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KSFとは|KSFとなる7つの要素とKSFの6つの事例を解説!

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仕事で戦略の話に触れる機会があったり、ビジネス書を読んでいるときに、KSFという言葉に出くわすけれど、実は意味が分からないという人は多いでしょう。KSFとは戦略のカギとなる成功要因のことを指しています。この記事では、KSFの要素や事例などについてご紹介します。

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KSFとは

仕事をしていると、会社の会議などで「KSF」という言葉をよく聞くという人は多いでしょう。戦略を考える上でKSFは外すことのできない重要なキーワードです。 KSFとはKey Success Factorを略したもので、「カギとなる成功因子」という意味です。 つまりKSFは事業成功のカギとなる要因であり、戦略目標を達成するための重要な要素となります。 なお、グロービス経営大学院では以下のように解説されています。

KSFとは、Key Success Factorの略。主要成功要因。事業を成功させるための必要条件。 経営戦略を策定するうえでは、外部環境分析から事業におけるKSFを明確にし、内部環境分析から自社がKSFをいかに実現していくかという具体的な戦略立案につなげていく。 規模、技術力、顧客対応の迅速さなどKSFとなりえる要素はさまざまだが、業界で優位に戦っていくためには、KSFとなる要因について必要なだけの能力や資産を持っている必要がある。また、競争構造の変化により、KSFが変化する場合もある。

KFSとの違い

なお、同じように使われる言葉で「KFS」もありますが、こちらはどういう意味なのでしょうか。 KFSはKey Factor for Successの略で、「ビジネスを成功させるためにキーとなる要因」という意味です。KSFと同じ意味で使われ、違いはありません。 なお、CSF(Critical Success Factor)という言葉もありますが、これもほぼ同じ意味合いで使われます。

KSFの必要性

KSFは市場で他社との優位性を築くために最も重要な要素で、事業戦略を立案する際には必ず押さえておく必要があります。KSFを押さえられると、自社の現状とのギャップを知ることができ、現実的で効果的な戦略を策定することが可能になります。 また、KSFを押さえることよって顧客の声に耳を傾けることもできます。顧客が商品やサービスを購入する際に重視する要素にどう応えるかを検討することで、KSFが明確になります。

KSFとなる7つの要素

KSFを押さえるために必要となる要素はどのようなものがあるでしょうか。KSFはバリューチェーンに沿って考えられることが多く、主に調達、研究開発、生産、品揃え、広告・宣伝、販売、サービスなどに分けられます。 KSFは業界によっても大きく異なります。つまり、KSFはその業界にいる会社がバリューチェーンのどこに重点を置くべきかを示しています。 KSFの要素についてバリューチェンに沿って見ていきましょう。

KSFとなる要素1:調達

調達の部分がKSFとなる業界は例えば石油業界などが考えられます。石油業界の場合は、どれだけ安価な調達ルートで十分な原油を確保できるかが、優位性を保つ上で重要となります。 石油業界やダイヤモンド販売業界、レアメタル業界などは調達ルートを確保するために現地の政府とも関係構築する必要があります。ですが、これらの調達できる国は新興国などで政情が不安定な場合が多く、関係構築は難易度が高いです。

KSFとなる要素2:研究開発

医薬品や航空機、精密機器業界では、技術を調査する能力や革新的な生産技術の開発がKSFの重要な要素となります。 特に医薬品業界では、顧客が抱える健康上の課題を根本的に解決することが求められます。健康上の課題は環境変化などに影響されどんどん変化しています。そのため、開発のサイクルを進め、法規制をクリアするための臨床試験もどんどん進めていく必要があります。

KSFとなる要素3:生産

生産は鉄鋼、造船、半導体、石油化学などの業界においてのKSFとして特に重視すべき位置づけにあります。具体的には、低コストで生産できる能力や製造品質、労働生産性、生産の柔軟性などを求められます。

KSFとなる要素4:品揃え

百貨店や部品メーカーになると、品揃えが重要な要素です。この場合のKSFは幅広い製品ラインや魅力的なデザインの商品、製品の保証などになります。 たとえば、その地域で一番の品揃えを目指す場合には、地域で一番の品揃えを実現するために経営資源を投入することになります。幅広い品揃えを実現するためには、仕入れ先との関係性を強化するなども重要で、求められる品揃えを実現できるバイヤーが必要となります。

KSFとなる要素5:広告・宣伝

化粧品業界や日用品、菓子業界では、ブランド力や認知度が重要な要素となってきます。 化粧品は化学品の1つなので化学品として研究開発も必要ですが、その商品を使い続うことで自分が綺麗になるという未来のイメージをできるかということがもっと重要になります。 そのため、化粧品業界では広告宣伝によって、いかに顧客が綺麗になった先のイメージを持ってくれるかがKSFとなります。

