IT人材のためのキャリアライフスタイルマガジン

【物別】減価償却の計算方法|累計額/耐用年数/定率用

社会人常識

一括で経費として計上しない、減価償却の計算方法をご紹介します。そもそも減価償却って何かということをはじめ、減価償却の対象になるものや、その計算方法を、物別の例を挙げて解説します。「法定耐用年数」や「定額法」などの法律用語も、意味がわかれば難しくありません。

更新日時:

減価償却って何?

【物別】減価償却の計算方法|累計額/耐用年数/定率用

減価償却、言葉は聞いたことがあるけれどもなかなかその意味を知っている方はいらっしゃらないのではないでしょうか。減価償却とはそもそもどういう言う意味なのでしょうか。減価償却は簡単に言うと「資産」を「消耗品に変えていく」ことで節税対策ができるということです。例を挙げてお伝えさせていただきます。

減価償却の考え方について

自分が保有している車や店舗など資産価値のあるものを何年間で使用しきれるかを計算します。例えば1000万円で購入した車を5年間使用し続けて消費します。1年目にかかる費用は200万円です。最初の年に1000万円をキャッシュで購入したとしても課税所得に変化はありません。しかし、実際に使用した場合に架空の経費として200万円を損金に計上し、課税所得の減額に充てることができるという考え方です。

「資産」と「消耗品」の違い

【物別】減価償却の計算方法|累計額/耐用年数/定率用

そもそも「資産」とはどういうものをさすのでしょうか。営業用の車であったり、会社の備品のソファであったりとその種類はさまざまです。減価償却をさらに詳しく理解するうえで「資産」と「消耗品」との違いをもう少し詳しく解説させていただきます。

どうして「資産」は課税対象になるの?

最初に「資産」とは使いきらずに売却益が狙えるものを言います。例えば営業車を一台会社で購入しました。この時点でお金が出てしまっているので一見損した気分になります。しかし、車という「資産」が手元に残っているという考えです。「資産」になった車は例えば5年経過した時点で売ることができます。すなわち売ることで利益を得ることができます。 売ることで利益を得ることができる「資産」に対しては利益が減ったとはみなされず、課税の対象となります。

消耗品はどうして課税対象にならないの?

【物別】減価償却の計算方法|累計額/耐用年数/定率用

「資産」に対して「消耗品」があります。「消耗品」は「資産」と同じように課税対象になるのでしょうか。「消耗品」はたとえそれが会社にとって必要なものであっても、会社のお金を確実に減らします。例えば、ボールペンは使えば使いきりです。車のように後に売って利益を得ることができません。 会社の運営に必要な消耗品は、経費(損金)にできる消耗品としてみなされ、購入することで節税に結びつきます。つまり、課税対象にはなりません。

節税とはどういう意味?

節税についてご説明させていただきます。消耗品の購入には税金を充てる(課税対象にならない)ことができるとお伝えさせていただきました。節税のイメージですが、税金を充てるのだからお金が増えるというイメージがつきますが、決してお金が増えるのではありません。無くなるお金が少なくなるだけです。 つまり、会社から支払う税金が少なくて済むという考え方です。

減価償却の仕組みについて

【物別】減価償却の計算方法|累計額/耐用年数/定率用

会社のためにと考えて購入した社用車や接客用のソファは消耗品のように決して小さなお金ではありません。社用車1台の購入だけでも数百万からします。しかし社用車は「消耗品」とはみなされず「資産」としてみなされるため、税金が課せられてしまいます。それではいくら利益があっても出ていくお金が多くなり儲けが入ってこないということになります。 「資産」を「消耗品」に変えることはできないのでしょうか。実はできます。資産の一部を消耗品に変えていくことができます。その方法をお伝えさせていただきます。

資産購入の問題点について

「資産」を購入しても経費に計上できず、税金が課せられるのは会社にとって大きな損失です。もしも「資産」が「消耗品」であれば、経費に計上できます。経費に計上できるからと言って節税対策ができるようになるとはこの時点では考えられません。なぜならば、その経費が「損金」として認められていないからです。 「損金」として認められなければ、単なる会社の無駄遣いとしてみなされ、課税を受けることになります。

