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労働基準法による休職するときの給与・保証|病気/公務員

制度

企業にとって労働者が会社の利益を上げてくれることが一番ですが、労働者もさまざまな事情を抱えています。今回は、休職という切り口で給与の保証や給付金制度についてまとめてみました。ぜひ、病気やライフステージの変化で休職することになった場合の参考にして下さい。

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労働基準法による休職するときの給与・保証

労働基準法による休職するときの給与・保証

会社勤めを続けていると、病気やケガ、出産や育児、介護などで休職せざるを得なくなった場合、また留学やボランティアに参加するために休職したい場合、給料はどうなっているのか気になるところです。 今回は、休職するときの給与や保証についてまとめました。

労働基準法とは

労働基準法とは

まず、労働基準法について整理していきます。そもそも、労働基準法ってどのような法律なのでしょうか。 労働基準法とは、労働者の賃金や労働時間、休暇などの主な労働条件について、最低限の基準を定めた代表的な法律で、1947年に制定され、改正されながら現在に至ります。直近の改正は平成22年4月1日から施行されています。 民法上、契約の自由は保障されているものの、実際の社会的な立場などから見て、雇用主と対等な立場で契約を結ぶことができるように労働者の保護を主旨とした法律となっています。労働基本法は、日本国内にある事業のみに適用され、職種や国籍を問わずすべての事業者に適用されます。

労働契約・賃金・労働時間・安全と衛生・災害補償・就業規則など、労働条件の基準を定めた法律。一九四七年(昭和二)制定。労基法。

休職の定義とは?

休職とは、労働者が病気などで就労させることができない場合に、労働契約を維持したまま一定期間労働義務を免除する制度です。そして一定の休職期間を満了しても復職できない場合は自動的に労働契約が解除となり退職扱いとなります。 業務外の病気やケガを理由とする傷病休職、その他の私的な事故を理由とする事故欠勤休職、他社への出向にともなう自社での不就労に対応する出向休職、留学や公職への就任に伴う自己都合休職、育児や介護による育児休職・介護休職などがあります。

労働基準法における休職の取り扱い

実は労働基準法には、休職に関する規定はなく、労働契約法にもありません。 すなわち、法律に規定がないということは休職制度の取り扱いについてはその企業の判断になるということです。一旦、就業規則に休職規定を定めることで、労働契約の一部となり会社は休職制度を適用することが義務付けられます。 休職は、企業の就業規則や労働協約などに基づき、雇用者による意思表示により発令するのが通常ですが、労働者と雇用者の合意にもとづき実施されることもあります。 つまり、休職期間中の給与や保証は、各企業の就業規則や労働協約に規定されているということです。

休業と休職の違い

休職と休業の違いについて説明します。法律上大きな違いがあるので、混乱しないように気を付けてください。 休職とは、主として、労働者側の事情で、労働者が就労をしないように命じられている状況のことです。雇用者からの休職命令か、労働者からの休職の申出を雇用者が承認することが必要です。休業は労働者側の都合のため、基本的に休職中は会社から給与は支払われないことが多いです。 休業とは、主として会社側の事情で、労働者の就労が困難で労働義務が免除されている状況のことです。原料費高騰などの会社側の事情の場合と、育児休業、産前産後の休業など労働者側の事情の場合があります。休業は、会社の都合のため、賃金の6割以上を休業補償として支払う義務があります。

休職するときの給与は保証されているのか

では、民間企業において休職する際の給与はどうなっているのでしょうか。また、保証されているのであればどのように保証されているのでしょうか。 民間企業によって休職制度の取り決めはさまざまです。一部の企業では休職期間も給与を支払うところもありますが、基本的には給与の保証はされていません。勤めている企業の就業規則や労働協約を確認しましょう。

