IT人材のためのキャリアライフスタイルマガジン

就業規則の変更の届出の出し方・記入例と変更の手続方法

事務

就業規則を変更する際にはどのような手続きが必要なのでしょうか。いつまでに、どこに、何を提出すればよいのでしょうか。手続きをしなかった場合の罰則は。社員にはどのように知らせるべきか。就業規則を変更するときに知っておくべき手続きを徹底解説します。

更新日時:

就業規則の変更とは

就業規則の変更とは

就業規則とはその会社で働く人の労働条件を細かく定めた、会社の法律ともいえるものです。労働時間や仕事内容、給料のことから罰則まで働く上で発生することが想定されるあらゆる事柄を網羅しています。 口約束だけでなんとなく働くのではなく、しっかりと規則を明文化しておくことは使用者と労働者双方にとって大切なことです。この就業規則の内容を変更するということは、労働条件を変更することです。そのため変更にあたっては、必要な手順を踏む必要があります。労使双方が納得した上で働きやすい環境を作ることが望まれています。

就業規則の変更の届出の出し方

就業規則の変更の届出の出し方

就業規則を変更した場合には、管轄の労働基準監督署に届出をします。労働基準法では就業規則を変更した場合の届出の出し方が決められていますので、よく確認したおく必要があります。届出の要件を満たしていない場合は最悪、出し直しということになりますので、提出前には不備がないかすみずみまでチェックしておかなければなりません。 監督署に提出するものとしては「就業規則変更届け」「意見書」「変更後の就業規則本体」です。就業規則に給与規定や退職金規定などの別規定がついていて、その部分が変更する場合は全て添付します。ただし、変更前と変更後の内容がわかるような新旧対照表などを作成しているときは、就業規則本体の提出に替えることもできます。

就業規則を変更したらいつまでに届け出るのか

就業規則を変更したらいつまでに届け出るのか

労働基準法では、就業規則を変更した場合は「遅滞なく」届出をするように定められています。これははっきりとした期限があるわけではないということでもあります。たとえば変更後の◯日以内とか、2週間以内に提出しないとペナルティがあるというわけではありません。 ただし、故意に提出をしない場合には罰則がありますので注意が必要です。諸事情により変更後提出が1ヶ月ほど遅れても問題になることはほとんどありません。どちらかというと後述するように監督署への提出よりも変更後の就業規則を従業員に周知するほうが実務上は重要といえるでしょう。

就業規則の変更の記入例

就業規則の変更の記入例

就業規則の届出書は各都道府県労働局のウェブサイトに様式がありますので、そちらでダウンロードして使用することができます。ただし様式自体は決められてものがあるわけではありません。必要事項が記載されていれば、どのような形でも構いません。 必要事項といっても会社名と代表印があれば少なくとも足ります。あとは任意で「就業規則を変更したので届出ます」といった文言や変更の日付、変更箇所などを記載することになります。以下に記入例がありますので参考にしてください。

就業規則の変更の手続き方法

就業規則の変更の手続き方法

就業規則は従業員の労働条件を定めた、いわば会社の法律と言えるものです。そこには労働時間や給料のことから従うべき服務規律や、問題を起こしたときの罰則となる懲戒に関することなどさまざまなことが記されています。 一般社会において、法律の改正が複数の手続きを経ないとできないのと同様に就業規則も、会社の一存で勝手に書き換えて良いものではありません。不公平にならないように配慮する必要があります。

就業規則変更が必要な時とは?

就業規則変更が必要な時とは?

就業規則を変更しないといけない場合にはどういったものがあるのでしょうか。通常は就業規則の変更はそれほど頻繁に発生するものではありません。会社によっては最後に変更してから10年経っているなんていうこともあります。 よくあるのは労働に関する法律が変わったため、それに合わせて就業規則を変更するパターンです。たとえば平成27年12月にストレスチェック制度について法律の改正が施行されました。社員数が50人以上の会社はストレスチェックを実施することが義務づけられました。 これに伴い就業規則に新たにストレスチェックに関する決まりを定める必要が出ました。このように法律や社会情勢の変化に合わせて就業規則を変更することがあります。

人事制度の見直しをするときにも変更が必要

人事制度の見直しをするときにも変更が必要

たとえば給料の体系を年功序列式から成果主義に変更する際も、就業規則の変更が必要です。経済状況や会社の経営方針などによって人事や労務管理を変更する時は、会社の決まりごとを変える必要があるため就業規則もそれに合わせたものにしなければなりません。 よくあるのが、軽微な変更だからといって届出をしないことです。就業規則はたとえ1か所でも変更を加える時には届出をしないと法違反になってしまいますので注意が必要です。 就業規則の変更の必要が生じた際は、届出をするまでが一つの流れになりますので忘れないようにしておきましょう。

就業規則変更のスケジュール

就業規則変更のスケジュール

就業規則を変更する必要が生じてから、実際に届出をするまでにはどのくらいの期間をみておけばよいのでしょうか。これは変更がどの程度のボリュームかにもよります。会社の規模が小さく、ちょっとした改正程度であれば1~2週間で済みます。 全国に支店や営業所を構える大企業の場合は、書類のやり取りに時間がかかる場合が考えられますので、たとえ軽微な変更であっても1~2か月はみておく必要があります。 では、変更が社員の労働条件の根本に関わるような大がかりなものの場合はどうでしょうか。たとえば賃金制度の変更の場合で考えてみましょう。制度の設計、あらゆる角度からの分析、検討を経て導入となると少なくとも半年から1年はかかります。

