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カラスはなぜ夜に鳴くのか?不吉の象徴といわれる理由や生態を解説

更新日:2024年10月26日

暮らしの知恵

カラスが夜に鳴くのを不思議に思ったことがある方は多いのではないでしょうか。この記事では、夜にカラスが鳴く理由や不吉なイメージを持たれる要因などを紹介しています。カラスに興味がある方や、カラスの夜鳴きが気になっている方はぜひ読んでみてください。

現代では不吉なイメージを持たれがちなカラスですが、昔は神聖な存在として扱われることも多くありました。 日本においては、日本書紀や古事記といった神話の中で、神武天皇を導くために高天原から使わされた「八咫烏(ヤタガラス)」が登場しています。八咫烏は勝利の象徴とされ、縁起のいいものとしてその後の日本人の文化にも影響を与えていたのです。 また、中国の神話では3本足のカラスが太陽の象徴とされていたほか、北欧神話やギリシャ神話などでもカラスは神の使いとして登場するなど、外国においてもカラスは神聖な鳥としてとらえられていました。

夜中にカラスが鳴くと不吉なこと・地震の前兆といわれる理由

人々がカラスから悪い出来事を連想してしまうのには、カラスの独特な見た目や高い能力などが影響しているでしょう。 近年の印象的な出来事としてあげられるのは、2018年に発生した大阪府北部地震です。この地震前日の夜に、カラスが騒いでいたという情報がSNSなどで散見されています。 夜中にカラスが鳴くことは、なぜ「不吉」や「地震」といった悪いイメージと結びついてしまうのでしょうか。

カラスの色が不吉なイメージを想像させるため

黒という色は、喪服に代表されるように人の「死」を思い出させる色です。また「腹黒い」「黒星」などマイナスの意味をともなった言葉も連想してしまうでしょう。 そのため、カラスの真っ黒な体色を見ると、無意識にマイナスのイメージが頭をよぎるのではないでしょうか。羽毛だけでなく、くちばしや足にいたるまですべて真っ黒なのでなおさらその印象は強くなります。 また外国においても、黒い色は「死」「不吉」「陰険」「負」「違法」「闇」などの悪いイメージを持たれている場合が多いのです。

危機管理能力が高いため

カラスは、あらゆる危険に対処できるよう集団で過ごしている場合があります。 群れで過ごすことによって、特に警戒心の強い個体がいち早く危険に気づいて結果的に集団が守られたり、食べ物を見つけやすくしたりするというメリットがあるからです。 また、カラスは鳴くことで複雑なコミュニケーションをとり、お互いに危機を知らせあうことができます。 身近な鳥であるカラスにこうした習性があるため、「高い能力で危機を察知し、回避している」といわれています。

非常にかしこいため

カラスは、記憶力と学習能力が高く、とても頭のいい鳥です。 これまでの研究では、カラスの頭のよさの要因の1つは食べ物を蓄える「貯食」の習性にあるのではないかと考えられています。 食べ物を蓄えた場所を記憶できた頭のいい個体は生き延びる確率が高く、その能力が子孫に受けつがれ続けていったことが、現在のカラスの頭のよさにつながっているというわけです。 この「かしこい」という特徴もまた、カラスが何かを予知するイメージと関係があるでしょう。

大勢でカラスが鳴くことは珍しいため

カラスは集団で行動する場合がありますが、大勢がいっせいに鳴くという光景はさほど頻繁に見られるわけではありません。 繁殖年齢に達していない若いカラスはいつも群れで過ごしますが、緊急事態でもない限り大勢で騒ぎたてることはないのです。 また繁殖個体であれば、繁殖期以外の日中はなわばり内を単独で動きますし、繁殖期はつがいで行動するので、そのようなカラスを見ていればなおさら、大勢で鳴くイメージはわかないでしょう。 そのため突然大勢で鳴く様子を見ると、私たちは不気味に感じてしまうのです。

カラスの夜鳴きが地震の前兆であるという根拠はない

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初回公開日:2022年08月19日

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