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論評の書き方と書き出しの例|似た意味の言葉との違いも紹介

更新日:2024年11月09日

自己啓発

論評には、論評自体の学術的な信用性・信頼性を担保するため、その構成、論述の書き方などについて細かいガイドラインがあります。この記事では、論評のオリジナリティーとオーサーシップに配意した書き方など、そのスキルとアイディアを紹介します。

「論評の意味が知りたい」 「論評の構成ってどうなっているの?」 「論評の書き方を知りたい」 「論評」に対して上記のような疑問点を持っている方は多いのではないでしょうか。 「論評」という言葉は、新聞などで「政府の経済政策について論評する」や「外交問題を論評する」などの見出しに見られるように、常套的に用いられる言葉になっています。 この記事では、「論評」の意味やその構成要素など深掘りして説明するとともに、論評の書き方や書き出しの際の注意点など紹介します。また論評と似た意味を持つ言葉と違いも紹介しています。 この記事の内容を十分理解していただければ、大学での論文作成などでポイントを抑えた良い論評を書くことができるでしょう。 「論評」について知りたい方は是非ご覧ください。

論評の意味

論評の意味

「論評」とは、ある物事の内容を論じ、批評することを意味しますが、その書き方については「論評」の性格上、慣用的な一定のルールがあります。 このような一定のルールは、「論評」自体の信用性・信頼性を担保するための書き方のポイントを示しています。 ここでは、そのルールについて、項目ごとに説明します。

事象の結果などについて論じること

「論評」は、過去における事象の結果・経緯について、その是非・善悪・優劣などを論じて批評する書き方です。また論述で対象となる結果・経緯について言及し、そこに内在する問題・疑問を指摘してその改善策などを説明したり論じたりします。 このような「論評」は、実際には確かめられていないものを理論的に仮定する「仮説」の論述の仕方とは、意味合いが大きく異なります。

客観的に判断するもの

「論評」は客観的に判断するものであるため、そこにある私見や偏見を排除して、理論的根拠に基づく論理展開やその論理の一貫性に配意した書き方をします。 このような論述の方法により、論評の客観性を確保しつつ、その信用性・信頼性を担保していきます。この点において、自分の感情が露出したり、主観的な目線で話を進めたりする感想文レベルと書き方が異なるところです。

論評の構成

論評では、理論的根拠に基づく論理展開やその論理の一貫性が大切なポイントとなっています。論評の構成にあたっては、このような観点から、しっかりとしたフレームワークを設定し、そのフレームワークの流れの中で論評を書き進めていきます。 ここでは、このフレームワークを「導入」「論評対象の紹介」「論評」に大別して紹介します。

導入

「導入」は、論文の書き方で言えば「序論」の部分にあたり、この部分で論評の対象と背景を説明します。 ここでは、論評の対象とは何かを明示するとともに、そこでどのような問題や疑問があるのか、どのような対策・対応が必要なのかを概略説明し、あわせてこの論評で使われる重要なキー・ワードの定義も示します。

論評の対象の紹介

「論評の対象の紹介」では、論評を読む人の中には全く予備知識がない可能性もあるため、論評する対象である事象・物事などの結果や経緯、関係する事項などについて詳しく説明して、その問題点や論評の核となる考え方を伝えます。 また、論評に関連する論文がある場合は、論文名・論者の名前・主要業績・著書などを紹介します。

論評

「論評」の部分は、論文の書き方で言えば「本論」に相当します。 ここでは、下記のポイントごとに「本論」の中で順次論旨を展開していきます。 ・論評の対象とその対象をどのように取り扱うかを論理的背景のもとに提示する。 ・論評対象が抱えている問題の現状を示す。必要に応じ対象をいくつかの要素に分類する。 ・分析や調査の方法、データ処理の方法を述べる。 ・分析や調査の方法に理論的な裏付けがあることを示す。(その理論や学派、代表的な先行研究など) ・分析や調査の結果得られたデータを提示し、説明する。 ・分析や調査の結果について解釈し、原因を考察する。 ・中心的な問題点や考察の視点を示す。 ・一定の前提、条件、仮定のもとに論及する。 ・問題点の論及を踏まえ、新たな疑問、問題の視点などを提示して考察を進め、その要点を整理する。 ・考察結果、関係理論、先行研究などを理論的根拠として、論者としての判断、主張を述べる。(論評全体の結論)

論評の書き方

論評の書き方については、論評を掲載するジャーナル(学術専門誌)ごとに、そのガイドラインが異なるため、論評を書く際に参考にできる共通の形でルール化されているものはありません。 ここでは、各種ガイドラインに共通する書き方の例などを参考に、その書き方のポイントを紹介します。 このポイントをよく熟読して、質の高い論評を完成させていきましょう。

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初回公開日:2022年09月08日

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