっていう感じですね。一部はオープンソース化して、公開しようとも考えています。 「なるほど。そういう思考なのは珍しいですね」 横溝氏:というよりも実はこのあともう一個プロダクト出す予定でして。Electronってご存知ですかね。GitHubが作ってるオープンソースなんですけど、BOOSTはMacのアプリなのにObjective–C書いてないんですよね、Swiftも。Electronのいいところが、Electronっていう基盤にのせると、JavaScriptだけでネイティヴアプリが作れるんですよ。まだPCだけなんですけど。 Electronの基盤にJSをのせて、具現していて、何故WindowsもLinuxもすぐ作れるかというと、全く同じなのでちょっと仕様を変えるだけでそっちも作れちゃうっていう感じになっていて。ただまだ、割りと近年出たばかりのオープンソースなので、基盤技術はしっかりしているんですが、それを応用させようとすると厳しいものがあるんですよね。 ですので、そちらの方面の支援サービスも並行して開発・テストも行なっています。実はBoostの裏側で動いてたりするんですけど。もしElectronで開発されている方がいらっしゃったら、是非ヒアリングにお伺いしたいと思っています。 「なるほど。Electronで開発されてるエンジニアの方とかいたら連絡してもらいたいですね。横溝さん自身も開発はされていたんですか?」 横溝氏:いや、全くやってなくて、起業してからもしばらくやっていなかったんですけど、うちのCTOがやれやれって言ってきて、俺はやらないって言ってたんですが、ずっと言われるので諦めました(笑)やってみたら意外と楽しくて、そこからですね書きだしたのは。

CTOとの出会い。

(代表の横溝氏。東京と福岡の二拠点、東京オフィスで取材を行った) 「CTOはChoiさんという方ですね」 横溝氏:はい。Junyoung Choiっていう韓国人が共同創業者でCTOです。 「Choiさんとは、どういう経緯で会われたんですか?」 横溝氏:福岡の、自分は北九州の大学に行ってたんですけど、それから福岡に出るようになった時に偶然出会い、最初は変なやつがいるなと思いつつ色々相談してたのですが、次第に意気投合して、という感じでした。 「それからビジネスプランを設計するときとかも一緒にやっていたんですか?」 横溝氏:はじめのうちはそうでしたね。最近はほとんど開発に専念してもらっていて、Boostのプロダクトマネージャー板垣を中心に企画やビジデブをやっています。主な設計とかはCTOに任せるっていう感じになります。 「なるほど。日本でオープンソースに目をつけているっていうのは珍しいですね」 横溝氏:なかなか日本ではないけどやっぱりそこが課題だとも思っているので、そこを何とかしたいなというのもありますよね。

全員がコードをかける開発体制を目指す。

「開発環境についてお伺いしたいのですが、サイト拝見した感じだと言語指定もされていませんでしたね」 横溝:はい。だいぶ大きいリファクタリングを3回くらいやってきていて、最初PHPベースで、Laravelなんですけど、あれでバックエンド組んでました。ただ日本で採用をするってなった時にLaravel人口が少なすぎるので、これじゃ厳しいなっていうのと、Nodeにした方が早いよねっていうのでNodeに移したのが3ヶ月前くらいですね。 あと、フロントも最初はAngularJSで組んでたんですけど、それからAngularJSのコンポーネントの管理が複雑になってきて、React.jsに移したのが2ヶ月くらい前ですね。それと、と、CSSのフレームワークはCTOが自作したのを使用していて、それもオープンソースで公開しようかなと思っています。それを使っているのと、AWS、データベース周りですかね。あとElectron。 「なるほど。投資ページに書いてある福岡発のオープンソースのSaas系っていうのはかなり的を射た印象ですね」 横溝:ありがとうございます。うちは組織としては、全員がコード書ける組織にしたいので。全員がコード書ける組織がうまれるだけでだいぶ違う。

