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「いらっしゃいますでしょうか」は敬語なのか・メールでの使い方

更新日:2024年01月18日

敬語表現

職場の電話などでは、よく「いらっしゃいますでしょうか」という言葉を耳にします。しかしこの言葉に、なんとなく違和感を持たれる方も少なくありません。その違和感はどこから来ているのでしょうか?この記事ではそんな、「いらっしゃいますでしょうか」についてご説明します。

正しくないけど問題にはならない

二重敬語が「望ましくない」けれども「間違いではない」のと同じように、「いらっしゃいますでしょうか」も、本来正しい言葉の使い方をしている言葉ではありませんが、必ずしも使って問題になり言葉ではないと言えるでしょう。 その理由に、「よりうやうやしい表現として存在する言葉であること」が挙げられます。先にみたように、なぜ「いますでしょうか」という表現になるかといえば、「〜ますか」という表現がニュアンスとしてキツい表現であるからです。 そうして見ると、「いらっしゃいますでしょうか」という言葉が、より相手の方に失礼がないように配慮するためにできた表現であることがお分かりにあるでしょう。表現を変えて、乱暴になるならまだしも、「よりうやうやしい表現」になるのであれば、問題になることは少ないと言えます。 こうしたことから、日常の範囲で使用するのならば、そこまで気にすることではないと言えるでしょう。

「いらっしゃいますでしょうか」のビジネスでの使い方

では、ビジネスの場では「いらっしゃいますでしょうか」とはどのような時に使うのでしょうか。こちらではその使い方にいくつかの項目に分けてご紹介します。

電話をかけたとき

「電話」は一番「いらっしゃいますでしょうか」というフレーズをよく聞く場面と言えるでしょう。 例えば、取引先に電話をかけた時に、会社の電話番号しかいただいていない場合、電話を取ってくれた人かた、電話をしたい相手に代わってもらわなければいけません。このような時に「いらっしゃいますでしょうか」という言葉は、「〇〇様はいらっしゃいますでしょうか」という風に使えます。 また、いただいた電話番号が、電話したい相手の方の個人番号であった時などは、かけ間違いしていないか確かめる必要があります。そんな時も「〇〇さまでいらっしゃいますでしょうか」というように尋ねることができます。

相手の人と初めて会うとき

電話やメールではやり取りをしていたけれど直接会うのは初めてだ、という人と、待ち合わせ場所で会う時にも「〇〇様でいらっしゃいますでしょうか?」というように使うことができます。 この時、似た表現で気をつけたいのが、「〇〇様でございますね」という表現です。こちらは初対面の方に使う言葉ではありません。 理由は、「ございます」が敬語の謙譲語にあたる言葉だからです。謙譲語は「自分に関わるものやことをへりくだって言い表すことで、相手の方を立てる言葉遣い」です。初対面の方は自分の身内の方とは言えませんので、謙譲語を使うのは失礼にあたります。 ですので、声をかけるときは「〇〇様でいらっしゃいますでしょうか」と、尋ねるようにしましょう。

「いらっしゃいますでしょうか」の返事の方法

では「〜いらっしゃいますでしょうか」と尋ねられたら、なんと応えるのが正しいのでしょうか。正しい返事の方法を確認していきしょう。

「いらっしゃいますでしょうか」は尊敬語

「尊敬語」とは先にも少し述べましたが、「目上の方を敬って使う言葉遣い」のことを指します。ですので、「尊敬語」を使う相手は、上司や、失礼がないように敬意を払わなければいけない、取引先の方やお客様になります。 「いらっしゃいますでしょうか」と尋ねられているということは、相手の方が自分や自分に関わる人に対して敬意を払ってくれている、ということを意味していると言えるでしょう。

「いらっしゃいます」とは応えない。

例え電話口で取引先の人に、自分の上司について「〇〇様いらっしゃいますか」と尋ねられても、「いらっしゃいます」とは応えません。 その理由は、尊敬語はその時敬意を示さなくてはならない相手に使う言葉だからです。電話口で話している時、敬意を示さなくてはいけないのは、取引先の方になります。

正しくは「おります/おりません」

では、「いらっしゃいますでしょうか」と「尊敬語」で尋ねられた時には、どのように応えるのが正しいのでしょうか。 答えは「謙譲語」で応えることです。謙譲語は「自分や自分に関わる人や物に対して、あえてへりくだった言い方をすることで相手の方をたてる言葉遣い」です。「いらっしゃいますでしょうか」という言葉で、自分に関わることを尋ねられているので、謙譲語を使います。 先ほどの電話口の例で言えば、「いる」の謙譲語は「おる」なので、例え上司の方について尋ねられていても、「はい、おります/〇〇はあいにく席を外しております」というように応えます。 他に自分のことを尋ねられた場合も、「はい、〇〇でございます」や、「私が〇〇でございます」という風に謙譲語で応えるのが、正しい応対の方法になります。

「いらっしゃいますでしょうか」のメールでの使い方

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初回公開日:2018年03月07日

記載されている内容は2018年03月07日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
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