永久不変の資産について

「資産」を「消耗品」に変えることができるなら、会社から支払う税金も少なくなります。「資産」は消耗されない、すなわち価値が永遠に残る、だから会社のお金を消費したとは言えないというイメージはもう皆さんの中にあることでしょう。 ですが考えてみてください。どの「資産」も土地のように永久不変というわけではありません。永久不変でない「資産」とはどのようなものでしょうか。

「資産」の価値について

永久不変でない「資産」の代表例に自動車があります。例えば、自動車のように新車で購入しても、使用する年数で売って利益を得ることができずに壊れてしまうものもあります。このようになると使用価値がなくなってしまいます。そうすると自動車も文具用品と同じで消耗品になってもよいのではないかと考えられます。 しかし残念なことに自動車は「消耗品」ではなく「資産」のままです。自動車のように少しずつ価値が減っていく「資産」に対して節税を受けることはできないのでしょうか。

「資産」を「消耗品」に変えていく方法とは?

自動車のように少しずつ価値が減っていく資産に対して一定率の税金を課せるのはあまりにも無理があります。そこで自動車のような「資産」に対して、「資産」の一部が消耗品に変わるという見方が認められました。すなわち、毎年、消耗した分だけ消耗品と同じように節税が受けることができるようになるという仕組みが生まれました。 これが減価償却です。

減価償却の対象となるもの

【物別】減価償却の計算方法|累計額/耐用年数/定率用

減価償却の対象となるものの定義についてお伝えさせていただきます。減価償却の対象となるものには3つのタイプがあります。 ①有形固定資産 ②無形固定資産 ③生物 の3つです。言葉だけではわかりにくいので、それぞれの意味をこれからお伝えさせていただきます。

有形固定資産ってなに?

有形固定資産っていわれて皆さんは何をイメージされますか。有形固定資産とは建物や建物の付属設備である暖冷房設備や照明設備など、橋などの構造物、機械や搬送設備、輸送機など形となったものがあげられます。

無形固定資産ってなに?

無形固定資産って言われて皆さんは何をイメージできますか。無形固定資産とは特許権などの権利を指します。権利は形にできないものですが、これも立派な資産です。その他、ソフトウエアも無形固定資産に含まれます。

生物

有形固定資産や無形固定資産ときて、最後にいきなり生物ときたので、皆さんはきっと驚かれたでしょう。実は生物も立派な資産の1つです。しかしここで注意しなければならないのはなんでもかんでもが資産となるわけではありません。 「資産」となる生物は主に家畜や果樹、野菜、茶木といった生産物に限られます。

その他減価償却の資産となるもの

先に挙げた有形固定資産や無形固定資産そして生物以外でも減価償却の資産の対象となるものがあります。有形固定資産の通常の維持管理や修理以外のもの、稼働休止期間中に必要な維持修繕が行われいつでも稼働できる状態にあるものなどが対象となります。

減価償却の対象とならないもの

【物別】減価償却の計算方法|累計額/耐用年数/定率用

減価償却の対象となるものについてお伝えしてきました。減価償却の対象となるものがあると言うことは当然対象とならないものもあります。混乱しないように減価償却の対象とならないものをお伝えさせていただきますので、ご参考にしてください。

対象とならないものってどんなもの?

減価償却の対象とならないものとしていくつかご紹介させていただきます。ご参考にしてください。 ・事業用でないもの(プライベート仕様のものは非対象です) ・事業用として使用されていないもの(事業用として購入したけれどもプライベートで使ってしまったや購入したけれども一度も使っていないものが該当します。) ・使用可能期間が1年未満のもの ・取得価格が10万円未満のもの ・有価証券 などがあげられます。

減価償却の計算の考え方について

【物別】減価償却の計算方法|累計額/耐用年数/定率用

減価償却の仕組みがわかったところで、どのように計算していくか、その計算の考え方についてお伝えさせていただきます。その前にバランスシートについてお伝えさせていただきます。減価償却の計算の考え方では、バランスシートという会計用語がたびたび出てきます。後でバランスシートとは何だったっけと困惑しないように、先にご説明させていただきます。

バランスシート(貸借対照表)ってなに?