世界に目を向けてプロダクトを作る

横溝:今年の7月に、韓国のBonAngels PacemakerFundと、スローガン株式会社が組成されたスローガン・コアントLLP、そしてedTech領域に特化してシードの支援をされているVilingventure Partnersの3社から、資金調達を実施しました。 「なるほど。どうして3社からの投資を受けたのですか?」 横溝:話を進めていた時はプロダクトも全然形になってなかったですし、こういう世界を作るんだっていう熱意を見て支援を決めて頂いたような感じですので、そこへの共鳴を頂いたのが一番大きかったかなとは思います。 「珍しいファンドばかりですね」 横溝:最近できた所ばかりなので。Bonさんは僕たちが最初の方ですね。これから日本に行くぞっていう時にお会いした感じですね。やっぱりエンジニアは韓国の方が日本よりも多いので。そっちにも切り込んでいけたらなっていう。 「そうなんですね。海外展開も結構考えられてるんですか?」 横溝:というよりあんまり日本は考えていなくて。これまでの感触とかだと、アメリカとかの方が引き合いがいいので、プロダクトとかも。やっぱり日本でやってもなというのが前からあったので海外かなという感じですね。 「BOOSTのLPに入ったら英語で、全然日本見ていないなと思いました(笑)」 横溝:分かりにくとの声を結構頂いてしまいました(笑)その後急いで日本語版も作りました。今のとは言え、まだまだコンセプトを伝えきれていない部分があるので、来月予定しているBoostの大規模なアップデートに合わせてLPも変更しようと思っています。

自由な働き方で進んで行く。

「採用は日本でもやるし海外でもやるんですか?」 横溝:うち、就業規則にも書いているんですけど、働く場所や時間帯を定めていなくて、どこでいつ働いてもいつさぼってもどうぞっていう感じにしてるので、どこでもどうぞっていう感じですね。今現在僕とCTOもフルリモートですし(※横溝氏は東京、CTOのchoi氏は福岡で仕事をしている)。自由と責任の範囲で、仕事を誰もが楽しめる働き方を提唱していきたいと思っています。 「文化と働き方に結構目を向けてるんですね」 横溝:GitHubとWordPressを作ってるAutomatticっていう会社みたいにしたいなっていう感じですね。こういう文化にずっとしていけたらとは思っています。

あきらめが悪い奴と仕事がしたい。

「採用の基準、人物像をお伺いさせてください」 横溝:もちろん理想論で語り始めると、インフラ周りのスペシャリストですとか、UXの専門家ですとか、キリがありません。ただそうでなくても、うちに次入ってくれそうな人とかそうなんですけど、というかその人がまさにうちに入って欲しい像なんですけど、プログラミングを学びたいっていう姿勢を常に持っていて、CTOは凄い優秀なプログラマーで、気も凄く強くて自分にも他人にも厳しい人間なんですけど、そのCTOに、普通にガツガツ質問できるようなしぶとい人。あと、あきらめが悪い人、ですね。それだけです。 「プログラミングの初期知識みたいなものは?」 横溝:それは全然なくていいです。 「なるほど。働き方はハードですか?」 横溝:いや、そんなことはないと思います。会議とかはまぁハードですけどね。あと、働く時間指定していなので、昨日もそうだったんですけど、夜の2時くらいにSlackが鳴り出すっていうのも結構あって、寝れないっていう(笑)だからその点でも、プログラミングの知識だけではなく、やる気・しぶとさ・知識欲がある人と一緒に働きたいと思っています。 [後記] 今回聞いた、横溝氏の思想の裏には、CTOのChoi氏の思想も大きく影響しているように感じた。日本的なスタートアップ観ではなく、海外へ進出し技術を公開する。その上でビジネスを成立させていくというモデルはもちろんだが、時間に制約のない働き方、全員がコードを書ける組織づくりなど、事業面、そして組織づくりの面にも海外的な技術思想のスタートアップ観が伺えた。 サービス公開後のインタビューということで今回は表の面にフォーカスして話を聞いたが、今後は組織づくりの思想、CTOのChoi氏に焦点を当てたインタビューも行っていく。 [インタビュアー:大沢]

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