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パートでの所得税の計算方法・扶養控除の壁|103万円/130万円

社会人常識

これからパートに出ようかと考えている方は必見です。一見、難しい所得税の考え方についても分かりやすく解説しています。パートで働きたい方向けに、ぜひ、事前に知っておいていただきたい、「扶養の壁」と所得税の関係について解説しています。

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パートで働くと税金(所得税、住民税)はどうなる?

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春です。いよいよ、4月から年度が替わり、それに伴って環境が変わるという方もいらっしゃるでしょう。配偶者の転勤やお子さまの進級、進学など経済的な環境が変わる時期でもあります。 そろそろパートで働き始めようという方には、ぜひ、知っておいていただきたい情報があります。いわゆる「扶養の壁」というものはご存知でしょうか。専業主婦(あるいは専業主夫。以下の文章では一般的に専業主婦といいます)がパートで働き始めるときに、この扶養の壁については避けて通れません。 税金については、なんだか難しそうでよく分からないという方が多いでしょう。でも、知っていると知らないとでは、全く違います。働き損にならないように、以下の内容をチェックしてみてください。

「収入」と「所得」の違いを知っておこう!

専業主婦がパートで働き始めて、収入を得るようになると、税金(所得税)の問題は避けて通れません。所得税の計算では、「所得」がいくらかによって税額が決まります。働いて得る給料は「給与所得」となります。 「収入」と「所得」の違いはお分かりでしょうか。収入は、会社から支払われる額面を指します。つまり、時給1,000円で1日5時間、週に3日働くとすると、1000×5×3×4(4週間で一カ月として)=6万円が一カ月の収入ということになります。さらに、同じ条件で1年間働くと、パートでの年収が6×12=72万円となります。 所得は「収入-経費」で求められます。給与所得は計算式が決まっています。以下で詳しく見てみましょう。

給与所得の計算方法を知ろう

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所得税は給与所得の額によって決まります。給与所得の計算方法を知っておくと、以下で解説する「扶養控除の壁」についても理解が深まります。先に、所得は収入-経費で求められると説明しました。給与所得の場合、この経費にあたるのが給与所得控除です。 給与所得は、1年間の収入-給与所得控除額で求められます。この控除金額は収入によって異なりますが、収入金額が180万円以下なら収入金額×40%、65万円に満たなければ65万円とされています。 上記のパートで働いた例をもとに計算すると、年収72万円×40%=28.8万円で65万円に満たないので、控除額は65万円となります。つまり、税法上の給与所得は72-65=7万円となります。

103万円の壁とは?(所得税の壁)

「103万円の壁」は、税金(所得税)の壁です。パート主婦本人の所得税非課税の壁でもあり、配偶者にとっての配偶者控除の壁(所得税が減額される)でもあります。 上記で給与所得の計算についてはご理解いただけたでしょう。所得税の計算上、さまざまな所得控除があります。パートで働く主婦に関係する控除は、全ての納税者が対象となる「基礎控除」です。 基礎控除額は38万円です。パートで給料を得た場合、給与所得-基礎控除(38万円)>0円となると、その超えた部分について所得税がかかります。つまり、パートでの年収を103万円まで(給与所得控除65万円+基礎控除38万円)に抑えておけば、所得税がかからないということです。 また、夫の勤務先から何らかの家族手当(扶養手当)が出る場合もあります。企業によっても異なりますが、妻のパート収入103万円以内というのが基準になっているところが一般的です。

パート主婦に立ちはだかる扶養控除の壁っていくつあるの?

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「扶養の壁」、あるいは「扶養控除の壁」が分かりにくいのは、制度が多岐に分かれていて、その上、各制度ごとに壁となる金額が異なるからです。 よく耳にするのは「130万円の壁」ですが、その他にも「100万円の壁」や先に述べた「103万円の壁」、「106万円の壁」、「150万円の壁」、「201万円の壁」などがあります。それぞれについて、以下で詳しく述べていきます。 税金に関係する壁や、社会保険制度に関わる壁など、それぞれについて、しっかりと理解して、これからの働き方を考えていきましょう。

100万円の壁とは?(住民税の壁)

「100万円の壁」は住民税の壁です。所得が100万円を超えなければ、住民税の所得割が非課税となります。住民税には所得によって決まる所得割と均等割があります。均等割にも非課税ラインがありますが、これについては各市区町村によって異なります。 住民税の所得割が非課税になるかどうかは以下の計算式で決まります。 収入-基礎控除35万円-給与所得控除65万円>0円 すなわち、収入が35万円+65万円=100万円以内であれば、パート主婦の住民税所得割が非課税となります。

130万円の壁とは(働き損のライン?)

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「130万円の壁」は、よく耳にする扶養の壁です。この壁は、社会保険の壁です。社会保険は、年金や公的医療保険の制度です。収入が130万円を超えなければ、公的医療保険や年金では夫(配偶者)の扶養に入るので、保険料の支払い負担がありません。 年金の場合は、第3号被保険者となり、年金保険料は夫(配偶者)が加入している厚生年金や共済組合が負担してくれるので、パート主婦本人の保険料負担はありません。医療保険も、夫の扶養に入っているので、健康保険料の負担はありません。 パート主婦の収入が130万円を超えると、住民税+所得税+社会保険料の本人負担が一気に増えるので、その分世帯収入が減少してしまいます。パート収入が130万円前後(130万円~140万円台)だと、いわゆる「働き損」になってしまう可能性があります。 また、一部の事業所では、この社会保険の壁が106万円となっています。詳しく見てみましょう。

106万円の壁(あなたのパート先は対象に?)