【物別】減価償却の計算方法|累計額/耐用年数/定率用

会計用語に対して初めて聞く人、聞いたことがある人という方はたくさんいらっしゃるでしょう。会計用語はそれだけでとても難しいと捉えられがちですが、少しずつ地道に解釈していくことでさらに会計のことが奥深くわかってきます。そこで今回はバランスシートについてお伝えさせていただきます。 バランスシートとは、お金の貸借の関係を見るものではありません。右と左に全く同じものを書き、それを異なる2つの視点から見るシートです。

バランスシートでは何がわかるの?

右と左に全く同じものを書いて、それを異なる2つの視点から見るとはどういうことを意味するのでしょうか。バランスシートの右側に書かれている合計金額と、左側に書かれている合計金額は一致しています。この表で何がわかるのでしょうか。 表の左側は会社の財産目録(全財産の時価)を表しています。一方、表の右側は会社の全財産の内、人に返さなくてはいけない金額(他人資本)と返さなくてよい金額(自己資本)が書かれています。左右同じ内容が書かれているけれども、異なる2つの視点で内容を捉えています。

バランスシートの基本的な書き方

バランスシートには左右同じ内容が書かれているけれども、異なる2つの視点で内容を捉えていると先ほどお伝えさせていただきました。これはどういうことを表しているのでしょうか。 例えばあなたが10万円の財産を持っているとします。そのうちの2万は友達から借りたものです。バランスシートの左側にはあなたの財産である10万円を記入します。右側には友達から借りた2万円、すなわち返さなければいけない2万円と返さなくてよい自分のお金である8万円を分けて書きます。 これがバランスシートへの基本的な書き方です。

減価償却の計算の考え方

【物別】減価償却の計算方法|累計額/耐用年数/定率用

バランスシートが何かわかったところで、本題に入っていきます。それではここからは減価償却の計算の考え方についてお伝えさせていただきます。先ほど、「資産」を「消耗品」に変えていくというところで自動車を例に減価償却の仕組みについてお伝えさせていただきました。 減価償却の計算考え方はバランスシートに載っている自動車の資産価値を、毎年少しずつ減らし、その減った額を、毎年、経費(損金)として、損益計算書(PL)に計上します。

耐用年数表ってなに?

減価償却の計算の考え方において、自動車のように数年かけてその資産価値が減っていくものがあります。正直どれくらいの期間でその資産価値が減っていくなんて誰にもわかりません。そこで登場してくるのが「耐用年数表」です。 これをもとにこの資産はこれくらいの期間をかけて資産価値が減っていくので、最初に購入した金額から毎年、一定率の金額を損金として計上することができます。資産の耐用期間を算出するための表のことを「耐用年数表」と言います。

減価償却費とはなに?

減価償却の計算ではバランスシートを使用します。バランスシートの資産額から毎年少しずつ資産を減らし、同時に損益計算書(PL)に経費(損金)として計上していく費用(目に見えないお金)のことを減価償却費と言います。つまりどういうことかというと、実際は「資産」である自動車を一括払いで購入したのに、PL上は「消耗品」を分割購入したことにするという考えです。

課税所得を減らす減価償却の計算の考え方

自動車以外にも数年かけて価値がさがっていくものがあるとお伝えしました。自動車の減価償却資産の耐用年数は6年です。その自動車を実際に使用した場合に限り、1年につき購入金額の6分の1割合で、PLに架空経費として計上していくことができます。 最初の決算期までに使用した場合にはバランスシートの車の資産額を6分の5に減らし、減った6分の1に相当する金額をPL上に減価償却費という経費(損金)として計上します。そうすることで、課税所得が減ります。

