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論評の書き方と書き出しの例|似た意味の言葉との違いも紹介

更新日:2023年12月09日

自己啓発

論評には、論評自体の学術的な信用性・信頼性を担保するため、その構成、論述の書き方などについて細かいガイドラインがあります。この記事では、論評のオリジナリティーとオーサーシップに配意した書き方など、そのスキルとアイディアを紹介します。

「論評」では、他の論者の考えや主張を参考にする場合は、以下の「引用」のルールを踏まえた書き方を必ず守りましょう。 ・直接引用:原文や語句をそのまま引用する。引用部分は「」に入れて示す。「」内に変更は加えない。(文中で著者名・著書名などを紹介) ・間接引用:原文の内容を要約したり、言い換えしたりして用いる。(文中で著者名・著書名を紹介) ・文献引用:参照した文献の存在のみを示す。

著者の概要は少なめにする

著者概要は論文構成上必要な部分ですが、著者の概要を長めに書くか少なめに書くかは、査読の評価の対象外と言えます。文字稼ぎの目的で、著者概要を冗長に延ばす書き方には意味がありません。 共著者がある場合は、実際の論文執筆者を筆頭著者とし、加筆修正者を貢献度の高い順に書き、最後にその研究の総責任者を最終著者とします。

論評の書き出しの例

論評に関係する論文がある場合は、その論文名・論者の名前・主要業績・著書など「Academic Biography(研究者プロフィール)」を紹介する書き方が一般的になっています。 以下に、その書き出しの例を紹介します。

1:著者の出身地の紹介

「Academic Biography(研究者プロフィール)」では、上述のプロフィールに加えて、趣味、出身地、住んでいる街、家族構成、ペットなど個人的なものにも触れます。とりわけ、同郷意識の強い日本では、著者の出身地の紹介は欠かすことができません。 このようなプロフィールでは、論評を読む人に著者の人となりが伝わるよう、端的な表現を使いましょう。 ・この著者は〇〇県の出身で、緑豊かな自然で育った筆者の幼児体験が、その後の生物学者への道を開いた。

2:論文などの誕生の経緯を記載

論評に関係する他の筆者の論文を紹介する場合、その論文の誕生経緯に触れる書き方もあります。 この場合、紹介冒頭で、論文の誕生経緯に触れ、その論文が学問的に公知された必然性(時代的背景・社会的背景・先行研究への批判など)を簡潔に説明します。 ・引用させていただいた論文は、著者が長年のライフワークであった〇〇研究をもとに…

3:自分の感想を述べる

上述の他の論文の紹介にあわせて、自己の論評との関係性から、その論文の著者の見解、主張を肯定的または否定的に取り上げて評価を与え、その後の議論につなぎます。 この際、自分の感想・主張を裏付ける客観的な根拠も明記することを忘れてはいけません。 ・先行研究の論点をまとめると、……のようにまとめられる。しかし、その見解については……という点で検討の余地がある。

4:著者・論者の概要を述べる

論評に関係する論文の著者や論者については、その見解、主張の大要を紹介するとともに、その論旨に対する自分の判断や主張を述べましょう。 このような自分の判断や主張の部分は、学術的に認知されている理論・先行研究・自分の調査分析結果などを踏まえて行ないます。 ・著者は、この論点について概要説明すると、……は、……という有用な見解を示している。この見解は、……に関する先行研究でも同様な見解を踏まえており、……の観点から、その論旨は妥当と考える

論評と似た意味を持つ言葉との違い

「論評」という言葉は大まかな意味で「あるものごとの内容を論じ、批評すること」を表し、意義の類似する語群としては、「書評」「講評」「感想文」などがあります。 ここでは、「論評」とこれらの類義語との違いを見ていきます。

論評と書評

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初回公開日:2022年09月08日

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