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「可及的」の意味と使い方・敬語・類語|可及的速やかに/火急的

敬語

ビジネスシーンや行政用語としてよく使われる「可及的速やかに」という言葉。こういう言葉をサラッと使える社会人ってかっこいいですよね。ところで、「可及的」とはどんな意味でしょうか?読み方、使い方、どんな場面で使うのがふさわしいか、あなたはわかりますか?

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「可及的」とは?

「可及的」、この言葉、読めますか。もし読めたら、意味は分かりますか。もしかしたら見慣れない、耳慣れない人もいるでしょう。およそ日常生活ではあまり使わない言葉です。ですが、ビジネスシーンで、あるいは行政用語としてはよく使われる言葉です。 「可及的」という言葉を知っている人も知らない人も、ぜひこの記事を読んで正しい使い方をマスターしましょう。

「可及的」の読み方と意味

「可及的」は、そのまま音読みして「かきゅうてき」と読みます。意味は「可能な限り」「なるべく」「できるだけ」。 そもそも、「可及」は漢文の「及ぶ可く(およぶべく)」から来ています。ですので、そのままの意味で現在も使われていることになります。 ちなみに、「可及的」は品詞としては副詞に含まれます。副詞は単体ではなく、修飾語として他の言葉と一緒に使われますが、「可及的」の場合は、その後に「速やかに」がくっついて使われることが多いです。「可及的速やかに」というと、聞いたことがある人も多いのではないでしょうか。

「可及的」の辞書での意味

デジタル辞書コトバンクに載っている「可及的」の意味は、以下のとおりです。その他の辞書にもほとんど同じ意味で載っています。

「[副]及ぶかぎり。できるだけ。」 「( 副 )〔漢文の「可レ及」からできた語〕 できるかぎり。なるべく。」

「可及的速やかに」とは?

「可及的速やかに」の意味は、「できるだけ速く」です。 「できるだけ」という意味だけを考えると汎用性が高そうですが、実は「可及的」は「速やかに」とセットで使用されることがほとんどです。なぜなら、「可及的速やかに」が行政用語・お役所言葉として、ワンセットで使用することがほぼ当たり前になっているからです。 まれに他の言葉が続く場合もありますが、決して間違いというわけではありません。「可及的広範に」「可及的に○○する」という使い方をすることもあります。

「可及的速やかに」の使い方

「可及的速やかに」はビジネス用語・行政用語なので、公的な場で用いることが多いです。ですので、堅い・丁寧な・畏まった表現として使われます。使い方のポイントは、「自分がすること」の修飾語として使うこと。「可及的速やかに処理します」や「可及的速やかに連絡します」はOK。 ただし、相手に対して「可及的速やかに連絡してください」とは使わない方がいいでしょう。堅い言葉なので、相手に威圧感を与えかねません。特に目上の人に対して使うのはNG。いろんな場面に使える言葉ですが、そのポイントはしっかり押さえて使いましょう。

「可及的速やかに」の持つイメージ

「可及的速やかに」という言葉には、「今はできていないけれど必ず○○します」という宣言の意味合いも込められているように感じられます。 上手く使えば相手の信頼を得ることのできる言葉ですが、もしそれができなかった場合は一気に信頼を失うことになりかねません。使い勝手のいい言葉ですが、むやみに多用せず、時と場合を考えて上手に使うようにしましょう。

「可及的速やかに」の類語

「可及的速やかに」の類語として、「なるべく急いで」「大至急」「一刻も早く」「直ちに」「迅速に」などが挙げられます。現代語では「急ピッチで」「なるはやで」というものもあります。 逆に言うと、公的な文書や場で「急いで○○します」と言いたいときには、「可及的速やかに」で言い換えることができます。「急いで」よりも「火急的に速やかに」の方が、相手に「仕事ができる人」という印象を与えやすいので、使える場面では積極的に使っていきましょう。