就業規則や労働協約で盛り込むべき内容

就業規則に休職に関する規定を設けない場合、その会社には休職制度がないことになります。休職制度を設ける場合は、就業規則に休職に関する規定を定める必要があります。内容については、その企業が自由に設定することが可能です。就業規則に規定する主な内容は次のとおりです。 ・適用対象者 ・休職事由 ・休職期間 ・休職期間中の賃金 ・診断書の提出 ・復職 ・復職後の欠勤

状況別休職するときの給与

会社を休職する際には、いくら自己都合ではあっても生活がありますから、お金の心配が頭をよぎります。ここでは、状況別の休職した際のお金にまつわる制度についてご紹介します。

病気・ケガ

病気・ケガ

ケガや病気で休職した場合、社会保険に加入していれば給与の支払いがなくても、以下の手当を受給できます。

労災保険の休業(補償)給付

業務上や通勤中の発生したケガや病気で休職する場合、労災保険の休業補償給付を利用することができます。業務災害の場合は休業補償給付で通勤災害の場合は休業給付となります。 休業(補償)給付ですが、休業1日につき給付基礎日額(平均賃金)の60%と、休業特別支給金として給付基礎日額の20%が支給されます。 労災保険の休業給付は、次の条件を満たす必要があります。 ・休職理由が業務災害の傷病療養であること ・労働が難しいこと ・連続で3日間休み、4日目以降も業務に従事することができないこと ・休職期間中に給与が支払われていないこと

健康保険の傷病手当金

業務外での病気・事故によるケガで休職する場合に健康保険組合に申請できるのが、傷病手当金です。1日あたりの支給額は、標準報酬日額の3分の2に相当する額で、休職した日から最長で1年6ヶ月支給されます。 傷病手当金は次の条件を満たす場合に支給されます。 ・業務外で病気、ケガをした場合 ・通勤すること、仕事することが困難な場合 ・連続で3日間休み、4日目以降も仕事できない場合 ・休職期間中に給与が支払われていない場合

育児

育児

育児休業は法律により定められている労働者の権利です。1歳未満の子どもを養育する労働者は会社への申し出により、男女問わず取得することができます。 育児休業には、次の2つがあり給与などの取り決めも変わってきます。育児による休職を取得する場合は、自分の勤める会社の制度について確認する必要があります。

育児休業

育児休業とは、育児・介護休業法に基づいて、子を養育する労働者が取得できる休業制度のことです。休業を取得するための条件を満たしていれば取得することが可能で、一般的に「育休」と呼ばれています。 育児休業中は、給与が支給されないか、あるいは減額されるのが普通です。しかし、子どもを育てる・生活するには収入がなければできないため、育児休業給付金と育児休業者職場復帰給付金の支給を受給することが可能です。

育児休暇

育児休暇とは法律に基づいて取得するものではなく、あくまでもその企業独自の休暇のことです。休暇中に育児をするという意味で、こちらも一般的に「育休」と呼ばれていますが、育児休業との違いは、給与を補てんする給付制度などはありません。

介護

介護

介護休業は、介護を必要としている家族のために一定期間休業できる制度です。解雇だけでなく、降格や給与の減給、賞与の削減といった労働者側が不利益を被ることを禁止しています。 介護休業を取得すると、それまでもらっていた給与の40%までは支給され、かつ休業期間を終えたら元の会社へ戻ることが可能となっています。

介護休業給付金と期間

介護休業給付金とは、介護休業中でも受け取ることができる給付金で、休業開始前にもらっていた平均給与の40%を受け取ることができます。この制度は、ケガや病気になってしまい、2週間以上の常時介護を必要としている家族がいる労働者が対象です。そして、介護休業給付金の支給日数は通算93日以内とされています。

公務員の休職するときの給与

ここからは、公務員の休職について整理していきます。

公務員における休職とは?