KSFとなる要素6:販売

自動車や保険、清涼飲料、家電製品業界では、実は販売力・販売網が重要な要素となります。 たとえば清涼飲料業界にいるコカ・コーラでは自動販売機事業が主要な販売チャネルとなっていますが、日本だけで980,000台の自動販売機を設置しています。これは全体の32%を占めていて、これによって清涼飲料水の国内シェア1位を保っています。

KSFとなる要素7:サービス

法人向けのOA機器やエレベーター会社などでは、製品の機能だけでなく定期的なメンテナンスなどのサービスが重要です。 法人向けのOA機器はは数年間のリース契約が多く、またエレベーターは一度ビルに設置したら、かなり長い期間使用します。そのため、この場合のKSFは使用している期間の間、いかに安心できる保守を行ってもらえるのかとなります。

KSFの6つの事例

では実際にKSFを押さえるといっても、どのようにすればよいのでしょうか。一言でKSFと言っても、業界などによって戦略上のどこで重要な要素となっているのかが異なります。 ここでは、KSFに関する事例を、技術関連、生産関連、流通関連、製品・マーケティング、人材・スキル、組織・プロセス・文化と分野に分けてご紹介します。

KSFの事例1:技術関連

KSFは技術革新やニーズの変化など、外部環境で変化します。継続して事業で成功するためには、KSFの変化に合わせて資源配分やビジネスモデルも変える必要があります。 携帯電話の場合、チャネルを押さえることがKSFだったものが市場の飽和という外部環境の変化によって顧客セグメント別に特徴的な機能を持つ機種の開発がKFSとななりました。これによりiPhoneやキッズ携帯、スマートフォンなどが開発されました。

KSFの事例2:生産関連

実はアパレル産業では生産が重要です。 この業界は流行の変遷が激しいので、いかに流行にタイミングよく乗り、タイミングよく降りるかがカギです。そのため、アンテナをしっかり立てると同時に生産の柔軟性を高めることがKSFとなります。 ベネトンは先染め方式が主流のアパレル業界で後染め方式を採用し成功しました。後染めであれば、縫製まで終えた商品を流行に合わせて染められるので、流行から外れるリスクを軽減できます。

KSFの事例3:流通関連

自動車業界の場合、実は車の性能以上に流通網がKSFとして重要となります。 一般的に顧客が自動車に求めるものは、性能や乗り心地よりも安心してサービスが受けられることの方が比重が高いです。自動車は購入時の費用よりも、維持費にお金がかかるためです。 また、故障もしますし、定期点検も必要です。 そのため、困ったときにすぐに対応してくれる営業マンや、販売店が近くにあり、すぐに駆け込めるか非常に重要になります。

KSFの事例4:製品・マーケティング

KSFを押さえるためには、顧客調査によって個別消費の特徴もしっかり押さえる必要があります。 たとえば、紙おむつはメーカーによって価格差が大きいですが、紙おむつは消耗品であるため、消費者はあまり高いお金を支払いたくないという特徴があります。こういった特徴を押さえて他企業との差別化を徹底できれば、有効なKFSを見つけることが可能になります。

KSFの事例5:人材・スキル

優秀なタレントを育成することや品質管理ノウハウ、設計の専門知識、特殊技術を生み出す力、ヒット製品のアイデアを生み出す力など社内の人材やスキルがその業界でのKSFとなることもあります。 内部で保有するリソースやスキルは会社によって異なります。保有する人材やスキルが異なるまま、成功した例を聞いて方法だけをマネようとしても、施策に対する効果は違います。

KSFの事例6:組織・プロセス・文化

外部環境に応じて変化するKSFを押さえ続けるためには、商品開発プロセスが効率的になるように見直したり、市場環境に合わせて柔軟に意思決定したり、品質に関する価値観が現場に浸透していることなどが重要となります。 そのためには、変化に応じて一緒に動いてくれる組織であることが必要であり、そういう文化が形成されている必要もあります。

自分の会社のKSFを理解しよう

KSFがどういうものかについて、その意味や要素などをご紹介してきました。KSFは業界によって大きく異なり、それによって、その業界にいる会社がバリューチェーンのどこに重点を置くのかが変わってきます。 まずは自分のいる会社がどの業界にいて、自分の会社のKSFが何なのかを調べて理解しましょう。それによって、自分の会社がどういう戦略を打つべきなのかも見えてきて仕事の仕方も変えることができます。

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