減価償却の計算の考え方のまとめ

耐用年数表にある自動車の資産価値は6年ですが、なぜ6分の1しか経費として認められないのでしょうか。その理由は売却益を狙える可能性があるからです。売却益が発生した場合はその資産は消耗品ではなく単なる資産となり、普通に税金がかけられてしまいます。それでは会社の利益に損失が出るだけです。 実際に1年間使用して480万円で購入した自動車の内、その6分の1である80万円を架空の損金として計上すれば課税所得が80万円減ります。例えば法人税が30パーセントであれば、24万円の減税となります。

減価償却の計算方法で使用する言葉の意味

【物別】減価償却の計算方法|累計額/耐用年数/定率用

さあ、それでは本題に入っていきましょう。ここからは減価償却の計算方法についてお伝えさせていただきます。実際にどのように計算していくかについて細かく説明していきますので安心して読んでください。

これだけは押さえておきたい言葉

減価償却の計算にはさまざまな「ワード(ことば)」がでてきます。それぞれが何を意味しているのか混乱をする前に意味を押さえておきましょう。

累計額って何?

【物別】減価償却の計算方法|累計額/耐用年数/定率用

まずは累計額ですが、資産(自動車)を購入して、毎年少しずつ消耗していく費用のことを減価償却費とお伝えしました。発生した年から現在に至るまでの減価償却費の合計金額のことを累計額と言います。ただし、例外があります。すでに廃棄もしくは売却した固定資産の減価償却費は含みません。 後でじっくりお伝えさせていただきますが、累計額がバランスシート上でマイナス表示される場合があります。固定資産の現在の帳簿過程の計算過程を表すためです。 減価償却累計額はマイナス勘定として固定資産の金額を固定するという特徴があります。

減価償却費と減価償却累計額の違い

減価償却費と減価償却累計額と言葉で説明してもいまいち頭に入ってきません。それぞれの違いをまとめてみましたので、下の表をご覧いただき、ご参考にしてください。

減価償却費減価償却累計額
金額の違い各年の固定資産の価値が減った金額減価償却費を過去からすべて合算した金額
費用の違い損益計算書(PL)に含まれる貸借対照表に表示される

定率法や定額法って何?

【物別】減価償却の計算方法|累計額/耐用年数/定率用

減価償却では定率法や定額法といった言葉が繰り返し出てきます。定率法と定額法は減価償却の計算方法です。定率法と定額法のそれぞれの意味と違いについてお伝えさせていただきます。 定率法とは一定の率で減価償却費を計算する方法です。一方、定額法は一定額の減価償却費を計上する方法です。

定率法と定額法の違いについて

定率法と定額法の違いはについてお伝えさせていただきます。 定率法は初年度に多く減価償却費を計上することができ節税につながりますが、資産の種類によってはこの計算方法が適用できなかったり、この計算方法を適用するために税務署へ届け出を出すことが必要になる場合があります。 定額法は取得価額が変わらないため、減価償却費は毎年一定です。

定率法と定額法の違いについての一覧

定率法と定額法の計算方法の違いとメリット・デメリットです。

定率法定額法
計算方法一定の率で減価償却費を計算する方法一定額の減価償却費を計上する方法
違い(メリット1)初年度に多くの減価償却費を計上することができる取得価額が変わらない
違い(メリット2)減価償却費が何年経っても一定
違い(デメリット)資産の種類によっては適用できない

減価償却の計算方法

【物別】減価償却の計算方法|累計額/耐用年数/定率用

減価償却の考え方については皆さんはもう大丈夫でしょうか。それでは次に減価償却の方法についてお伝えさせていただきます。減価償却には複数の方法があります。大きく分けて2つに分類することができます。①期間を配分の基準にする方法②生産高を配分基準にする方法の2つです。減価償却の方法においてどちらの方法を使えばよいかは、固定資産の性質によって変わります。 どのように変わるのでしょうか。固定資産の価値の減少が主に期間の経過によって起きる場合(例えば、自動車)は①の方法を取ります。繰り返しの利用によって起きる場合は②の方法です。

