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潮時の意味と語源・潮時の意味の勘違い・潮時の正しい使い方

社会人常識

日本人の4割が間違えて使っているという「潮時」の正しい意味って?「諦め時」という悪い意味ではない?どうして「潮時」と言うのか?「勝負どころ」「頃合い」「千載一遇」「機が熟す」などの類語や、日常で使える例文を交えて解説します。

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「潮時」の意味とは?「諦め時」という意味ではない?

潮時の意味と語源・潮時の意味の勘違い・潮時の正しい使い方

「潮時」という言葉をご存知でしょうか。これは「潮時(しおどき)」と読み、「ちょうどいい時期」という意味で使われる言葉です。 しかし、「そろそろ潮時かな」などと使っている発言を聞いたことはありませんか。この言い方ですと、さも「ものごとの終わり」という意味に聞こえます。果たして、「潮時」の正しい意味と何なのでしょうか。また、よくある誤用や正しい使い方について例文を交えて説明します。

「潮時」の正しい意味って?

潮時の意味と語源・潮時の意味の勘違い・潮時の正しい使い方

まず誤解されがちな「潮時」の表現として多く見られる「そろそろ潮時かな」というマイナスの発言は、完全なる誤用です。 潮時とは「物事を行うのにもっとも適した時期」という意味ですので、最高の状態が目前であるというプラスの意味です。それを前提に、「潮時」の意味を見ていきましょう。

1 潮の満ちる時

こちらは本来の意味になります。 「潮の満ちる時、引く時」などと言いますが、そこから「潮時」という言葉が生まれました。

2 潮の引く時

1の意味と同様に、引く時も「潮時」と言いました。

3 物事を始めたり終えたりするのに適当な時期。好機。

こちらは潮の満ち干きから転じて生まれた意味です。のちほど改めて説明しますが、「潮時」とはもともと漁に関係する言葉です。「潮時」といえば、漁に出るのに適当な時間を指す言葉だったことから、「物事を始めたり終えたりするのに適当な時期」という意味になりました。

「潮時」の語源って?

満潮

「潮時」の潮とは海の水のことを表します。「潮時」には「潮の満ち干き」という意味がありますが、そもそも潮の満ち干きとは何なのでしょうか。 潮の満ち干きというのは、「潮汐(ちょうせき)」と呼ばれる現象によりますす。これは、他の天体の潮汐力という力によって天体の表面などが上下する現象です。この潮汐が地球の表面、つまり海に影響することにより、潮の満ち干きが生まれます。 潮が満ちることを「満潮」といいます。「満潮」とは、海水面が最も高くなることです。

干潮

それでは海水面が最も低くなることをなんと呼ぶのでしょうか。最も低くなることは「干潮」と呼びます。満潮と干潮は一日に平均二回起こります。

漁に出るタイミングと関係がある?

「潮時」の語源とは干潮、満潮を指すことですが、なぜこの言葉が生まれたのでしょうか。それは、その当時潮の満ち干きがとても重要だったからです。海での仕事といえば漁ですが、その頃の船にはエンジンなどついておらず、人の力や風の力を頼りに漁に出ていました。 そのために満ち干きの時間を表す「潮時」という言葉が生まれます。

「潮時」の意味の勘違いとは?

潮時の意味と語源・潮時の意味の勘違い・潮時の正しい使い方

それではなぜ「潮時」の意味が誤用されるようになってしまったのでしょうか。平成24年に文化庁が発表した「国語に関する世論調査」における「潮時」の意味を見てみましょう。 この調査によると、本来の意味とされる「ちょうどいい時期」で使う人が60.0パーセント、本来の意味ではない「ものごとの終わり」として使う人が36.1パーセントという結果が出ています。 なぜ「ものごとの終わり」と広まってしまったのでしょうか。

「諦め時」のような悪いイメージの言葉ではない?

「潮時」とは、「物事を始めたり終えたりするのに適当な時期」という意味ですので、事実何かを諦めたり、辞めてしまうときに使用しても間違いではありません。 たとえば、もう辞め時だ、というニュアンスで「近年赤字続きだ、この会社も潮時かもしれない。」という使い方では間違いです。しかし、「彼女との関係も潮時かな。」などと使った場合それが適当であるなら間違いではありません。 しかし、なぜ「ものごとの終わり」のような使い方になってしまったのでしょうか。 考えられるとすれば、「潮時」になった状況というのは、そのときまで続いていたものに転機が訪れ、また別の状況になります。つまり、一度は終わってしまいます。このことから、「潮時」とは「ものごとの終わり」であると誤用されだしたのでしょう。

「最良なタイミング」のような良いイメージで使われる言葉?

