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更新日:2024年11月02日
分別という漢字は「ふんべつ」とも「ぶんべつ」とも読めますが、このように同じ表記であっても、読みが異なることによって、意味は大きく違って来ます。他にも同じような例は少なくないので、幾つか具体例を挙げて説明することにしましょう。
「生物」は「せいぶつ」とも読めるし、「なまもの」とも読めて、意味が異なります。
生物(せいぶつ)と言えば、私たちのような動物である人間も含まれますし、花や作物のような植物も含まれる生きとし生けるもの全てが含まれ、生命活動を伴わない鉱物などとは区別されます。 一方、この漢字を生物(なまもの)と読めば、食べ物なら早く食べた方が良いとか、生物(なまもの)は火を通してから食べた方が良い、というような用法になります。
色紙(いろがみ)とも読めますし、色紙(しきし)とも読めて、違う物品を表しています。
色紙(いろがみ)と読めば、特に子供たちにはお馴染みの折り紙があります。着色した真四角の紙で、いろいろな形に折って様々なものを作り出します。最もよく知られた例は折り鶴でしょう。 色紙(しきし)と言えば、風流な感じがします。色紙(しきし)には昔から和歌を書いたり、俳句や画を描いて優雅に楽しんで来ました。
普通に読めば上手下手(じょうずへた)となりますが、お芝居好きなら上手下手(かみてしもて)と読むでしょう。
芸事や習いごとをしても上手下手(じょうずへた)がありますが、上手(じょうず)な人はさらに磨いて上手(じょうず)になり、下手(へた)な人でも、下手(へた)は下手(へた)なりに愉しむことが出来ます。 上手(かみて)と言えば舞台に向かって右方を指し、下手(しもて)は左です。 他に、上手下手(かみてしもて)は川の上流下流を指したり、宴会や人の集まった場所の上座下座を意味することがあります。
心中(しんじゅう)と読めば、歌舞伎や文楽の男女の相対死にが頭に浮かびますし、心中(しんちゅう)と読めば、人の心の中という意味になります。
心中(しんじゅう)となれば、相思相愛の男女がやむにやまれず、手を取り合ってあの世へ往くということになりますが、親子や同意し合ったり、同意のない人同士の場合もあります。 もともとは人に対し義理を立てるというところから来ているようです。 「心中(しんちゅう)穏やかならず」というように、人の心の中のことです。主に自分のことでしょうが、他人の心中(しんちゅう)となると、なかなか外から伺い知ることはできません。
大人が読めば、まず面子(めんつ)でしょうが、子どもが好きなのは面子(メンコ)でしょう。
面子(めんつ)とは体面のことです。世間に対する体裁で、それがうまく保たれないと、人(もっぱら男)は面子(めんつ)を潰すことになります。 面子(メンコ)は、男の子の遊び道具で、江戸時代は焼き物だったようで、明治、大正、昭和時代にはボール紙でできた円形や四角形の表面に、時代を象徴する様々な絵柄が描かれました。自分の面子(メンコ)で、相手のメンコをひっくり返したり、描いた円外へ追い出すことで争いました。
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