期間を配分の基準にする方法とは

期間を配分の方法する方法とはどのような方法なのでしょうか。 定額法を用いる場合の計算式を用いる場合、減価償却費を求める計算には取得価額から残存価額を引き、それを耐用年数で割る方法です。 定率法を用いる場合、減価償却費を求める計算には未償却残高に償却率を掛ける方法です。 級数法を用いる場合、取得原価から残存価額を引いたものと耐用年数から経過年数を引いたものとを掛けます。続いて、耐用年数と耐用年数に「1」を足したものを掛けて、それを「2」で割ります。先にかけたものと後にかけたものとを割る方法です。

期間を配分の基準にする方法計算式
定額法減価償却費=(取得価額ー残存価額)÷耐用年数
定率法減価償却費=未償却残高×償却率
級数法(取得原価ー残存価額)×(耐用年数ー経過年数)÷耐用年数×(耐用年数+1)÷2

生産高を配分の基準にする方法

生産高を配分の基準にする方法では生産高比例法を使います。計算方法は取得原価から残存価額を引き、それに当期利用量を掛けて、さらに利用可能総量で割って計算する方法です。

生産高を配分の基準にする方法計算式
生産高比例法(取得原価ー残存価額)×当期利用量÷利用可能総量

残存価額と生産高比例法の意味

残存価額とは耐用期間が終了した際に固定資産の売却価格、もしくは利用価格から撤去などにかかる費用を差し引いた額を言います。 生産高比例法とは利用量を物理的に把握できる固定資産で、かつ主に繰り返しの利用によって価値が減少するもののみに使用可能です。例えば自動車や鉱業用設備などがあげられます。

減価償却累計額を表示するには?

【物別】減価償却の計算方法|累計額/耐用年数/定率用

減価償却累計額を表示するにはどのようにすればよいのでしょうか。まずは減価償却の記帳方法からお伝えさせていただきます。減価償却を記帳するには2つの方法があります。「直接法」と「間接法」です。 直接法は減価償却費を固定資産から直接差し引いていく方法に対し、間接法は減価償却費は減価償却累計額で表示されます。 具体的に言うと直接法では減価償却費を借方科目として費用計上し、貸方科目に固定資産を記入し、金額には減価償却費と同じ金額を記入します。間接法では減価償却費を借方科目として費用計上し、貸方科目には減価償却累計額を記入します。

直接法間接法
計算方法固定資産ー減価償却費減価償却累計額で表示
記入方法(貸方)固定資産減価償却累計額
記入方法(借方)減価償却費を費用計上減価償却費
記入方法(金額)減価償却費

直接法について

直接法では減価償却費を借方科目として費用計上し、貸方科目に固定資産を記入し、金額には減価償却費と同じ金額を記入しますとお伝えさせていただきました。しかし、これだけでは固定資産の取得価額を把握することができません。そのため直接法では減価償却累計額を注記として表示する必要性があります。これによって取得価額を導き出すことが可能となります。

直接法と間接法の計算式

【物別】減価償却の計算方法|累計額/耐用年数/定率用

計算の算出の方法がわかったところでそれぞれの計算式をお伝えさせていただきましょう。計算式にすればそれぞれがどのように異なるかがもっと鮮明にわかるはずです。 直接法では固定資産の取得価額を求めるには固定資産の帳簿価格に減価償却累計額を足します。一方間接法では固定資産の帳簿価格を求めるには固定資産の取得価額から減価償却累計額を差し引きます。一覧にしますのでご参考にしてください。

計算式
直接法固定資産の取得価額=固定資産の帳簿価額+減価償却累計額
間接法固定資産の帳簿価額=固定資産の取得価額-減価償却累計額

減価償却の計算方法

【物別】減価償却の計算方法|累計額/耐用年数/定率用

それぞれの言葉がどのような意味合いを持っているかがわかったところで、計算方法についてお伝えさせていただきます。ここでは累計額の計算方法、耐用年数の計算方法、定率法の計算方法、定額法の計算方法についてお伝えさせていただきます。 減価償却の具体的な計算方法についてお伝えするのですが、その前に必ず頭に入れておいていただきたいポイントがあります。減価償却の計算に必要な3つのポイントについてお伝えさせていただきます。

