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遂行の意味と使い方の例文|任務遂行・読み方/類義語

更新日:2024年06月26日

言葉の違い

「任務遂行」などの形で見聞きする「遂行」という言葉、知っているけれどあまり使ったことがないという方もいるのではないでしょうか。そこで今回は、「遂行」の意味と併せて使い方や類義語までご紹介します。「成し遂げる」を漢字でかっこよく使ってみたい方、必見です。

「達成」や「貫徹」の他に、目的を達して成し遂げる、きまりをつけるという意味の「果たす」も「遂行」の類語として挙げられます。 合唱で歌われることの多い『故郷』には、「志を果たしていつの日にか帰らん」という歌詞の一節がありますが、ここでの「果たす」はまさに、成し遂げるという意味で登場しています。 また、「果たす」は「役割を果たす」という形で使われることも多く、たとえば「彼女はチームリーダーとしての役割をしっかりと果たした」というと、チームリーダーとしてなすべきことをしっかりとやり遂げたという意味になります。 物事について、終わりまでやりきるという意味を示したい場合で、「遂行」より少しでも柔らかい表現にしたい際には、「果たす」という言葉を使ってみてはいかがでしょうか。

「遂行」の使い方と例文

「遂行」の意味がわかっていても、「達成」や「果たす」に比べると、使いどころに難儀することも多いはずです。「遂行」という言葉は、実際にはどのような使い方をするのが適切なのでしょうか。

任務遂行

「任務遂行」とは、与えられた任務をやり遂げることを表します。映画や小説で見かけることのある言葉ではないでしょうか。 典型的なスパイ映画を想像してみましょう。ホテルのロビーからトイレへ、エレベーターへ、そして客室へと足を進めるスパイは、場所を移るごとに青年から老人へ、老人から冴えない中年男性へ、そして中年男性から美女へと姿を変えていきます。 最終的には機密情報の入ったマイクロチップを手に入れ、美女から老婆へと姿を変えてホテルを後にします。この状況は、「スパイは得意の変装を駆使して、難なく任務を遂行した」といえるでしょう。 また、スパイの仕事を影からサポートする情報屋や技術者がいるならば、「そのスパイの任務遂行を支えているのは、利口な情報屋と腕のいい技術者だ」ということができます。 任された仕事を完璧にやり遂げる状態を少し気取って表現したいときに、「任務遂行」という表現はぴったりです。

遂行力

「遂行力」とは、物事を最後まで成し遂げる力を意味します。 たとえば、組織体系や従業員の意識など、一筋縄ではいかない社内改革を見事にやり遂げた経営者がいたとするならば、「その経営者は難しいとされていた社内改革を成功させ、確かな遂行力を示した」ということができます。 また、同期にいつも商談を成立させてくる人物がいた場合、「彼の遂行力にはいつも脱帽している」と表すこともできるでしょう。もしくは、「彼の遂行力には、羨ましさや賞賛の念をとおり越して、嫉妬の気持ちが湧き上がる」場合もないとはいえないはずです。 他にも、「遂行力」という言葉は、スローガンやスピーチなどに取り入れやすく、使い勝手がいい言葉といえます。「遂行する」という動詞ではやや硬い気がして言いにくいという場合は、「遂行力」という名詞から使ってみてはいかがでしょうか。

遂行する

「遂行する」というと、まだ取りかかってはいないけれど、これから始めて成し遂げるという意味合いになります。 「任務遂行」というと、すでに任務が完了している感がありますが、「任務を遂行する」というと、そのフレーズはこれから任務にとりかかるというニュアンスを帯びます。 たとえば、ひょんなことから、社長に部内の雰囲気を観察して報告するようにと言われた場合、社長には「先週末にいただいた特別業務を、本日遂行します」などとメールを送るのではないでしょうか。あるいは、その業務に関する日誌をつける場合、「本日から部内観察の業務を遂行する」と書くこともできるでしょう。 他にも、「新しい事業を遂行する」や「森林再生計画を遂行する」など、いくらでも使いようはあります。ある物事を最後まで進めていくことが決まっているとき、「遂行する」という言い方をすることで、「実行する」よりも意味を強めることができるはずです。

遂行中

「遂行中」とすると、今まさに物事に取りかかっているという意味になります。「遂行中」も「遂行する」と同様、物事が完了するのはこれから先の未来です。 ある会社で、残業や有給休暇の取得などについて、従業員の意識改革に取り組んでいるとします。アンケートや聞き取り調査の結果を整理し、集計している最中だとするならば、その状態は「我が社では、現在、従業員の意識改革を遂行中だ」と表すことができるでしょう。 また、新年度の事業計画に新たな試みが加えられ、そのことに会社全体で取り組んでいるとするならば、「新たな事業計画を遂行中だ」ともいえるはずです。 「実施中」や「稼働中」よりも、しっかりと取り組んでいる印象を与えたいときには「遂行中」という表現を用いると、説得力が増すでしょう。

遂行の類義語の意味

執行

「執行」とは実際に行うことの意味ですが、法令や行政処分などを実行する意味や、それらを強制的に行うことなどの意味もあります。したがって、「執行する」という行為の担い手は、相手よりも強い権力をもっている場合が多いです。 たとえば、ある芸術家が奇抜なオブジェを創造し、自治体に何の断りもなく、市民公園にそれを設置したとします。市は芸術家に連絡をとり、自宅に引き取るよう伝えたものの、応じられる気配がないので、やむなく撤去することを決めました。その場合、「無断で市民公園に設置されたオブジェについて、市は撤去作業を執行することに決めた」ということができます。 このように、強制的に物事を執り行う通達を出す場合には、「執行」という言葉を使うのが適切です。

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初回公開日:2018年02月03日

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