就業規則変更プロジェクト

就業規則変更プロジェクト

大企業では就業規則を変更するにあたって人事課などの中でチームを組んで対処します。もしも企業内に労働組合があれば事前に協議したり意見を求めたりします。法的な問題点の有無や想定されるトラブルなどを洗い出し、検討を重ねます。 このように慎重に対処するのは、変更内容や手法によっては社員と争いになるケースが実際にあるからです。社員と争いになれば、時間や労力、金銭面の負担は言うに及ばず、社員全体のモチベーションにも関わります。そのため会社としても慎重にならざるを得ません。 争いの結果によっては就業規則の変更が効力の無いものとされる可能性すらあります。

就業規則の変更の意見書の出し方

就業規則の変更の意見書の出し方

就業規則を変更したときには労働基準監督署への提出が必要です。その際に変更届出書と就業規則と合わせて提出しなければならないのが「意見書」です。 意見書とは就業規則の変更について社員に意見を聞いた結果をしめす用紙です。意見を聞いた結果、異論がある場合にどうなるのかについては後述します。 ここでは、ひとまず意見書の作成にあたっての注意事項についてお話をいたします。意見書の目的は就業規則の変更について社員に、その内容についてきちんと確認したのかどうかを明らかにすることです。

誰に意見を聞けばよいのか

意見書を作成するにあたって、社員の誰に意見を聞けばよいのでしょうか。これについては「社員の過半数が加入して組織された労働組合がある場合はその労働組合、そうした労働組合がないときは社員の過半数を代表するもの」とされています。 社員の過半数が加入している労働組合については特に細かい説明が必要な点はありません。対して「社員の過半数を代表するもの」には注意が必要です。 じつは社員の過半数を代表するものをどのように決めるかは、一定の方式が決められています。挙手や他薦など民主的な方法によって選ばれたものであることとされています。これは会社の方から特定の人物を指名してはいけないということです。 なぜなら会社が指名するということは会社寄りの考えの人である場合が多く、社員の自由な意見とは言えないからです。

就業規則の変更の様式

就業規則の変更の様式

就業規則を変更する場合は変更届出書、意見書、変更後の就業規則または新旧対照表が必要です。必要事項が記載されていればよく、基本的には書式は任意で構いません。 はじめて変更する場合などで、どのようにすればよいかわからない時は各都道府県の労働局のウェブサイトに様式集があり用紙をWord形式でダウンロードすることができます。これらの様式であれば必要事項をもれなく記載できるためおすすめです。

就業規則の変更には同意は必要か

就業規則の変更には同意は必要か

就業規則を変更する場合には意見書を添付することがわかりました。ではもし自分が社員代表になって意見書に署名をする場合には何を書けばよいのでしょうか。 次のようなケースはどうでしょうか。会社の業績が好調で増産体制をとる必要があるとします。そこで会社は年間の休日を現在の120日から110日に減少する変更を考えています。 しかし休みが減るのは嫌なので、意見書に「このような変更は好ましくない」と書き入れたとします。この場合に就業規則の変更は不可能なのでしょうか。 じつは就業規則を変更するにあたっては、社員に意見を聞けばよいとされています。これは意見さえ聞けば賛成しようが反対しようが効力に関係はないということでもあります。

不利益

意見書に反対意見を表明しても、就業規則の変更には影響はないのであれば、会社はいくらでも社員に不利益な変更をできるのではないか。そのような疑問を持つ方もいるでしょう。 就業規則の変更の手続きと、労働条件を不利益に変更するというのは分けて考える必要があります。変更手続きを適正に行うのは労働基準法での決まりです。これに対して労働条件を不利益に変更することの損害については民事で争うことになります。 したがって就業規則の変更が社員に不利益になるような内容であった場合には、そのことで受けた損害に対する損害賠償請求をしていくことになります。

就業規則の変更の周知の方法

就業規則の変更の周知の方法

就業規則は変更した場合は必ず社員に周知しなければなりません。周知というのは広く知らしめるという意味です。具体的な周知方法としては以下の3点が考えられます。 (1)社内の誰でも見ることのできる場所(事務所の棚など)に就業規則を置いておく (2)社内ネットワークで見られるようにしておく (3)印刷して一人ずつに配る どの方法を採用するかは任意です。問題は周知しているとは言えない場合です。たとえば事務所で総務担当者の机の鍵付きの引き出しにしまってあるというのは誰でも見ることができるとはいえません。周知されていない場合は就業規則の効力が否定されることになります。 一方で、誰でも見ることができるようになっているにも関わらず「面倒くさい」という理由で社員が読まなかった場合は周知したとみなされますので注意が必要です。

就業規則はよく読もう

いかがでしたでしょうか。今回は就業規則の変更手続きについてご紹介しました。就業規則に変更の必要が生じた時には速やかに適正な届出をする必要があるので、この記事を参考にして頂ければ幸いです。

アクセスランキング