減価償却の計算に必要な3つのポイント

減価償却の計算に必要な3つのポイントとは冒頭の部分から繰り返しお伝えしてきていますが①取得価額②法定耐用年数③減価償却費を計算するための方法(直接法か間接法かということです)です。

累計額の計算方法

減価償却累計額を求める計算のポイントについてお伝えさせていただきましょう。①いつ取得したか②どれくらいの期間使っているか③1年分の減価償却費を求める④1か月分の減価償却費を求めるという⑤1年分の減価償却費にどれくらいの期間使っているかの年数を掛けて、そこに1か月分の減価償却費を足すという計算の流れになります。 補足になりますが、③1年分の減価償却費の求め方の計算は取得原価から残存価額を引いて耐用年数で割った金額となります。④1か月分の減価償却費を求め方の計算は1年分の減価償却費を12か月で割った数に1か月分を掛けた金額となります。

耐用年数の求め方

耐用年数を求めるにはどのようにすればよいのでしょうか。政府が発行している「減価償却資産の耐用年数等に関する省令」を用いて、資産の種類と取得年月日から耐用年数を調べます。

定率法の計算方法について

定率法で減価償却費を求める計算にはどのような計算式を用いたらよいのでしょうか。定率法で減価償却費を求める計算には前期末の帳簿価額に耐用年数に応じて定められた定率法の償却率を掛ける方法を用います。 定率法の償却率を求める表をリンクしておきますのでご参考にしてください。

定額法の計算方法について

定額法で減価償却費を求める計算にはどのような計算式を用いたらよいのでしょうか。定額法で減価償却費を求める計算には取得価額に耐用年数に応じて定められた定額法の償却率を掛ける方法を用います。 定額法の償却率を求める方法をリンクしておきますのでご参考にしてください。

もの別減価償却の計算方法

【物別】減価償却の計算方法|累計額/耐用年数/定率用

モノによって減価償却の計算方法が異なることがわかりました。それでは具体的な例を使ってどのように計算をしていけばよいのかお伝えさせていただきます。今回例として起用させていただくのは、不動産と車です。

不動産の計算方法

【物別】減価償却の計算方法|累計額/耐用年数/定率用

それでは不動産の減価償却費の計算方法についてお伝えさせていただきます。減価償却を計算するためにはまず取得費や耐用年数そして償却率を求める必要があります。 不動産の減価償却費の考え方のおさらいですが土地は減価償却の対象外です。不動産の減価償却を計算するにあたり建物と土地の取得費を分ける必要があります。それでは①取得費②耐用年数③償却率のそれぞれの計算方法④減価償却の計算方法について順次ご説明させていただきます。

①取得費の計算方法

【物別】減価償却の計算方法|累計額/耐用年数/定率用

取得費は不動産の売買契約書に土地と建物の金額が記載されていればそのままの金額を用いて問題はありませんが、もし記載がない場合は固定資産税評価額をもとに分けて計算しなければなりません。今回は売買契約書に土地と建物の金額が記載されていないバージョンで計算していきます。 例文をご紹介します。 不動産の取得日は平成19年4月1日 不動産の購入金額は5000万円 不動産の固定資産税評価額は4000万円 建物の固定資産税評価額は2500万円 土地の固定資産税評価額は1500万円 工事費の割合について建物が60パーセントに対して、建物設備が40パーセントとします。

建物の取得費を計算しよう

まずは建物の取得費を計算しましょう。取得費は不動産の購入金額に建物の固定資産税評価額を不動産の固定資産税評価額で割ったものを掛けた金額になります。 上の例をもとに計算していくと、5,000万円×(2,500万円÷4,000万円)=3,125万円です。そこに工事費の割合を加算します。建物の割合が60パーセントなので、取得費に60パーセントの割合を掛けて計算します。そうすると3,125万円×60%=1,875万円となります。また、建物設備は3,125万円×40%=1,250万円です。

②耐用年数の計算方法

【物別】減価償却の計算方法|累計額/耐用年数/定率用

耐用年数を調べます。不動産の場合の主な耐用年数は次のとおりです。 鉄骨鉄筋コンクリートは47年 れんが造りは38年 木造は22年 建物設備は15年です。 ここで注意しなければならないのは耐用年数を調べたら終わりではありません。不動産の場合は築年数によって耐用年数が変わってくることを覚えておいてください。

