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「いらっしゃいますでしょうか」は敬語なのか・メールでの使い方

更新日:2024年07月04日

敬語表現

職場の電話などでは、よく「いらっしゃいますでしょうか」という言葉を耳にします。しかしこの言葉に、なんとなく違和感を持たれる方も少なくありません。その違和感はどこから来ているのでしょうか?この記事ではそんな、「いらっしゃいますでしょうか」についてご説明します。

いらっしゃいますでしょうか

電話口などで聞く「〜いらっしゃいますでしょうか」というフレーズは、なんとなく敬語として違和感を覚えるという方も少なくないフレーズです。丁寧な言葉遣いをしているはずなのに、なぜ、違和感を感じてしまうのでしょうか。 こちらの記事では、「いらっしゃいますでしょうか」について、それが敬語として正しい表現なのか、その正しい使い方についてご説明します。なんとなく日頃使っているけれど、正しい言葉なのか気になる、どういう言い回しをすべきなのか知りたいという方は、ぜひお読みください。

「いらっしゃいますでしょうか」は敬語?

「いらっしゃいますでしょうか」は「いらっしゃる」という「いる」の敬語表現の尊敬語にあたる言葉に、「ます」「でしょうか」という敬語の丁寧語にあたる言葉がついた、敬語です。「いらっしゃる」という敬語に、「ます」、「でしょうか」という二つの敬語がついているので、少しくどい表現ではありますが、敬語であると言えます。

「いらっしゃいますでしょうか」の違和感

では、きちんと敬語であるはずの「いらっしゃいますでしょうか」に、どうして違和感を感じるのでしょうか。 それは、「いらっしゃいますでしょうか」言葉の語尾に、「ます」と「でしょうか」という二つの敬語が重なっているからです。 「ますでしょうか」という部分を言い換えると、「ます」が「いる」の丁寧語なので「います」、「でしょうか」は「〜だろうか」の丁寧語なので、「ですか」と言い換えられます。組み合わせると「いますですか」となり、おかしな言葉の並びになります。 このように、「いらっしゃいますでしょうか」という言葉の違和感は、本当なら「いますか」、「ですか」のどちらかの敬語がついていれば十分なところに、二つともついているところにあると言えるでしょう。

「いらっしゃいますでしょうか」は間違いなの?

それでは、「いらっしゃいますでしょうか」という言葉は、正しい敬語なのでしょうか。より詳しくみていきましょう。

「いらっしゃいますでしょうか」をもう一度分解して考える

「いらっしゃいますでしょうか」は「いらっしゃる」という言葉と、上記であげたように、「ます」、「でしょうか」という言葉に分解できます。 「いらっしゃる」は「いる」の敬語表現で、尊敬語(自分より目上の方を敬う表現)にあたる表現です。「ます」、「でしょうか」はそれぞれ、敬語の丁寧語にあたる表現で、「ます」は「いる」を丁寧にするためにつく言葉、「でしょうか」は「だろうか」という意味の言葉です。

「いらっしゃいますでしょうか」は二重敬語

こうして分解してみると、「いらっしゃいますでしょうか」というフレーズは、「いらっしゃる」という敬語の後に、「ます」、「でしょうか」という二つの敬語がついていることがお分かりになるでしょうか。 実は、「いらっしゃいますでしょうか」は二重敬語という、敬語の使い方としては望ましくない敬語の使い方をしているフレーズです。二重敬語は、「一つの単語に二つの敬語がついている言葉」のことを指し、間違いではないものの、かしこまった場面や、ビジネスの場面で使うことは望ましくないとされています。 「いらっしゃいますでしょうか」の場合、「いらっしゃる」のあと「ます」と「でしょうか」のどちらかが続けば敬語として十分な表現です。

正しくは「いらっしゃいますか」

上記でみたように、「いらっしゃいますでしょうか」は二重敬語で、正しい表現は「いらっしゃいますか」です。 では、なぜ「いらっしゃいますか」ではなく、「いらっしゃいますでしょうか」と言いたくなってしまうか、というと、「いらっしゃいますか」が少し高圧的なきつい印象を与える表現だからです。 誰かに何かをお願いする場面を考えてみましょう。「お願いできますか」と言われたのと「お願いできるでしょうか」と言われたのでは後者の方が、こちらの気持ちを汲んでくれそうな雰囲気がします。 このように、「ますか」という表現は、少し強く一方的な印象を与えるので、「でしょうか」という言葉をつけたくなるのでしょう。

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初回公開日:2018年03月07日

記載されている内容は2018年03月07日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
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