では公務員の休職についてはどうなっているのでしょうか。 公務員における休職とは、公務員という身分を保持したまま一定期間職務から離れることをいいます。基本的には、職場に復帰することを前提としています。国家公務員においては人事院規則で、また地方公務員については条例で休職の取り扱いについて規定されています。

国家公務員

国家公務員

国家公務員においては、人事院規則11系列の第4項目に「職員の身分保障」があり、その中で国家公務員の休職についての取り決めが記述されています。国家公務員は次のケースに当てはまる限られた場合いおいて休職することができます。 ・公的施設や政府関連の特別な研究に従事する場合 ・心身の故障のため、長期の休養を要する場合 また休職期間中は基本的にそれまでの身分を保証しており、休職期間は最長3年以内で具体的な日数は任命者の判断によります。つまり、休職者のキャリアや給与面においてはマイナスになることなくスムーズに復職できると言えます。

地方公務員

地方公務員

地方公務員においては、休職に対する規定は各地方の条例で規定されているため、国家公務員や全地方公務員が全く同じとは言えません。しかし、基本的には国家公務員の規定に準じています。 また、地方公務員法には以下のように定義されています。

(降任、免職、休職等) 第二八条  2 職員が、左の各号の一に該当する場合においては、その意に反してこれを休職することができる。 一 心身の故障のため、長期の休養を要する場合 二 刑事事件に関し起訴された場合

公務員が休職する際の流れについて

公務員が休職する際は、まず初めの90日は病気休暇扱いとなります。この休職期間が1週間以上になると、医師の診断書の提出が必要となります。診断書の提出がなかったり、病気休職の理由が明確になっていない場合は病欠扱いとなります。 90日の病気休暇後は、病気休暇の延長を行うか休職扱いとして届け出を行うかの2つの選択肢があります。 また、先ほども述べたように、休職期間は最長3年となっています。3年以内であれば公務員としての身分やキャリアが保証されたまま復職することが可能となっています。

給与・賞与の保証について

では、休職中の給与やボーナスはどうなっているのでしょうか。 公務員は休職していても給与が発生します。休職してから初めの90日間は病気休暇となり、民間企業における有給休暇と同じ扱いで、基本的には給与全額が支給されます。それ以降は休職期間が1年以内であれば約8割の給与が支給されます。 休職期間が1年以上になると、給与は支給されません。その際は、所属する自治体の共済組合の制度を利用することになります。傷病手当金の請求です。この傷病手当金とは、民間企業の社員が支給される割合と同様で、給与の2/3が支給されることになっています。支給期間は1年半が限度です。 賞与については、公務員の賞与は過去半年の職務をベースに決定されますので、休職して初めてのボーナスの時期から遡って、過去半年に職務についていたのであればボーナスも支給されることになります。

郵便局の休職するときの給与

郵便局の休職するときの給与

郵便局を含む日本郵政グループでは、出産・育児や介護のための制度としては、産前産後の休暇、配偶者の出産休暇、育児休業(3歳まで)、育児部分休業(9歳まで)、子の看護休暇、介護休業(通算183日まで)、介護部分休業(最大3年間)、介護休暇などがあります。 休職中の給与保証については、休業給付金制度が整っています。詳しくは勤め先の郵便局などに問合せすることをお勧めします。

休職するときの給与は減給されるのか

では、休職する際の給料について保証はどうなっているのでしょうか。

減給

減給

休職するときの給与は減給されるのでしょうか。 基本的には給与とは労働の対価によるもののため、「休職=仕事をしていない」とみなされます。また休職は法律での決まりが特にないため、制度自体も企業によってさまざまです。給与が言及されるのかどうかは勤め先の休業制度を確認して下さい。

無給でも必要な支払いがある

休職で給与の支払いがなくても、支払い義務のあるものがあります。休職中でも会社に在籍している状態なので、社会保険の資格は維持したままです。そのため、社会保険料や税金については、給与がなくても支払う必要があります。一般的には会社経由での支払いとなりますので、会社への支払いが必要となることを注意してください。

休職制度は多種多様

休職制度は企業によって多種多様です。基本的には企業も復職することを前提とした制度を整えているところが多いです。制度については勤め先に確認し、休んでいる間の収入の保証などもしっかり把握しておくことをお勧めします。

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