築年数が法定耐用年数を全て経過した場合

築年数が法定耐用年数を全て経過した場合の計算方法をお伝えさせていただきます。耐用年数は法定耐用年数に0.2を掛けて計算します。例えば木造の場合は法定耐用年数は22年です。なので、築22年以上の木造建築物に対する計算式は22年に0.2を掛けますので4年となります。

築年数が法定耐用年数を全て経過していない場合

今度は築年数が法定耐用年数を全て経過していない場合の計算方法をお伝えさせていただきます。耐用年数は法定耐用年数から築年数を差引し、築年数に0.2を掛けたものを足して計算します。すなわち木造建築の耐用年数が22年で、築16年の不動産の場合の耐用年数は(22-16)+16×0.2=9年となります。 補足説明になりますが新築の場合は築年数に「0」を代入して計算します。

③償却率の確認

耐用年数をもとに、国税局のホームページで減価償却資産の償却率表から償却率を調べます。不動産取得日が平成19年4月1日ですので、耐用年数9年の場合の定額法の償却率は0.112です。耐用年数22年の償却率は0.046です。 償却率は定率法と定額法と2種類あることはお伝え済みですが、不動産の減価償却では一般的に定額法が求められますので、今回は定額法のみの計算方法をお伝えします。

④減価償却費の計算

【物別】減価償却の計算方法|累計額/耐用年数/定率用

建物の取得価格と償却率が決まったので減価償却費を計算していきます。条件は次のとおりです。 不動産の取得日は平成19年4月1日 不動産の購入金額は5000万円 不動産の固定資産税評価額は4000万円 建物の固定資産税評価額は2500万円 土地の固定資産税評価額は1500万円 工事費の割合について建物が60パーセントに対して、建物設備が40パーセン 建物の構造は木造建築 築年数は16年とします。

取得費用を求めます

取得費用は建物本体が1,875万円、建物設備は1,250万円、建物本体の耐用年数は9年です。また、建物設備の法定耐用年数は15年になりますが、築年数が法定耐用年数を超えているため、建物設備の耐用年数は15×0.2=3年です。 不動産取得日が平成19年4月1日ですので、建物本体の償却率は0.112ですので、建物本体の減価償却は1,875万円×0.112の210万円、建物設備の償却率は0.334ですので、1,250万円×0.334の417万5,000円となります。総額で627万5,000円となります。

車の計算方法

【物別】減価償却の計算方法|累計額/耐用年数/定率用

次に車の外科償却の計算方法についてお伝えさせていただきます。条件は次のとおりです。 車両の取得価額150万円 耐用年数6年 決算日12月31日 事業の用に供した日は平成26年8月5日 償却率0.167(定額法)0.417(定率法) 途中で売却はしない 改定償却率0.334 保証率0.09911

定額法の減価償却計算

【物別】減価償却の計算方法|累計額/耐用年数/定率用

まずは購入した年度の仕分けから見ていきましょう。事業の用に供し始めた年度は月割計算となります。減価償却費は取得価額に定額法の償却率を掛けて、事業の用に供した日が平成26年8月で決算日が12月なので5か月となります。それを12か月で割りますので、150万円×0.167×5÷12=104,375円です。 2年目から6年目の仕分けは、12か月分の減価償却となるので、減価償却費は150万円×0.17の250,500円です。定額法の場合は基本的に毎年減価償却費が同じ金額になります。 仕訳方法は借方には減価償却費として金額250,500、貸方には車両運搬具として250,500と記入します。

借方金額貸方金額
減価償却費250,500車両運搬具250,500

最終年度の仕分けについて

事業の用に供してから6年すなわち72か月が経過する年度は、帳簿価額が1円になるまでの金額を減価償却費とすることになります。したがって、減価償却費は150万円から購入した減価償却費と2年目以降の減価償却費を足したものに購入した年の経過月を掛けてそこに「1」を足し物全てを引きます。計算式に直すと150万円-(104,375円+250,500円×5+1)=143,124万円となります。

