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更新日:2024年10月27日
「上」という漢字には2種類の書き順があります。どうしてでしょうか。教育現場では、基準とされている「筆順指導のてびき」があります。しかし、漢字の成り立ちや書体別に「上」の書き順を見てみると、1つの書き順に決めることができない経緯があります。
書き順が複数ある漢字がどうして存在するのでしょうか。もともと正しい書き順というものはなかったのです。 文字を書く時には、綺麗に書く、文字を安定して書く、文字を機能的に書くなど、無意識のうちに頭の中で考えて書いています。そして、文字には誰が書いてもこのように書くといった書き順があるとしても、絶対にこの書き順が正しいと決め付けられない面があります。
昔は書き順は存在しなかった。これを考えると、どれくらい昔ですかと尋ねられた時、次のように答えられます。 江戸時代の終わりから明治時代にかけて言葉が外国からたくさん入ってきた時に漢字の表記も変化してきました。その頃から書き順のことが意識されるようになりはじめました。昔は書き順を問題にしなかったので書き順が存在しなかったのです。
書き順は漢字を安定して綺麗に書くためのものです。漢字を人間の手で書く時に、手の動きによって規制されます。日本語では上から下に文章を書きます。その動きによって漢字を綺麗に安定した形に整えることができる書き順があります。 また、一人一人書きやすい手の動きがあるかもしれません。しかし、人間の手の動きには共通点もあるので、その観点から見ると綺麗に書くためには書き順を考えることが大切になってきます。
左利きの人が漢字を書いている様子を見ていると、随分書きにくそうだと思います。漢字は右利きの人が書きやすいように書き順を決めているところがあります。 書き順を気にするあまりに漢字の形がいびつになるようでしたら、あまり書き順に囚われず自分が書きやすい書き順で書くほうがいいです。 漢字の書き順はこれだと言う決まりはないことを見てきました。あまり書き順に囚われずに書きやすい順番で書で書きましょう。
漢字には5つの書体があります。篆書体(てんしょたい)、隷書体(れいしょたい)、草書体(そうしょたい)、行書体(ぎょうしょたい)、楷書体(かいしょたい)です。 現在、日常的に使っている書体は、楷書、行書、草書です。書体別の「上」の書き順は違います。比べて見ましょう。
楷書とは一点一画をしっかり書きます。楷書は普通横線から書きます。「上」という漢字は文部省著作『筆順指導のてびき』(1958年)によると「止正足走武」これらの漢字に準じた書き順「|−」の順番で書くこととされています。 楷書の「上」は縦線、横線の順番で書きます。しかし、横線、縦線の順番で書いても間違えではありません。
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