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社会保険の壁に、新たに106万円の壁が加わりました。これは、2016年10月の法改正で、一部の事業所が対象となっています。 具体的には、「週20時間以上の勤務」、「月額賃金88,000円以上」(年収106万円)、「勤務期間1年以上の見込み」、「学生ではない」、「従業員501人以上の企業」という要件を満たしている事業所です。 この改正は、短時間労働者にも社会保険加入の恩恵が行き渡るようにとの政策目的があったようですが、夫の扶養内で働きたいパート主婦にとっては、あまりありがたい改正とはいえなかったのでしょう。

150万円の壁とは?

「150万円の壁」は、所得税に関わる壁です。2017年の税制改正で決まった、新しい壁です。具体的には、配偶者特別控除の対象が変更となりました。 夫の所得税負担が軽くなる配偶者控除は、パート主婦の年収が103万円以内の場合に適用されます。ただし、パート収入が103万円を超えると、一気に夫の所得税額が高くなるわけではありません。配偶者特別控除が利用できるからです。 配偶者特別控除は、段階的に決まっています。夫本人の年収が1220万円以下で、かつ、パート主婦の年収が103万円超、150万円未満であれば、配偶者控除と同額の38万円が夫の所得税額の計算上差し引かれます。

201万円の壁とは?

「201万円」は、所得税の最後の壁です。先に述べた、夫が利用できる配偶者特別控除は、パート主婦の収入が150万円を超えると段階的に控除額が減っていき、201万円を超えると、配偶者特別控除の枠がなくなります。つまり、パート主婦の年収が201万円を超えると、夫の所得税負担が増えるということになります。 夫の所得税が増加すると、家計にとってはマイナスのように思えますが、パート収入が201万円を超えている場合は家計全体ではかなりのプラスになっているはずですので、ご安心ください。

パートの給与明細で所得税が書かれている箇所

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パートの給与明細書は、勤務先によってさまざまです。正社員並みにきっちりと各項目が記載されているものもあれば、支給額のみがあっさりと記載されただけというものもあると聞きました。 パート先で最初に受け取る給与明細書はしっかりと確認しておきましょう。書かれている項目で分かりにくい点は、早めに勤務先に問い合わせておくと安心です。

所得税と住民税の違い

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パート収入が一定以上あると、税負担が発生します。所得税と住民税はどのように異なるのでしょうか。 所得税は国に納める税金です。所得の多い人ほど税率が上がり、税負担が大きくなります。ただし、税金の計算上、扶養家族がいたり、医療費が多額にかかっていたりという事情が考慮され、それぞれの控除額が所得から差し引かれます。 住民税は、地方公共団体に納める税金です。地域社会に必要な公的資金を、そこに住む住民に負担してもらおうという意味合いがあります。住民税は、所得割と均等割があります。所得割の税率は一律10%となっています。均等割は、所得の多少にかかわらず一定金額が定められています。

所得税を取り戻す方法を知ろう!

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せっかくパートで働くのなら、少しでも手取り収入を増やしたいでしょう。パート収入は給与所得なので、所得税が差し引かれて支給されます。払いすぎた所得税を取り戻す方法を知っておきましょう。

パートでも年末調整は必要です!

年末調整は、パートで働く場合にも必要です。給与が支払われるときは、前もって所得税分が差し引かれて支払われています。では、その所得税額はどのように決まっているのでしょうか。月額からおおよその年収が予測され、そこから所得税額を計算したものが毎月の給与から差し引かれています。 つまり、年の途中から働き始めた場合や、毎月の勤務時間が異なる場合など、所得税額が余分に差し引かれている可能性があります。パート収入が103万円以内なら、所得税はかかりませんので、源泉徴収票の支払総額欄をしっかりと確認しておきましょう。

確定申告で払いすぎた所得税を取り戻す!

払いすぎた所得税を取り戻す方法として、確定申告があります。先に述べた年末調整ができないような場合には、確定申告が必要です。 具体的には、「年の途中で職場が変わった場合」、「2か所以上、掛け持ちで仕事をしている場合」、「年末調整に必要な書類(平成〇〇年分給与所得者の扶養控除等(異動)申告書など)が提出できない場合」などです。 確定申告書の書き方は国税庁ホームページで確認できます。必要な書類なども事前に確認しておきましょう。

制度を知って自分に合った働き方を考えよう!

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いかがでしたか。さまざまな扶養の壁について、ご理解いただけたでしょうか。周りの意見も参考にしつつ、自分に合った働き方を考えてみましょう。 具体的には、パート収入を税(住民税)負担が発生しない100万円以内に抑えるのか、積極的に150万円以上稼いで、家計全体を底上げするのかなど、それぞれの家庭事情によっても選択肢は変わってくることでしょう。事前に確認することで自分に合った働き方が見つかるでしょう。

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