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「ものごとの終わり」と隣合わせである「潮時」という言葉が誤解されてしまうのも頷けますが、そもそもの意味となった「漁に出る最良なタイミングの満ち干きを表す時間」を思い出してみましょう。 「最良なタイミング」を表してくれる、良い意味で使われていた言葉です。 このため「潮時」とはあくまで良いイメージの言葉であり、「彼女とは結婚の潮時かもしれない。」「この会社は波に乗ってきたから店舗を拡大する潮時だろう。」などと使う方が望ましいです。

「潮時」の類語って?

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ここまで「潮時」の意味について説明しました。それでは「潮時」と似た言葉はあるのでしょうか。 ここでは「転機」「勝負どころ」「頃合い」「千載一遇」「機が熟す」「好機」の六つを紹介していきます。

「転機」

一つ目は「人生の転機」「重大な転機を迎える」などと使われる「転機」です。 「転機」とは「ある状態から他の状態に変わるきっかけ。変わり目。」という意味であり、好転しそうな未来を指す潮時とは違って、内容が良くも悪くも過去を振り返ったさい初めてわかるものが転機です。 転機とはそもそも良い悪いという意味は含まれていませんが、「人生の転機だった」と言えば良い意味に捉えられます。また、それを決めるのは本人であり、他人が決めることではありません。

「勝負どころ」

「ここが勝負どころだと一気に攻め込む」などと使います。 「勝負どころ」とは「勝ち負けの決まる大事な場面・局面。」という意味です。潮時よりも、その局面が眼前に迫っている状況です。

「頃合い」

意味は二つあります。 一つは「適当な時機。よいしおどき。」という意味です。たとえば「花見には頃合いだ」「頃合いを見て料理を出す」などと使います。 二つ目は「ちょうどよい程度。てごろ。」という意味です。こちらは「頃合いの値段の品」などと使います。 類語として扱われるのは文字どおり一つ目の意味となります。

「千載一遇」

「千載一遇のチャンスを逃す」などと使います。 「千載一遇」とは「滅多に訪れそうもないよい機会。二度と来ないかもしれないほど恵まれた状態。」という意味です。 「載」とは「年」のことであり、「一遇」は一度出会う、「遇」は思いがけず出くわすという意味です。つまり、千年に一度、偶然訪れるくらいの機会という意味になります。

「機が熟す」

「決起の機が熟す」などと使います。 「機が熟す」の意味は「物事を始めるのにちょうどよい時期になる。 」という意味であり、潮時とほとんど変わりません。

「好機」

「好機が到来する」などと使います。 意味は「物事をするのにちょうどよい機会。チャンス。」であり、こちらも潮時とほとんど変わりません。

「潮時」の正しい使い方って?

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それでは「潮時」の本来の意味である「ちょうどいい時期」という正しい使い方を、例文をもって説明していきます。

「恋愛の潮時を見極める」

「今大事なのは、恋愛の潮時を見極めることだ。」 恋愛には出会いや別れ、結婚などさまざまな転機が訪れます。それが満潮時がいつかどうか、見極めることが大切です。

「ピッチャー交代の潮時」

「今の球で100球投げた。ピッチャー交代の潮時だろう。」 野球中継など聞いていると、ときどき聞くフレーズの「交代の潮時」という言い方ですが、たとえばあのピッチャーはもうだめだろうというニュアンスで「このイニングで三失点した。ピッチャー交代の潮時かな」などと使うのは間違いです。 場内が盛り上がっていて、エースピッチャーを投入するのにふさわしい場面である状況で「ここらであのピッチャーを交代させる潮時かな」と使うは正しい使い方です。

「潮時を見計らう」

「いや、まだやるには早い。しっかりと潮時を見計らうのだ。」 ピークを迎え、最高の状況を伺うという場面で「潮時」と用いるのは正しい使い方です。

「またとない潮時」

「このタイミングで出発しよう。またとない潮時だ。」 「千載一遇の好機だ」というニュアンスで用いられます。

実は潮時は良いイメージの言葉だった

潮時の意味と語源・潮時の意味の勘違い・潮時の正しい使い方

テレビなど聞いていると、多く誤用しているのが耳につく「潮時」について解説させていただきました。「潮時」の語源やイメージ、例文など理解していただけましたでしょうか。 本来「潮時」とは「物事を始めたり終えたりするのに適当な時期」という意味ですが、隣り合わせである「ものごとの終わり」という意味と混同していることがわかります。 「潮時」とはあくまで好機を意味する言葉であり、良いイメージを持つ言葉です。ぜひここだと思う潮時を逃さず、使ってみてください。

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