借方金額貸方金額
減価償却費143,124車両運搬具143,124

定率法の減価償却の計算条件

【物別】減価償却の計算方法|累計額/耐用年数/定率用

定率法の減価償却費の計算についてお伝えさせていただきます。条件はつぎのとおりです。 車両の取得価額150万円 耐用年数6年 決算日12月31日 事業の用に供した日は平成26年8月5日 償却率0.167(定額法)0.417(定率法) 途中で売却はしない 改定償却率0.334 保証率0.09911

購入した年度の仕分け

事業の用に供し始めた年度は月割計算となりますので、減価償却費は取得価額に定率法の償却率を掛けて、事業の用に供した日が平成26年8月で決算日が12月なので5か月となります。それを12か月で割りますので、150万円×0.417×5÷12の260,625円となります。

借方金額貸方金額
減価償却費260,625車両運搬具260,625

2年目の仕分け方法

2年目以降は期首時点の未償却残高に償却率を掛けることで減価償却費が算出できます。したがって2年目の減価償却費は150万円から最初の年の減価償却費である260,625円を差引し、さらに0.417の償却率をかけて計算しますので、516,819円となります。なお、減価償却累計額は最初の年の減価償却費が260,625円そこに2年目の減価償却費を足しますので777,444円となります。

借方金額貸方金額
減価償却費516,819車両運搬具516,819

3年目の仕分け方法

3年目の減価償却費は150万円から減価償却累計額を差引し、定率法の償却率を掛けます。計算式は次のとおりです。150万円-777,444円×0.417=301,306円です。なお減価償却累計額は1,078,750円です。

借方金額貸方金額
減価償却費301,306車両運搬具301,306

4年目の仕分け方法

4年目の減価償却費は150万円から減価償却累計額を差引し、定率法の償却率を掛けます。計算式は次のとおりです。150万円-1,078,750円×0.417=175,661円です。なお減価償却累計額は1,254,411円です。

借方金額貸方金額
減価償却費175,661車両運搬具175,661

5年目の仕分け方法

5年目の減価償却費は150万円から4年目の減価償却累計額を引き、定率法の償却率を掛けますので、計算式は(150万円-1,254,411円)×0.417=102,410円となります。 しかしこの年度で調整前償却額(102,410円)が償却補償額(148,665=150万円×0.09911)を下回ることになりますので、以降の年度では「改定取得価額」および「改定償却率」を使用します。

改定取得価額の計算方法

改定取得価額は不動産取得額から4年目の減価償却累計額を差引した金額となるので、150万円から1,254,411円を引くと改定取得価額は245,589円となります。改定後の減価償却費は245,589円に定率法の償却率を掛けますので、245,589円×0.334=82,026円となります。なお減価償却累計額は1,336,437円となります。

借方金額貸方金額
減価償却費82,026車両運搬具82,026

6年目の仕分け方法

6年目の減価償却費は54,630円です。減価償却累計額は1,391,067円です。必ず改定後の償却率で計算してください。

借方金額貸方金額
減価償却費54,630車両運搬具54,630

最終年度の仕分け方法

最終年度は期首時点の帳簿価額が取得価額から前年度の減価償却累計額を差引したものですので、150万円から1,336,437円を引きますので、163,563円です。「1」円との差が163,562円となり「改定取得価額×改定償却率」の金額に満たないので、期首の帳簿価額と「1」円までの金額の差額が減価償却となります。

借方金額貸方金額
減価償却費163,562車両運搬具163,562

これで大丈夫、減価償却の計算方法!

【物別】減価償却の計算方法|累計額/耐用年数/定率用

いかがでしたでしょうか。複雑な減価償却の計算方法も順を追って少しずつ意味を理解していけば、「ああ、なるほど」ということ多かったのではないでしょうか。今回は減価償却って何という入門から減価償却の対象となるものならないもの、会計用語の解説を経て、実際の例を使って減価償却の計算方法をご紹介しました。これであなたも減価償却の達人です。

アクセスランキング