「可及的」と「火急的」

時折、「火急的」と書く人もいるようですが、それは大きな間違いです。 確かに「火急」という言葉はありますし、意味は「火のついたように急ぐ様」なので何となく「可及的」に近いように思えます。 しかし、「可及的」には「急ぐ」という意味はありません。 「火急」は名詞であり、「火急の用事」「火急の知らせ」など、他の名詞の前について修飾する言葉です。読み方が同じで意味も近しいように思えますが、使う用途も使い方も異なりますので、注意しましょう。

「可及的」の同義語

「可及的」の同義語としては、やはり「可能な限り」が最もふさわしいでしょう。これはどんなシチュエーションでも、どんな意味でも、どんな言葉と一緒でも使うことができる言葉です。 他には、「できるだけ」「なるべく」も同義語と言えます。

「可及的」の類語

「可及的」の類語としては、同じ「なるべく、可能な限り」という意味を持つ言葉である、「努めて・成るたけ・極力」などがあります。もう少し広い意味で捉えると、「精々・精一杯」という言葉もあります。 このうち「精々」は、ややネガティブな意味合いで使われることが多い言葉です。ただし、地域によっては「可及的」と同じ「できるだけ」という意味で使われることもあるので、少々扱いが難しい言葉でもあります。 その後に続く言葉やニュアンスによって、どの修飾語がふさわしいかを考えてみましょう。わからなければ、シンプルな、単純なものを選びましょう。

「可及的」の言い換え

同義語・類語としてこれだけの言葉があるので、状況や使う相手によって、いくらでも言い換えをすることができます。 「可及的速やかに」を例とすると、ビジネスシーンでは「可能な限り急いで」「大至急」「急いで○○するよう努めます」、少し砕けた場合には「なるべく急いで」、もっと砕けた場合には「なる早で」「超特急で」、などの表現ができます。 また、「ASAP」というビジネス用語もあります。これは「as soon as possible」の頭文字をとった略語で、「なるべく急いで」という意味で使われます。英文の最後に付けたり、「ASAPで対応してください」と日本語でも使うこともあります。 「可及的速やかに」だと堅すぎると思ったときや、相手に急いでやってほしい案件があるときにはぜひ使ってみてください。

「可及的」の敬語

そもそも、「可及的」が丁寧な言葉なので、「可及的」の敬語というものはありません。ただ、「可及的」の後に続く言葉は敬語になることがほとんどです。「可及的速やかに対処いたします」と使うことはあっても、「可及的速やかに対処してやろう」とは言いません。 やはり公的な場面で使われることの多い言葉なので、それ自体が敬語として扱われているのでしょう。

「可及的」の対義語

「可及的」、つまり「できるだけ」の対義語として、「ぜひ」が挙げられます。現在は「ぜひ○○してください」と相手にお伺いを立てるニュアンスで使われることが多いですが、もともとの意味は「是でも非でも」、つまり「良かろうと悪かろうと」「どうであろうとも」です。 実は、「可及的」よりも強いニュアンスがあるのが「ぜひ」という言葉です。強い希望・願望が込められているので、「可及的」よりも強制力が働く言葉なのです。この違いは、「ぜひ」覚えておきましょう。

「デキる人」と思ってもらえる人になろう

前項でも書きましたが、「可及的」を上手く使えると、「仕事ができる人」というイメージを持つことができる場合があります。しかし、あくまで「上手く」使って、かつちゃんと結果を出さないと意味がありません。 逆に気軽に多用すると、口先だけで実のない印象を持たれてしまいます。 ビジネスシーンで一番多く使われる「可及的速やかに」には、責任が伴います。「可及的速やかに対処します」と言った場合、やはりその後急いで対処をしなければなりません。 とはいえ、この言葉を使おうが使うまいが、一度「やる」と言ったことをやるのは、社会人として当たり前のことです。正しい意味と使い方をきちんと押さえて使用すればいいだけのこと。簡単なことではありませんが、決して難しいことでもありません。 正しい言葉の使い方を覚えて、同僚や上司、一緒に仕事をする仲間から信頼される人になりましょう。

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